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【感想】ガラスの仮面 3巻

2019年8月17日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

前回までのガラスの仮面は

あらすじ

「若草物語」でのべス役を熱演後、謎のファンから紫のバラを贈られるマヤ。それが「紫のバラのひと」との運命のはじまりとも知らず…。全日本演劇コンクールの東京大会で、「たけくらべ」の主役・美登利を演じることになったマヤは…bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は美内すずえさんです。

登場人物

北島マヤ:若草物語のベスの役を演じる事になる。物語のクライマックスシーンのベスの病床でのシーンを演じるために大雨の中1人でたたずみ体調を崩す。40度の高熱でまさに迫真の演技で舞台に挑む。

月影千草:劇団つきかげの創始者。自身が演じてきた紅天女の後継者を探している。芝居の事しか頭に無いタイプの人間なので微妙に脇が甘い。大人になって改めて読んだら、スパルタ以外にも結構問題ある人のような気がする。

速水真澄:大都芸能社長の息子。紅天女の上演権が欲しいので月影先生を色々と妨害する。通称紫のバラの人。マヤの事が少し気になるが2人の年齢差は10以上にもなり、かつマヤはまだ中学生なので控えめに言ってロリコン。女子目線から見れば甲斐性のある大人の男性なので憧れの対象にはなるが、男性目線からすればそれは見えている罠。嫌な時代になったもんだ。

姫川亜弓:劇団オンディーヌ所属。マヤのライバル。演劇コンクールの東京予選で劇団つきかげとおなじく『たけくらべ』にてマヤと同じ『美登利』を演じる事になる。よくある悪いタイプのライバルではなく正統派の真っすぐなライバルなので好感度が高い。

感想

演劇道が修羅道すぎる

この令和時代にこんな事してたら間違いなく炎上案件な話が当たり前のように続くので、おおらかな時代だったんだなぁと思わされます。当然フィクションですから、当時の劇団が本当にこんな感じだったかどうかはわかりませんけどね。

2巻に続き、若草物語の舞台の話です。2巻の終わりに、劇のクライマックスである『ベスが病気で倒れるシーン』を演じるために大雨の中1人たたずみ体調を崩し、40度の高熱で舞台に上がるというまさに『芝居のためなら死ねる』を地でいく展開。

俺はこの『若草物語』をちゃんと読んだ事が無いのですが、ベスがかかった病気は猩紅熱(しょうこうねつ)という病気で、現代では比較的容易に治る病気のようです。抗生物質マジ凄い。

さて。まさに迫真の演技で生死の境をさまようベスを演じる環境は整ったものの、当然病で倒れるまでは健康なシーンを演じなければいけません。

40度の高熱での舞台なのでハプニングも続出。持っていたミルクつぼを落としたり、高熱のために照明がまぶしく感じボーっとしてしまいセリフが遅れたり。

もう芝居どころではないような気がするのですが、そこは月影先生。そんなに甘くはありません。

高熱で頭がボーっとしてセリフが遅れた。と言い訳をするマヤに対してこの仕打ち。

バケツで冷水ぶっかけられた

「熱のせい・・・?ではその頭を冷やしてあげましょう」

俺がマヤなら月影先生に殴り掛かる勢いなわけですが、これを受け入れ再び舞台に立つマヤ。

自分の夢に向かって頑張るJC

素人のレベルでこんなんだったらプロのレベルはどうなんだろうと思わないでもないですが、とにかく舞台は続きます。

マヤ、月影先生の両名の覚悟というか明らかにやり過ぎの芝居魂に周囲もドン引き。

舞台に出るのはいいですが、衣装も何もかもびしょ濡れになってしまったのでどうすんのこれ?という状況をアドリブでカバーし、さっきまで死にかけていたレベルの体調なのに、1度舞台に立てばそんな様子をまったく感じさせない演技を見せるマヤ。すげぇなしかし。

そしてついに、念願?の病で生死の境をさまようシーンに辿り着きます。

ここのために体調不良になったのですから、さすがにここは魂のこもった演技を見せます。

もはやホラーのそれ

最初ベッドにちゃんと寝ていたベスが、意識がもうろうとしてずり落ち、野ばらを歌う。というシーンが3ページくらいに渡って描かれるんですが、かなり怖い。ちょっと調べたのですが、どちらかというと歌うというよりピアノを弾く。というシーンのようですね。原作的に。

そしてマヤの熱演もあり劇は無事終了。

しかし。この舞台の成功を喜ばしく思わない汚い大人達の陰謀が始まろうとしていたのでした。

一方、立場としては劇団つきかげを潰さなければならないはずの速水が少しずつマヤに魅かれていきます。

紫のバラを買い、正体を現さずにマヤにバラを渡し『紫のバラの人』として認識される速水。

2人を巡る複雑な運命の歯車がこうして回り始めたのでした。

劇団つきかげにスキャンダルの影

無事に舞台も終了し、平穏な学生生活に戻った様子が5ページほど描かれ、そこからまたしてもトラブルが始まります。

まずは若草物語に対する酷評。劇団つきかげを潰したい汚い大人の暗躍により、劇を見に来ていた雑誌社の記者達が『失敗作だった』と書きました。これによって評判を落とす劇団つきかげ。

さらに、劇団つきかげ創設の際に出資してもらった青柳社長との捏造スキャンダルまで書かれピンチに陥ります。

線のあるタイプの電話

ここで、出資者の社長と月影先生の関係を『パトロン』と書かれた事に激怒する月影先生ですが、個人的には別にそんなに悪い意味でもないと思うんですよね。まぁ雑誌の記事自体は詳細には書かれていませんので、いかがわしい感じでのパトロンの使われ方だったんだと思いますけどね。

この手の芸術分野に資金的援助者は必要不可欠だと思うんですが、その辺が不適切な関係みたいな捏造記事だったのかもしれません。

そしてその話が当の出資者である青柳社長の耳に入ります。不適切な関係に関してはもみ消せるとしても、舞台に対する酷評の被害は目をつぶるわけにはいかない。と激怒する社長。というかそれを伝える部下の人。

劇団つきかげ創設の際に社長に借りたお金は5000万円。このまま劇団つきかげが悪評を覆せなければこのお金をどうするよ?と詰めてくる部下の人。

これね。芝居のためなら一切の妥協を許さない月影先生と、ビジネスとしての演劇って相性最悪だと思うんですよ。月影先生は売れるための媚びた演技とか絶対許さないタイプなのに。

なので、スキャンダルどうこうが無くても、いずれ破綻の道を辿るような気がするんですけどね。月影先生には演劇の指導者としての才能はあっても経営の才能はあまり無いような気がします。

今の世なら『教え子をぶん殴ったりする先生』という事実が発覚するだけで終わりですけどね。

とにかく。

スキャンダルにより汚名を着せられる事になった劇団つきかげ。汚名を返上するために全日本演劇連盟が主催する演劇コンクールの全国大会で優勝を目指す事になりました。

演劇コンクールに出場する

演劇コンクールに出場するための参加申請にやってきた劇団つきかげ一同。

イメージが悪い

まだ何も始まってもいないのにすでに空気は冷え冷え。完全なアウェー感が漂います。

するとそこにやってきたのは大都芸能with劇団オンディーヌチーム。どうやら彼らも演劇コンクールに出場するようです。

先に車に戻ったマヤ達を待たせ、月影先生に対して汚い大人の駆け引きを行う速水達。帰りが遅い月影先生を心配して様子を見に戻ってきたマヤが、悪い一面の速水を目撃してしまいます。

冷静になると意識する事すらおかしい年齢差

これにより『速水=月影先生を追い込む悪い奴』という印象になるマヤ。しかしその一方で『紫のバラのひと』に対する気持ちを支えにしている一面もあり、マヤは2人が同一人物である事は知りません。

いいですねこういう展開。少女漫画っぽい。

まさに目の前にいる彼が

大都芸能のために劇団つきかげの崩壊を狙う一方で、紫のバラのひととしてマヤを支えていく。そんな人生を速水は送り始めるのでした。

演目が決まる

劇団つきかげの今後のために非常に重要なコンクールの地区予選。演目は『たけくらべ』に決まりました。

主役の美登利に選ばれたのはマヤ。一旦は今の状況から責任の重さ故に断ろとするマヤでしたが、劇団の仲間が後押ししてくれたので主演を受け入れました。

もうこの道しかないので

一方その頃。劇団つきかげにとって大きな壁となる劇団オンディーヌも、なんと同じ演目をぶつけてきました。

オンディーヌの美登利役には亜弓。その相手役となる信如役にはマヤの事が好きな桜小路君に決まりました。

劇団つきかげの今後の進退がかかった重大なコンクールで、あえて同じ演目をぶつけてくるオンディーヌ。どちらにせよもう後も無いわけですが、ますます負けるわけにはいかなくなりました。

これを聞いて、他がなにをやろうがしった事ではない。と冷静を装う月影先生でしたが、当然内心穏やかではなかったようで演技のレッスンが厳しいものになります。

ビンタでシバキまわす

美登利が怒るシーンの指導のために、マヤに『腹の底からわき上がる怒り』を経験させるためにビンタでマヤをシバキまわす月影先生。都合3ページに渡ってヒロインの顔を殴り続けます。

パトロン云々よりもよっぽどスキャンダルなわけですが、この行き過ぎた指導によりさすがにキレるマヤ。

口から流血しながら月影先生をにらみつけます。

が。

あんまりではないか

さらにマヤの髪を引っ張り怒鳴る月影先生。もし俺なら、もはや月影先生などではなく月影のクソババァになるわけですが、とにかく。

前向きにも、そこから演技をしだすマヤ。自分の内からわき上がる怒りを見事に演じます。

こんなもん演技どころではないけどね。

そしてその日の夜。

ダメンズの才能を感じる

あれだけヒドイ目にあったのに、そのおかげでいい演技が出来たと月影先生にお礼を言うマヤ。

あぁなるほど。こうして洗脳は進んで行くのか。と思わざるをえません。あるいはDV彼氏から抜け出せない女性のようで。将来が心配になりますよ。

自分の顔をバシバシに殴り、さらには髪を掴んで怒鳴った人物にお礼を言い去るマヤ。そしてそれを受けた先生のリアクションは。

原因はあんただ

おかしいのはあなたの頭では?と言いたくなりますよね。いやまぁある意味正論なんですけどね。お礼言う筋合いなんてとりあえず無いわけで。

そのうち死人が出るよこの劇団。

妨害工作を受ける

オンディーヌ側を意識しつつも、劇の稽古は進みついに本番前に1度だけ許されている本番の会場での舞台稽古の日がやってきました。

が。

なんと、オンディーヌ側の妨害工作により練習する日を変更されていた劇団つきかげ。当然その日の告知も来なかったので、すでに予定は過ぎたと練習を拒否されてしまいます。

当然ブチ切れで係員に詰め寄る一同。そこに、今劇団オンディーヌが稽古してるらしいぜ!という話が聞こえてきたので見学に行きました。

そこで亜弓の演じる美登利を見て、自分とのレベルの違いに打ちのめされてしまうマヤ。

舞台練習を巡る騒動はうやむやになってしまいましたが、とにかく心が折れてしまいます。

折れてしまう

いくら才能があると言っても中学生。あんまり押し付けると可哀想。

しかし。

そんな繊細な中学生に対して月影先生がとった行動は、場所の離れた小屋の中にマヤを隔離する。というエグイものでした。

悲惨

そろそろ報復で後ろから刺されてもおかしくないレベルの扱いですが、それに耐え・・・というか小屋の中で特に他にする事も無いので1人で劇の練習を始めるマヤ。

こんな頭のおかしな指導者の元、果たしてこれからどうなってしまうのか!

というのが3巻の内容です。月影先生は芝居の事しか頭にないのでもうだいぶヤバイ感じですね。

月影先生にはその暴走を止めるブレーン的ポジションの人が必要ですよね。でないとマヤ死んじゃうよ。ちなみにこの時冬設定なので、小屋は相当寒いはずです。

さぁこれからどうなっていくのでしょうか。上手く美登利を演じる事が出来るのか!

4巻へ続く。

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