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【感想】ガラスの仮面43巻 告白する桜小路君と迷走するマヤ。頑張る亜弓

2024年3月5日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

あらすじ

都会での「紅天女」の稽古が進む中、桜小路優は、マヤに本当の思いを告げる。だがマヤの胸の中には「紫のバラのひと」への思いが大きく育っていた。そして再び、月影千草がマヤの前に現れるのだった。

bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は美内すずえさんです。

登場人物

北島マヤ:恋愛関係のゴチャゴチャであまり芝居が上手くいかなくなっている。

桜小路優:やさしい

感想

恋愛関係でゴチャゴチャする

はい!というわけで今回紹介するのは『ガラスの仮面』の43巻です!

さぁ!いよいよ果てが見えてきましたね!なんかこればっかり言ってる気がしますが他に特に書く事もありませんのでチャッチャといきましょう!

痴情のもつれ

42巻の終盤で、マヤと桜小路君との2人きりデートを目撃した速水(こちらも紫織とデート中)がジェラシーにより急遽マヤへ紫のバラを贈り、それを受けて速水を探していたマヤがボートにくくられたロープに足を取られて海に落下。それを桜小路君が助ける。というイベントが発生しました。

ボートに繋がったロープが足にからまって海に落下。下手しなくても死亡事故の可能性大であり、大事故なわけですが、それにしてもなにやってんだこの人達はマジで。

マヤの事が諦められないという速水の気持ちもわかるんだけど……。

さて。なんかもうプレイベートの恋愛で心かき乱されまくって全然芝居にも集中出来ないマヤ。ひたすら黒沼にダメ出しをされ続けます。

そんなチーム黒沼の稽古場に、また1人愛に燃える女子が乱入してきました。

桜小路君の事を大好きな舞ちゃんが、マヤを粛清しに稽古場に来ました。

本心では速水の事が好きなマヤの事が好きな桜小路君の事が好きな舞ちゃん。

桜小路君が自分の携帯の待ち受けをマヤとお揃いのペンダントを付けて並んでいる写真だと知った舞は激怒。

『この泥棒猫め!!!!』と言わんばかりの勢いでマヤにくってかかります。

マヤのペンダントをむしり取り、桜小路君の携帯をぶん投げてブチ切れて帰ります。

さすがにこの状況を重く見た桜小路君は、舞ちゃんをファミレスに呼び出します。

『桜小路君が謝るなら許してあげてもいいよ』と、いきなり稽古場に乱入してきて主演女優にケガまでさせた当事者が上から目線での要求ですが、桜小路君はこれを拒絶。

ぼくを許さなくてもいいよ。と。ついにその気持ちを告げます。

いや。そもそもが、お前が舞ちゃんをまるでキープしてるかのような扱いをずっと続けてきた事が今回の事件を招いたんよ。この世界の男はなぜかハッキリしない。可能なら保留にしようとする傾向があります。

『きみを傷つけたくなかった』と桜小路君は言っていますが、それは君お得意の『やさしさ』ではない。残酷な生殺しなのだよ。

しかしそんな曖昧な関係に、やっと今回決着がついたのです。

その後、マヤを呼び出した桜小路君。マヤはお揃いのペンダントを返そうとしますが桜小路君はそれを拒否。舞ちゃんとは別れてきた。とマヤに告げます。

『別れてきた』とか言ってるけど付き合ってもないと思うんですが、さてそこに男女の関係はあったのでしょうか?特にハッキリした事は言わないのに体の関係だけはあったとかだと桜小路君のカスっぷりが明らかになるんですが、そういう描写はありません。彼はいつまでもやさしい人であってほしいですね。

超特大ブーメラン刺さってますよ?という感じのお別れのセリフ。恋愛って難しいね。

そして、そのままの勢いで自分の想いをマヤに告げる桜小路君。

シンプルに『きみが好きだ付き合ってほしい』というのが告白の言葉でした。

しかし、マヤには別に想い人が。それを理解したうえでの告白でしたので、いつかマヤの心の中からその人がいなくなるまで待つよ。という事です。

もしマヤちゃんがその気になったら、このイルカのペンダントをいつかペアにしてあげてほしい。とちょっとファンシーな感じの告白となりました。

その告白の流れを受けましての感想がこちらです。やはり桜小路君はやさしい。

果してこの恋が実る日は来るんでしょうか?

演技がわからん

というわけで、とりあえず何かしら一段落ついたかのような感じになりました。

どうやら桜小路君はマヤに自分の気持ちを打ち明けたという事を稽古場で隠しもしないようで、みんなの間で噂に。そしてそれが速水の元にも届きましたが速水はそれを一蹴。

さらに、紫織とのデートの時にマヤを桜小路君を見かけるもこれもサっと流しました。

空に流れ星を見て。紫織に『願い事は無いですか?』と聞かれてのこの返答です。

願い事を叶える事が出来なくなっているその元凶に聞かれるとはなんともまぁ皮肉な話ではありますが。

こうなったらとりあえず強引にでも紫織を好きになっていく方が幸せなのでは?という気もしないでもないですけどね。でも紫織ちょっとケバいんだよなぁ。速水はたぶんあまり女性経験が無いので清純派が好き。

一方。

相変わらず全然演技が上手くいかないマヤ。黒沼にひたすらずっと怒られるだけです。

マヤが黒沼に怒られているのに、なぜか桜小路が謝ります。

あ~もうこういうの現場でやられるとマジで萎えるわ。もうカップル気取りじゃん。黒沼が激怒する系の人なのでみんな目が覚めるので大丈夫だと思うんですけど、これ周りの士気めっちゃ下がると思うわ。

主演の男優と女優が付き合ってて、稽古中でも公私混同し始めてるとかもう想像しただけでもダルい。

激怒した黒沼によって部屋から追い出され、倉庫で頭を冷やす事にしたマヤ。

お!ついに!ついに久しぶりに芝居星人覚醒イベントか!?

……と、思ったのですが、倉庫でちょっとセリフを思い出してみて『風・火・水・土がわからん』という事になり、その後公園に移動。

そこで、草をむしって水を汲んで木と会話しようとして公園のお散歩は終わりました。

今後も基本的には『紅天女少しわかった!→やっぱりわからんかった』の繰り返しです。

もし紅天女を完全に理解してしまうとその時点でこの漫画は終わってしまうので、おそらく完結まで、いや完結しても紅天女を完全に理解する事はないでしょう。

その部分がどうしても引き伸ばし的に見えてしまうのですが、その辺はまぁ読んでいるそれぞれの感想だと思います。

ライバルは真面目にやってた

マヤが男とイチャイチャしたりトラブルを起こしたりして稽古に全然集中してない間にも、ライバルである亜弓はとても真面目に努力していました。

紅天女の試演に向けての特別稽古場という事で、ちょっとした体育館みたいなところに色々な用具を置いて、アスレチックのような様相。

そこで亜弓の特訓が始まっていくようです。

マジでマヤは亜弓に謝るべき。ライバルは超真面目に努力して必死に紅天女目指してるのにお前は何をやってんねんと言いたい。

そして、そんな亜弓の努力が各種メディアで取り上げられる事になりました。その根底には早くから亜弓を売り出したい小野寺の策略があるわけですが、それをのぞいても亜弓は頑張っているのでもっと取り上げられるべきだと思います。

新聞の記事になったりテレビ番組になったり。それを見てザワつく黒沼陣営でしたが、実際マヤは桜小路君や速水とフワフワしてただけだからね。そらそうよという感じです。

テレビで放映された亜弓の演技。その素晴らしさを見て絶句する世間。

亜弓はただの客寄せパンダではありません。その環境に決して甘んじる事なく努力を続ける事が出来る本物の天才です。

その亜弓が本心から最強のライバルとして認めた北島マヤというおそろしい才能を持った天才に勝つために、それこそ死ぬ気で努力しているのです。

一方のマヤは、フワフワふらふらしていただけ。この差は大きい。

亜弓の完成された演技を見てショックを受けてしまうマヤ。そらそうよ。

その様子を外から眺めて心を痛める桜小路君。

いいひとだとは思うんだけど、なんか逆効果な気がするよ。『そういうとこやぞ』と言いたくなります。

その後。

姫川亜弓推しのメディア展開の効果は絶大で、世間は亜弓一色になりました。

こんなの卑怯だ!と黒沼陣営からの声もありますが、しかし明らかなインチキというわけでもありません。亜弓はその実力をもって世間を魅了したわけですからこれをズルというかどうかは微妙なところ。

大都芸能の速水が小野寺と組んでこんな事をしたに違いない!と言い出すモブでしたが黒沼はこれを一蹴。

小野寺はともかく、速水がこんな事をするわけがない!と。まぁ必要があればあの男はこれくらい余裕でやるんですが、それはともかく。

周りの事は気にしないで自分の事に集中しろ!とまたしても怒られてしまいます。それはそう。

この流れを受けて、流石にちょっと芝居に本腰を入れ始めるマヤ。しかし、結局何もわからない。一体これから自分はどうしたら……。

そこに。

いいところを持っていく。

それから

ここまでで43巻の半分くらいです。

雨の公園で1人稽古をしてみるが何も掴む事が出来ないマヤ。そこに、傘もささずに気取ったイケメンがやってきました。速水です。

なんで傘をさしていないのかは不明。理由が語られる事はありません。たぶん急に降ってきたからだと思うんだけど。

さて。結構な勢いで降る雨の名中、速水はマヤを連れ出して車通りの多い道の歩道橋に連れていきます。

橋の上から見下ろすは都会の車。そこで速水は言いました。

『ここで紅天女をやってくれ』

と。

ザワザワとした騒がしい都会。目の前にあるはコンクリートジャングルです。そこで説く『風・水・火・土』や紅天女の世界観。

しかし。それには現実味がありません。この都会では、それはあくまで舞台の上だけでのファンタジー。紅天女などやはり実在しないのです。

そんな、舞台の上だけの幻の、ファンタジーの世界の紅天女にリアリティを感じさせてほしい。この現実の世界に紅天女はいると。感じさせてほしい。

それが速水の願いでした。

紅天女のリアリティ。これがマヤの目指す方向性となるのでしょうか。

ちなみに、こちらは雨にずぶ濡れのマヤに傘を差しだすも塩対応を受ける桜小路君です。

Googleで『桜小路くん』と検索するとサジェストの1番目は『かわいそう』です。

ここからは、なんとか『阿古谷としての日常』を意識する生活から普段の動きは阿古谷っぽくなってきたものの、やはり一真に対する魂からの恋心が感じられないと指摘されるマヤ。

なかなか難しい話ですよね。

さらに、少しずつ速水のどこか怪しい部分(マヤへの秘めた想い)に気付き始める紫織。さぁエンジンがかかってまいりました!

マスコミの捏造記事により叩かれ落ち込むマヤと、そんな記事まったく相手にもしない亜弓。そして。

月影先生はマヤ推し

最近ちょっと集中出来てないマヤですが、それでも月影先生のジャッジではマヤが優位という事で、主人公補正の協力な世界。亜弓可哀想。

そしてついに『マヤは紫のバラの人が異性として好き』という事に気付く速水。

紅天女は。2人の恋はどうなってしまうのでしょうか?

44巻へ続く

画像:「ガラスの仮面」コミックス43巻より引用

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