【感想】ガラスの仮面47巻 ついに確かめ合うお互いの気持ち!乙女心満載の巻!必見です!
あらすじ
紫織の仕組んだクルーズ船に、偶然マヤと真澄が乗り合わせることに。運命の出会いに二人は初めてお互いの気持ちに触れる。そのことに気づいた桜小路は…
bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は美内すずえさんです。
登場人物
北島マヤ:紫織の世話係がなめたマネをしてくれたので文句を言うために訪れた船で速水と2人きりになる。
速水真澄:紫織のサプライズで豪華客船に乗船するが紫織が来なくなり代わりにマヤと出会う。仕事では敏腕かもしれないが、女性関係に関しては流されるままになる奥手男子。草食系。
感想
ついにお互いの気持ちを理解する速水とマヤ!最高です!最高ですよ!!
はい!というわけで今回紹介するのは『ガラスの仮面』の47巻です!
さて。ここ最近の芝居の練習もロクにしないで男とフラフラしてばかりのマヤに不満があったわけですが、この巻は違います!ガラスの仮面49巻までの中で好きな巻の中でもかなり上位に入るでしょう!
マヤと速水が純粋にイチャイチャするだけの話なのであれば、俺は大好物なのです。なんぼあっても困りません。というわけで、とても好きな巻の紹介です。
2人船の上で出会う
紫織の世話人とかいう謎のバ……ご婦人により、手切れ金1000万円の小切手を渡されたマヤと黒沼。それを見てブチ切れた黒沼から『こんなもん返してこい!』と言われ、紫織の居場所を調べて港へとやってきたマヤ。
実はその港では紫織が速水とのサプライズ船旅を用意していたのですが、渋滞に巻き込まれて紫織は時間までに辿り着く事が出来ませんでした。
その代わりにマヤが船に乗船。先に乗っていた速水と出会い、船はそのまま出航。
こうして、つまらない策略をたくらんでいた紫織にはわかりやすくバチが当たりました。ざまぁみろ。
船の旅なので、出航してしまえばもう逃げるわけにもいきませんからマヤと速水のナイトクルージングデートの開始です。
2人でディナーを食べるわけですが、とにかく目立つ。マヤはともかく速水はあの大都芸能の若社長です。しかもここは豪華客船。乗っているお客さんのレベルも相当に高い人達ばかりでしょうから、速水の顔を知っている人も多いでしょう。
どうしても注目を集めてしまうので緊張するマヤ。
心配するマヤに対して『おれはいっこうにかまわんが』と烈海王ばりの甲斐性を見せつける速水。
まぁ推しと噂になるとか、男としてこれ以上の誉(ほまれ)はありませんからね。本望でしょう。
とは言え、実際にはどちらかと言えば紫織との婚約発表の方が人々の記憶には新しいので、男女の色っぽい関係だとはあまり思われてないようです。どちらかと言えばなんか新しい舞台の打ち合わせかな?くらいの感じ。
そんな2人の前に紫織からの『高速の渋滞に巻き込まれたから船には乗れませんでした』という連絡が入ります。それを聞いて、紫織は本来ここに来るはずだったのかとショックを受けるマヤ。
さて。さっそくここで速水が本題に入ります。『ところで何しに来たんだ?』と。
マヤは最初に『人を探しに来た』と速水に説明していました。しかしその人は今も見つかっていない。さらに、この船に乗れなかったのは紫織1人だけ。つまり、マヤが探していたのは紫織では?一体なんの用で紫織に会いに来た?とマヤを詰める速水。頭がいい。
特に隠したりウソをついたりする理由もないし、なにより速水の頭の回転の速さの前ではウソなどつけるはずもなし。早々に隠す事は諦め真実を話します。
紫織に1000万円の小切手を返しにきた。と。はい紫織の悪事はバレました。案外と伏線の回収が早かった。
こんな風に思われたらなんて心外だし、指輪の事もドレスの事もどうしてああなったのか全然わからない……。キレ気味で愚痴るマヤ。台パンも炸裂します。
その訴えを聞いての速水の返答。
い、いっせんまんえんが……!!!!
1000万円の小切手を破く速水。かっこいい。俺には死んでも出来そうにない芸当です。
とは言え、換金しないのならただの紙屑だろうとは思うので速水くらいのお金持ちであればそんなガタガタ騒ぐ程でもないんですかね。そんな事よりも推しを侮辱された事の方が許せん!というところでしょうか。
とりあえず、そんなしょうもない事をする女の事なんか忘れて俺と一緒に夜を楽しもうぜ!という事で(言ってない)せっかくなのでマヤもドレスアップしてもらう事になりました。
プロの手によって綺麗になったマヤに見とれてしまう速水。そらそうですよね。推しが自分のために綺麗になってきたんですから。脳汁出まくりでしょう。
綺麗になったマヤに豆ダヌキだのなんだのと軽口をたたいてみせる速水。そういうところがダメなんだぞ真澄。
そんな速水にマヤも反撃します。
結婚だってできるんですから!!
本心では望んでいない結婚を押し付けられる寸前である男の胸にはかなり刺さる言葉。クリティカルヒットです。そうでなくともだいぶナーバスになってるのに。
さらには『あなたが紫織さんと結婚するように、いつかあたしも結婚します』というような事を言われショックを受ける速水。
撃たれる覚悟の無い者が軽率に人を撃った結果です。これに関してはデリカシー0の速水が全面的に悪い。
この発言にショックを受けてしまった速水は、そこからダンスを見てもビンゴ大会に参加しても無言になってしまいました。ちょっと防御力低すぎやろ。お前が余計な事言うからやぞ。
しかし速水は大人です。なんとか精神を持ち直し、マヤをダンスに誘って一緒に踊ります。
お、おぉおぉぉぉぉぉぉぉっぉ!!!!
ダンス初心者のマヤですが、速水の動きに呼吸に合わせて上手く踊ります。
なんだろう……。楽しそうに速水と踊るマヤの様子を見ていると、何かどこか遠くに置いてきた忘れかけている感情が呼び戻される気がします。これがトキメキ……!!
そうしてダンスを一緒に踊りすっかり落ち着きを取り戻した速水。2人はなかなかいい雰囲気に。
甲板に出て空を見上げると、そこには満天の星空。
空にある星よりも、目の前の銀河(街の明かり)の方が好きと言った紫織。
隣で一緒に満天の星を眺めてくれるマヤ。どちらがより速水の心を掴むかは言うまでもありません。速水がまだ少年であった頃から、星空は彼の心の支えなのです。
スイートルームで
場面は再び船内に。
なぜかまた無言になり先を歩く速水についていくマヤは今夜2人が泊る部屋に辿り着きます。
ここで……!速水さんと2人きりで……!!
速水はたぶん女性経験が無いので(推定)そら今日もしかしたら推しと一緒に寝るかもしれないと思うと無言にもなるよな。ワンチャンあるかもしれんもんな。
しかし。
もしかすると推しとワンチャンあるかもしれない展開で、速水は部屋をマヤに譲り自分はどこか適当なソファででも寝ると宣言して部屋を出ます。
これをヘタレと思うか大人の余裕と思うのかは昨今の時世を考えるとなかなかに難しい判定ではありますが、俺個人としては男には怖いと思っていても越えなければならない一線があるんだと速水に教えてやりたいところです。
1人部屋に残されたマヤは、とりあえず寝室を確認してみました。するとそこには、もうこれでもかと言わんばかりに整えられたベッドがありました。
なるほど本来ならここで速水と紫織が2人で寝る予定だったのかという事に気付くマヤ。
実際は、速水はこのベッドを見た瞬間に船からの下船を決意したのですがマヤがそれを知るはずもなく。
こんな部屋で寝るわけにはいかない。寝れないと涙するマヤ。まぁそらそうよな。これで寝れたらたいしたもんよ。オリハルコンの心臓。
もうこれで夢は覚めたと言わんばかりに、ドレスを脱いで普段着に戻り服と靴とバッグを速水に返そうとします。
部屋を出て、1人どこかのソファで寝ようとするマヤ。
2人の気持ちの攻防が続きます。どこかで1つ間違えれば全てが終わる。そんなギリギリの駆け引き。もしこれが俺のリアルでの出来事であれば、この詰将棋で失敗した日にはおそらく一生引きずるレベルでしょう。なぜなら、相手は推しなのです。
自分の目の前から去ろうとするマヤを必死で引き止める速水。自分でもよくわからないが、なぜかいいわけの言葉が口から出てしまう。この気持ちの出所は一体なんだろうか。
そんなもん考えるまでもないですよね。人はこの感情を『好き』と言うのです。
本当は1度帰ろうとしたんだ。きみの姿を見るまでは。
そう言って、自分もあの部屋で寝るつもりなどないと部屋の鍵を海に放り投げる速水。
おぉぉおぉぉぉぉぉ!!!盛り上がってきた!!!!!
そんな速水の行動を見て、もしかして速水も自分と同じ気持ちなのでは……?と思い始めるマヤ。
どうですか。他の人はどうだかわかりませんが、俺はもうこの辺からキュンキュンしっぱなしです。オッサンになった俺が忘れた何かがここには存在する。不器用だが美しい男女の物語が。
綺麗な朝焼けの前で君と
結局2人は船内にあるソファで1晩を過ごしました。安易に2人でゴールインとなるよりも、こういう形の方が良かったのかもしれません。
そして。マヤが朝目を覚まして甲板に出るとそこには美しい朝焼けが。それを見て急いで速水を起こすマヤ。
いいですねぇぇぇぇぇ!!青春ですよ!この巻は俺のツボを刺激しすぎる!!!
甲板に出て2人一緒に朝焼けを見る。その時、ふと速水にヒラメキが。
自分がマヤをかばってケガをした時に見つけたハンカチの持ち主がマヤか確認してみよう。
『忘れものだ』と言って、大事に持っていた拾ったハンカチをマヤに渡す速水。
速水はそれがマヤの持ち物だという確信が無かったわけですが、そのハンカチを見た瞬間に顔を真っ赤にしてしまうマヤ。
その表情を見てとまどう速水。
もしかして……。あの時の『夢』は……。看病してくれたのは……。そして、あの時のキスは……。
ここで、速水は一発勝負に出ます。
「紅天女の阿古谷をやってくれないか?一真への恋の思いを語ってほしい」
なんと不器用な駆け引きでしょうか。こんなもん実質告白みたいなもんですよ。あの氷の心の男速水真澄が、10歳以上も年下の少女にこんなお願いをするのです。
そして。そんな速水の願いを快く引き受けるマヤ。
あぁぁぁぁぁ!!いじらしい!!!なんだこのカップル!!!もう付き合っちゃえよ!!!(ドン!!)
これね。いやホントあの、マジで買って最初からここまでの流れを漫画でキッチリ読んでほしいんです。こんなブログの感想記事じゃなくてね。漫画を読んでほしい。
俺の心の中の乙女がキュンキュンしっぱなしです。
そして、朝焼けの甲板。2人きりの世界で阿古谷を演じるマヤ。その声には聞き覚えがある。
やはり。あの時あの夜の事は夢ではなかった。マヤが……!!おれを……!!
もうね。この辺のマヤがめっちゃ可愛いんですよ。こんなんもう落ちない男はいませんよ(断言)
魂のかたわれとしての。運命の相手としての。
表面上は芝居の稽古という形ではありますが、それはマヤの心からの愛の言葉。
それを受けて、ついにリミッターが限界を超える速水。
自分の気持ちを抑えきれなくなった速水はマヤを抱きしめます。
しばらく抱き合う2人。それを他の人達に目撃されますが、それで噂になってもかまわないと。お互いが。
好きと、ハッキリその言葉こそ口にしないものの、2人お互いの気持ちを確かめ合います。
『いつからおれの事をイヤじゃなくなった?いままできみに嫌われていると思っていた』
『最初は……。でも今は……。あたし速水さんの事誤解してました。あたしのこと子供だと思われてるって。相手になんかされないって……』
最高すぎんか?
マヤ。別荘に来ないか?
お互いの、心にある大切な気持ちを確認しあった2人。
速水から提案がありました。
これからはきみの名前を呼んでもいいか?
おいおいおいおいおい~~!!可愛いじゃないか速水君!!!
マヤって呼びたいんだって。なんだこれ最高か?
そこから打ち解け合い談笑する2人。
ふと、船から島が見えました。そこは伊豆半島。その伊豆半島には速水の隠れ家である別荘があります。
マヤから贈られてきたアルバムなどが隠してあったりする例のあの家です。紫織に無断でガサ入れされた場所。
その隠れ家に、今度来ないか?と誘う速水。
そこには速水の他には誰もいない。速水と2人きり。満天の星空。テラス。
きっと、その夜は帰れない……。
そう。それは、そういう事です。そういうつもりで速水も呼んでいるのです。断ってもいい。でも、もしokしてくれるなら、それはそういう事なのです。
そして、その誘いを受けるマヤ。
あぁ……。なんだこれ……。トキメキしかない……。
こうして、2人の船旅はいよいよ終わりを迎えようとしていました。今すぐとはいきませんが、いつかあの伊豆にある別荘に。
それから
ここまでで47巻の半分くらいです。
さぁ。最高の盛り上がりを見せてきましたマヤ&速水!このまま2人はキャッキャウフフ……!!
と、いうわけにはいきません。残念ですが。
現実は非情です。マヤはともかく速水には婚約者がいます。紫織が。
下船してきた2人を迎える紫織。
破った小切手を紫織に見せます。
ハッキリとは言わないまでも、お前のやった事はもう全部知っているからな。という態度を見せる速水。紫織もアホではないので気付くでしょう。
これで、いよいよ紫織も失脚……。
すればよかったんですけどね!!!!!(憤怒)
この仕打ちを受け貧血をおこして倒れる紫織。チッ!病弱アピールすればなんでも許されると思ってやがる!!!
一応少しはフォローをすると、紫織もこんな怪しい手段を使わなければ良かったんですよ。正攻法で勝負していれば、基本的には正義は紫織にあったはずなんですよ。速水の心を手に入れる事が出来たかどうかはわかりませんが、少なくとも結婚くらい出来る筋もあったはずなんです。
倒れた紫織の看病に向かう速水。ここでマヤを選ぶわけにはいかないのです。世間の目があるので。
さて。その後、この2人を目撃してショックを受けた人物がもう1人。
桜小路君です。
マヤを迎えにきてビックリさせてやろうとサプライズでバイクで迎えに来たら、なんだかよくわからんけど速水と一緒に船から降りてきた。しかも、速水とマヤが抱き合っているシーンを目撃してしまいました。
気の毒……かどうかは微妙なところでしょう。現状、勝手に迎えに来て誰にも知られずこっそりダメージを受けた形です。特に好きだとも付き合ってるとも言われたわけでもありませんから、1人相撲ではあります。
ショックを受けた桜小路君はマヤに会う事もせずバイクで走りだします。行く先も。わからぬまま。暗い闇のとばりの中へ~~~。
と、そこで!!!
なんと、自動車と事故を起こしてしまいます。
原因は桜小路君の信号無視です。信号無視でのダイレクトアタックですから、過失割合は10対0ではないでしょうか。完全に自分が悪い。
バイクvsトラックですから世間もいくらか同情はしようという感じですが、これがもし自動車vs自動車であったなら。事故であると同時に不祥事です。なんせ信号無視ですから。
結局全治2か月の重傷を負い、もはや舞台の出演などと言っている状況ではありませんがなんとこれを続投させます。本人も望んでいるし、黒沼も承諾しました。
まぁ、漫画なのでと言えばそれまでですが、現代の価値観で言えば先程にも書いたようにこれは不祥事です。もし、相手がケガでもしようものなら当然人身事故です。
自らの信号無視が原因でトラックに突っ込み、相手にケガでも負わせた日にはもうそこに本人の意志など関係ありません。当然舞台は降板でしょう。謹慎処分待ったなしです。
以降はトラックの運転手との示談交渉で揉めるという事もなく、とんでもないハンデを背負う事になってしまったものの過酷な稽古風景が描かれたりする事になります。
いやいやいやいや。お前は許されないだろう。どうなってんだその辺。もうちょっと事故に対して反省しろよ。『ケガして災難』みたいな空気にするなよ。
というわけで、ヒロインの片方は失明寸前の重症。もう片方のヒロインの相手役は事故で重傷。
もうこんな試演延期しろよと言いたくなりますね。全てが明るみに出た日には死ぬほど炎上する事でしょう。『紅天女の闇の顔』みたいな記事がSNSを中心に無限に拡散される未来が見える。
そして。
ついに覚悟を決め、鷹宮財閥と決別する覚悟を決める速水。結婚式など諸々をキャンセルするつもりです。
この水城(メガネの女性)もよくわかんないんですよね。本当に紫織の事が好きなのか?とか速水を煽ったりするくせに、いざ速水が決断しようとすると『そんなバカな……!』みたいな態度なんですよ。なんでやねん。
そしてさらに。
48巻に続く。
画像:「ガラスの仮面」コミックス47巻より引用
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