【感想】ヒナ 値付けされた子役たち 3巻 あすな編が終わり、次に始まるのは『男の娘編』ですよ!
あらすじ
新人マネージャー・烏丸に与えられた次の仕事。それは、かつてジェンダーレス子役として一世を風靡したが、芸能界の荒波にもまれ、世間から忘れられ、落ち目となった12歳のツグミへの契約解除通告だった。強力な磁場が人を狂わすこの世界。居座ることが幸か不幸か。「子役にとっての幸せとは何か」を問う芸能お仕事ストーリー第3巻! bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は鈴音ことらさんです。
登場人物
烏丸省吾:フライトフェザープロダクションという子役専門の芸能事務所の新人マネージャー。あすなちゃんの抱える問題を解決し、絶好調。
高宮雛:フライトフェザープロダクションに所属する7歳の超売れっ子子役。自分から問題を引き受けてくる烏丸のために色々なアドバイスをする。大人に対して異常なまでにドライ。3巻で少し過去が明らかになる。
秋原鶫(つぐみ):ジェンダーレスタレント。いわゆる『男の娘』というやつです。全盛期には年収2000万を越えるくらいの人気でしたが……。
感想
あすな編が終了し、烏丸の前に立ちはだかる新たなる試練!
はい!というわけで、今回紹介するのは『ヒナ 値付けされた子役たち』の3巻です!
この作品に関係無い話をしますけど、これを書いている時点でついに魔都精兵のスレイブがTSUYOSHIに抜かれました。そもそもそんなにアクセスが多いブログではないんですが、それでも圧倒的人気なんですよツヨシ。
そんなツヨシと同じサイコミで連載中のヒナも面白くて好きなので、ぜひ読んでみてくださいよ。という話。
では紹介していきましょう。
新しい仕事
冒頭で『あすな編完結記念』としてあすなのインタビューから始まる3巻。
あすな推しなので嬉しいところです。そして始まる新しい物語。
まずは、骨折で入院していた烏丸の先輩である鵜飼さんの退院祝いと烏丸の歓迎会もかねた飲み会から始まります。
まぁこの飲み会のシーン自体は特に何という事も無いんですが、烏丸にとってヒナのマネージャーというのは鵜飼さんが骨折で入院している間限定の話だったんですが、それを正規のサブマネージャー的なポジションにしてもらいました。
正規のサブマネージャーってなんか微妙な言葉な気がしますね。作中では別に『サブマネージャー』とかいう肩書は出てこないんですけどね。鵜飼さんと烏丸の2人でヒナのマネージャーを続けていく。という流れ。
で。
それを下っ端だけの相談で勝手に決めてもダメなので、上司に1つお伺いをたてよう。となりまして。
丁度その飲み会にやってくる事になっていた、烏丸達の上司。超偉い人である京極さんの登場です。
フライトフェザーの統括部長である京極さん。社長はなんだか忙しい人のようなので、実質的にこの人がトップ。
鵜飼さんが言うには『ヒナを育てた人』だそうです。
少し怖そうな見た目とは裏腹に、優しい感じで烏丸に接してくれる京極さん。最初は上手く会話が進んでいたのですが、ヒナの話になると段々雲行きが怪しくなり、最終的には考え方の違いから対立しそうになってしまいます。
子役を『物』として見ており、それが売れるか売れないかにしか興味が無い京極さんと、子役も当然人でありまだ子供なのだから、ちゃんと人として接するべきだという主張の烏丸。
議論が白熱しかけたところで鵜飼さんが仲裁に入り、なんとか喧嘩にはなりませんでした。
頭を冷やすために鵜飼さんと外へ出る烏丸。そこで、ヒナと京極さんの過去について少し教えてもらいました。
ある日突然すぶ濡れで京極さんが連れてきた。最初の頃は死んだ目でしたが、京極さんが色々教えるうちに段々笑ったりするようになってきたそうです。
『みんなに愛される子供になった。名実ともに完璧になったんだ』という鵜飼さん。
が。
烏丸がその話を聞いて感じたのは。
ヒナが見せるお金に対する強い執着。さらに、大人に対する強い憎悪。
よく笑う?もし、それが全て演技だったとしたら。
まるで、執念が皮をかぶっているみたいだ……。
一方。
烏丸の仕事に対する熱心な態度に対して高評価ではあるものの、感情を挟みすぎて少し危うい。と感じている京極さん。
そんな京極さんが、烏丸に割り振った次の仕事とは。
『捨てる経験』を積むために烏丸に降られた過酷な仕事の始まりです。
あまり本筋とは関係ないんですが、この漫画の登場人物は鳥の名前をモチーフにした名前が多いんですが、京極さんはきっと烏丸に対する『京都つながり』の名前なのかなと思うので、そのうち四条さんとか河原町さんが登場するのではないかと思ったりします。
『捨てる』仕事とは
ヒナに、改めて鵜飼さんとのダブルマネージャーになった事を報告する烏丸。
そんな2人の目の前に、1人の子役がやってきました。
1巻にちょっとだけ登場した子です。
可愛らしい見た目で『女性らしい』服装をしていますが、『彼』の名前は秋原鶫(つぐみ)。
『ジャンダーレスタレント』として有名になり、その全盛期には年収2000万以上を稼いだ売れっ子子役。
子役のCM最多出演も記録し、その当時4歳であったヒナの年収もはるかに超えていたほどの有名子役。
でした。
しかし、現在はあまりテレビで見る事も無くなり、いわゆる『一発屋』としての扱いを受けているようです。ヒナが言うには『彼はブームが終わった人間』だそうで。
そして、彼こそが。
次に烏丸に与えられた『捨てる仕事』の対象者。
鵜飼さんに同席し、つぐみ親子と烏丸、鵜飼さんの4人での話し合いの席。
自分がこれからどんな話をされるか知らないので、のんきに構えるつぐみに対して……。
『次の更新でうちとつぐみの契約は終わり』と告げる鵜飼さん。
契約の更新は無し。自身の力不足を謝る鵜飼さんでしたが、突然そんな話を告げられても当然納得のいかないつぐみは怒ります。
昔は3ヶ月先までスケジュールは埋まっていたようですが、CMの契約期間も終わっていき、現在ではスケジュールは空きだらけ。
本人の意識が何も変わらなくても、周りがどんどん変わっていってしまう。
『子役』にとって、成長はそれだけで個性の喪失。来年中学生になるつぐみにとって、本人の気持ちと一切関係なく『子供でなくなる』という事は非常に大きな出来事なのです。
つぐみは来年私立の中学を受験するようなので、そこが丁度いいキリじゃないのか?と説得してくる鵜飼さん。
そして、言ってなかったはずの中学受験をなぜか鵜飼さんが知っている。という事は……。
つぐみの母は、今日の話し合いがどういう場であるのか事前にすでに知っていたのでした。
つぐみ本人だけが、何も知らなかった。
この光景を横で見ていて『この子は今大人達の中で置き去りにされている』と感じる烏丸。
嫌やなぁこんな仕事。
最後の仕事
一時期は2000万も稼いだ子なのに、こんなにあっさり見限るもんなんですか?と、鵜飼さんに質問する烏丸。
確かに今回の事は異例の見限り方だそうです。本当は、つぐみに対しても真摯に接して先を見てやる事も出来るはず。でも、それを京極さんが許さないようです。
いわゆる『流行もの』として売り出す場合は、売る時の感触は良いし求められるハードルも低いんですが、その『流行』が過ぎてしまうと一度貼られた『賞味期限切れ』のレッテルを挽回するためには新しい切り口や特技が必要になる。
そして、スタッフへの当たりのよさや気配りや誠実さ。
特にそれらの要素が決定的につぐみには欠けているそうです。
その意見にも納得いかずかみつく烏丸でしたが、鵜飼さんとしては『子供の1年は貴重なんだからすっぱり諦めさせてやるのも大事なんじゃね?』と。
どの意見もわかるのが辛いところ。
なんとも言えないわだかまりを心に抱えたまま、ついに迎えたつぐみの最後の仕事現場。
初めて一緒に現場入りするのが最後の仕事とかかなり精神的にしんどい現場ですよね。
つぐみと色々会話する事で、別に悪い子ではないのにと思う烏丸と、なぜかヒソヒソつぐみを批判する周りのスタッフ。
『続けて仕事をしたいと思わせる気配りや誠実さ。あいつにはそれが致命的に欠けている』
という鵜飼さんの言葉を思い出す烏丸。果たしてそれはどれほどのものなのか。
他のモデルの子達が写真の撮影をしているところに、なんとダメ出しを始めるつぐみ。
と。
つまり、つぐみのダメなところは『可愛いを作る』という事に対する意識が高すぎるあまり、自分だけでなく世間にもそれを求めてしまうところ。
しかし。
つぐみのアドバイスを受けて撮り直した写真は写りが良くなっていたし、言う事は正論で間違っていない。
なんとかできないだろうか。悩む烏丸。
一方。
実際にダメ出しを受けたモデルの子達は、影でつぐみを悪く言います。
そして、それを聞いてしまったつぐみ。
それから
ここまでで3巻の半分くらいです。
『いつまで女装なんて芸にしてんのか』と言われてしまったつぐみ。
その事がきっかけで心にダメージを受けてしまいます。
心に大きなダメージを受け、壊れかけてしまったつぐみの心。
それをなんとかするために、元気を出させようと努力する烏丸とあすなとヒナ。
つぐみの為に新しい道を、可能性を一生懸命探す4人。果たしてつぐみの新しい道は開けるのか!
あすなちゃん可愛いよあすなちゃん。このLINEスタンプ欲しい。
4巻へ続く!
画像:「ヒナ 値付けされた子役たち」コミックス3巻より引用
WEB版で読む
2巻の時も書きましたが、できればアプリ版で読んでください。ブラウザ版だと読める話数が少なすぎるので。アプリ版なら頑張れば無料でいっぱい読めます。
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