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【感想】ガラスの仮面 6巻 ついに映画に初出演!一方亜弓は髪を切って1人2役に挑む

2019年12月1日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

 

あらすじ

映画のちょい役、エキストラ、代役と、小さな役に次々と取り組みながら着実に才能を伸ばしていくマヤ。一方マヤに強いライバル意識を持ち始めた姫川亜弓も「王子とこじき」を演じるために、自らを厳しい環境に追い込み、その役に近づこうと情熱を燃やす bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は美内すずえさんです。

登場人物

北島マヤ:どうせバイトするなら演劇関係のバイトをやって、演劇しながらお金も貰えたら最高じゃん!という感じの感覚で、オーディションを受けてみたり劇場まわりをしたりする。芝居の事なら一流だが、それ以外はダメ。

姫川亜弓:『王子とこじき』という劇に出演するために髪を切った。全編通して大変珍しいショートカット姿になりました。髪を切るとお母さんにそっくりです。

感想

マヤ初の映画出演!

はい。というわけで、今回紹介するのは『ガラスの仮面』の6巻です!

一応、トップからこのブログを読みに来た人を想定して、同じ作品が並び過ぎないようになるべくバラバラの作品を選ぶようにしてたんですよ。

でも。中には『ガラスの仮面の感想を読みたい!』と気合を入れてくる人がたぶん、少数ですがいるんですよ。解析的に。

で、40年連載してて単行本49冊出てる長編なので、感想読むにも本当にかなり気合を入れてくるのに、たったの5冊しか記事が無かったらたいぶ悲しいんじゃないか?と思いまして。

なので、ちょっとガラスの仮面の感想を頑張って書く。もちろん他の漫画の感想も頑張って書く。という事にしました。

何回でも書きますが、本当に面白い作品なので少し古いですがぜひ買って実際に読んでみてください。49冊もあると感じさせないくらい夢中になれるよ。

では紹介していきましょう。

オーディションに落ちたけど拾われた

田淵エミちゃんという子のクラスメイト役の一般人オーディションを受けたが見事に落ちたマヤ。

でもチーフ助監督に気に入られ『田淵エミが入院する病院の患者』という役をもらい、映画に出演出来る事になりました。

この役は、左足がマヒしていて不自由な設定で、セリフは一言。登場は2場面。

  • 松葉杖無しで歩こうとして病院の廊下で転ぶシーン
  • エミがラケットを階段の下に叩きつけ、そのラケットを拾って階段を登ってエミにラケットを渡すシーン。
  • 上記のシーンでただ一言「はいおとしもの」

という、これだけの役。なんという事も無い端役なので、特に演技指導なども入りません。自宅で練習しとくように。と言い渡されて帰されます。

しかし。

演技狂の彼女にとって『なんでもない役』などこの世に存在しません左足が不自由な女の子の気持ちを理解し、演じる為の猛特訓が始まります。

そして、そんな愛弟子を見守る先代演技狂。

左足を使わず右足だけで階段を登る練習をするマヤ。そんなマヤを見て、素敵なこの先生はなんと。

使っている右足に足払いを仕掛けます。

か、階段!ここ階段ですよ!悪ふざけよくない!危ないです!

右足だけで歩いていたのに右足に足払いを受けたので、当然残った左足でふんばるマヤ。しかしその様子を見た月影先生激怒。

「マヤ!マヒした足で体重をささえられますか!」

死ぬから!下手したら死ぬから!

そこは口で説明して欲しかったですよね。あやうくここでヒロインが不慮の事故で死亡。連載終了となるところでした。ヒヤリハット提出案件です。人災やけど。

どんどんエスカレートする演技狂

一方のメイン役の田淵エミちゃんは、ちょっとふわっとしたアイドルか何かのようで、演技もこの映画が初めて。練習の合間に雑誌か何かのインタビューなんか受けちゃって、階段で殺されかけたマヤとは大違い。

そんなエミちゃんは置いといて、必死で練習するマヤ。スタジオに置いてあったロープを見て、素晴らしいアイディアを思いつきます。

まぁ周りの人の気持ちもわかってあげてほしい。

ゆるふわ稽古を繰り返すエミちゃん。その横で、片足をロープで縛って息を上げながら必死で歩く練習をするマヤ。

温度差が凄い。

そして別の日。

現場入りしたエミちゃんが目撃したのは、また同じように片足をロープで縛ったまま、今度は階段の昇り降りの練習をするマヤ。

なんとすでに2時間が経過しているそうです。

死んでしまうわ。一回滑ったら死んでしまうわ。

わかってきたならなによりです。これを見て、さすがにちょっとやり過ぎでは・・・?と感じる俺には紅天女を演じる資格は無いのです。

そしていよいよ本番当日。

階段の上で演技をするエミちゃん。そして、エミちゃんが放り投げたラケットを拾い、階段の上に向かうマヤ。

ズッ・・・。ズルルル。ズルルル・・・。

足をひきずりながら、階段を登っていくマヤ。

あまりの迫真の演技に周囲が完全にドン引く中、そこに演出家の先生が登場。

その演出家の先生は、なんとあの全日本演劇コンクールの審査員の1人だったらしく、当然マヤの事を知っていました。

あの姫川亜弓と互角の演技を披露し、1人芝居で一般投票部門で1位になった伝説の子。

ついにカメラはエミちゃんを映すのをやめ、マヤをドアップで映し始めます。

この迫真の演技でエミちゃんの心がボッキボキに折れてしまいました。

手本がいぶ極端な人間だったとは思うんですが、学ぶことがあってなによりです。

マヤは演劇部へ

映画の上映も非常に素晴らしい物でした。お金も入ったのでこれで教科書代なんかも払える事になり、万事めでたしです。なんというか、この作品でこうバシっと上手くはまっただけの話って結構珍しいような気がします。

だいたい妨害があったり嫌な思いをしたりするんですけどね。

映画に出た事が学校に知れ渡り、チヤホヤされ始めるマヤ。そして、それが気に入らない演劇部の方々。

これはお決まりの、演劇部に何かいやがらせでもされるパターンか!!

と思いきや。

マヤはもう『演劇中毒』なので、演劇部が劇の発表会をやるという話を聞いて自分から演劇部を訪ねていきます。

「どんな役でもいいの。あたしなんでもするわ」

と言い切るマヤ。なんかちょっと心配になりますよね。大丈夫なのかなぁこの子。

ここで、マヤの事が気に入らない部長に延々と雑用を押し付けられてしまいます。しかしマヤはア・・・純粋な子なので、役をもらえると信じて一生懸命頑張ります。

そして、ついに通行人の役をもらう事が出来ました。

『舞台の端から端までただ歩くだけの役』

そう。ただそれだけの役です。しかし・・・。部長は、この演劇狂をなめていた。

『通行人て、どんな人なんですか?』

軽い気持ちでおちょくってやろうとした人物が、想像以上のガチ勢だった件。

さらには歩き方、急いでいるのかそうでもないのか。設定の練りこみが甘かった部長はガンガン詰められます。可哀想。

そしていよいよ発表会当日。

代役に選ばれる

なんと当日、王女様役だった子が病気で欠席。マヤが代役を務める事になりました。

もうここからは、みなさん言わないでもわかりますね?

草野球にメジャーリーガーが助っ人に来たかのような北島マヤ無双でした。

私生活がだいぶと充実してきたかのように思えたマヤ。

しかし。これは過酷な少女漫画です。ゆるふわ演劇漫画ではない。決して『まやのーと』ではないのです。

『紅天女を譲れ』と交渉に来た速水とのやり取りの中で体調を崩して倒れてしまう月影先生。

そこへマヤが帰ってきます。速水はマヤに

『劇団オンディーヌにくれば月謝も免除。いい寮生活も出来るし学費まで出そう』と誘いますがマヤはこれを拒否。しかし速水はさらに食い下がります。

1人食い扶持が減るだけでも月影先生は助かるぞ。

まだ少女であるマヤに金の話で追い込むとかさすが速水汚い。これにはさすがにマヤも動揺します。

そしてさらに。雑誌で、活躍している亜弓の記事を目にします。

そう。昨日の3次会の時の私です(違う)

ちなみにこれは、亜弓が『美女と野獣』の劇で3枚目の使い魔の役を演じた時の写真です。

そして亜弓はさらなる舞台へ。『王子とこじき』という劇のこじき王子役を演じる事に。別にいいんですけど、どっちが先が統一してほしい。

この役は、王子役とこじき役の1人2役を演じます。亜弓はこじき役になりきるために、自ら髪をバッサリ切り、靴ずみを全身に塗り小汚い恰好に。彼女もまた、真剣に演技と向き合う天才なのです。

さらに体調が悪化

月影先生の体調があまり良くなく、治療費に50万ほど必要と医者に言われてしまいます。もちろんそんなお金はありません。

どうしたものかと途方にくれるマヤ達でしたが、なんとそこに『紫のバラの人』からの資金援助が。

先生の入院費を全て出してくれる事になりました。

そんな紫のバラの人の気持ちに応えるためにも、一生懸命演技の勉強をして少しでも早く一人前の女優になりたい。

そしてマヤは、単独で各地の演劇場まわりを始めます。

様々な劇場をまわって飛び込みで営業をかけますが、断られてしまいます。まぁよくわかんない少女だしね。

しかし。そんなマヤを見てその才能に気付く人が現れます。

まぁ正確にはマヤを見て。ではなく、その背後にいる月影先生。さらにはマヤは未来の紅天女候補である事に気付いて。という感じなんですけどね。

この原田さんはマヤにテストを受けさせ、マヤはそれに見事合格。晴れてこの『栄進座』の舞台に立てる事になりました。

それから

ここまででだいたい6巻の3/4くらいです。ここから、マヤが栄進座の舞台に立ったり、亜弓の『王子とこじき』の様子が描かれて6巻は終了です。

というわけで、この6巻で少しずつではありますが『周囲との温度差』のようなものが見え始めてきました。

演劇に全てを賭ける。まさに命がけのスタイルでのぞみ、熱心な事は素晴らしいのですが、あまりにガチ勢すぎる。

そして、マヤ自身の秘めた才能。『とにかく目をひく演技』という、一見素晴らしい長所に見えますが、これが後々彼女を苦しめる要因になっていくのです。

7巻へ続く。

画像:「ガラスの仮面」コミックス6巻から引用

 

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