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【感想】ガラスの仮面 8巻 マヤを巡る男達の想いと、新しい舞台。

2019年12月7日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

 

あらすじ

「嵐ヶ丘」のキャシーの子供時代を演じるマヤだったが、観客の心をとらえたその演技に、周囲の反応は?マヤの才能の最大の欠点を知っていたのは月影千草だった。 bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は美内すずえさんです。

登場人物

北島マヤ:舞台『嵐ヶ丘』で少女時代のキャサリンを演じる。ずば抜けた演技の才能を持つが、その才能ゆえに苦しむ事になる。

真島良:舞台『嵐ヶ丘』で少年時代のヒースクリフを演じる。キャサリンを演じるマヤに次第に心惹かれていく。

桜小路優:劇団オンディーヌ所属。作中屈指のいいひと。しかし、いいひと。悲しい。

速水真澄:マヤの成長を常に近くで見守る。見守っていく中で、次第にマヤが気になっていく。

感想

マヤに心惹かれる男達のそれぞれの想い

はい!というわけで、今回紹介するのは『ガラスの仮面』の8巻です!現在の既刊49巻までの道のりはまだまだ遠いですが、頑張っていきたいと思います。

ヒースクリフとキャシー

舞台『嵐ヶ丘』で少女時代のキャサリン(キャシー)を演じる事になったマヤ。

この舞台は子供時代と大人時代の2部構成の舞台で、マヤ達が演じるのは子供時代なのですが、そのマヤの演技を見て恐怖を感じる大人時代の役者達。

マヤのその演技から放たれる熱量は、素人の大学サークルメンバー等だけでなくキャリアを積んだベテラン俳優ですら恐れを感じるほどです。

そして、そんなマヤの演技に心惹かれていくヒースクリフ役の真島。

動きの無い、ただ2人で舞台上で語り合うだけの演技であっても、観客の心は2人に釘付けになっていきます。

そんな2人の演技を見て、耐えなれなくなり劇場を出て行こうとする桜小路。それを引き留める速水。

「自分の好きな少女が一生懸命舞台をつとめているんだ。もし愛しているのなら席にもどれ!」

と一喝する速水でしたが、それを聞いてなお劇場を去る桜小路。

一方、舞台を最後まで見ていく速水。この辺の恋愛観の違いが大きく道を分けますね。舞台を見て心が乱れる事に耐えられない桜小路と、それを受け入れる速水。

この辺りの覚悟の量の違いが、桜小路をいいひと止まりにさせる部分ですね。優しい繊細なだけではダメなんだぜ!もっとこう、ガっといかんと!ガっと!

そして子供時代の2人の出番が終わりました。

舞台を降り、楽屋へと向かうマヤ。その思い詰めたような表情は、まだ舞台の中にあるかのようでした。

楽屋へと戻り、メイクを落とし衣装を脱ぎ、鏡を見る。

こうして舞台上での天才少女はごく普通の少女に戻るのでした。

ここも大事ですね。マヤにはちゃんと戻ってくる場所があるのです。

本当の恋

舞台初日が終わり、打ち上げが始まりました。舞台での演技とはまったく違って内気で人前になかなか出られないマヤ。

ロビーに友達が来ているので会いに行きますが、そこには桜小路の姿はありません。

帰ってしまった桜小路。一方、最後まで残った速水。さすが芸能界のやり手は演出も上手い。

舞台の感想を述べる速水。そこで、マヤの『ヒースクリフへの恋心』は『たった1つしかないオモチャを取り上げられた子供と同じだ』と言われます。

まだあの子は、本当の恋など知らない・・・。

速水に言われた事が気になって沈んでしまうマヤ。打ち上げでもその事が気になってあまり楽しくなさそうでした。

そして打ち上げが終わり、家に帰ったマヤの元に『月影先生の容体が悪化した』という知らせが入ります。

ここでお医者さんが手術を終えて出てくる描写があるんですが、そもそも月影先生ってなんの病気なんでしょうね?体が弱そうだってのはわかるんですけど。

手術した。って事は、薬で抑えるとかでなくて切って取ったりする病気なんですかね。

月影先生の昏睡状態は4日続きました。これはいよいよ危険な状態です。今夜いっぱい意識が戻らなかったら覚悟してください。とお医者さんに告げられてしまいます。

それを聞いて取り乱すマヤ。

『紅天女をあたしにおしえて!』と叫ぶマヤ。すると『紅天女』の言葉に反応して意識を取り戻す月影先生。

死ねない・・・。あれをこの世に残すまでは・・・。

紅天女への執念から、目を覚まし意識を取り戻す月影先生。これは助かるぞ!奇跡だ!と喜ぶお医者さん一同。

目を覚ましただけなのに!?と思わないでもないですが、とにかく月影先生は何度でも死にかけてはなかなか死なないのです。

連載は40年以上続いているわけですから、ファンの中には月影先生よりも先に死んでしまった人もたくさんいるであろう事を思うと、複雑な気持ちになりますね。

目を覚まして紅天女を受け継ぐ者としてマヤを指名する月影先生。

そして、もう1人・・・。

ざわつく病室。それが誰かは今にわかる。と月影先生。

こうして、長い長い紅天女への道のりが始まろうとしていました。

新しい舞台が始まる

舞台も回数を重ね、より演技が研ぎ澄まされていき、5日目にはついに客席から拍手が起きるようになりました。

少女時代のキャサリンが、大人時代のキャサリンよりも印象に残るほどにマヤの演技は際立っていました。

そして舞台は大好評で千秋楽を迎えました。

終わった舞台の会場を見ながら、1人物思いにふける桜小路。

ここで3ページに渡って桜小路の独白というか、マヤに対する気持ちが語られるんですけど、これが現在38のオッサン目線で見るとなんともまぁウジウジした感じなんですよね。

色々な事を言ってはいますが、結局のところ『演技と僕どっちが大事なの?』という事を言ってるだけなんですよ。

マヤは演じる事が大好きで、それを桜小路に見て欲しい。って素晴らしい話じゃないかと思うんですけどね。俺の目からはあまり好感が持てないんですが、少女目線ではどうなんでしょうか?

そして、ただウジウジと悩んでいるだけの桜小路に対して、ファンレターと紫のバラの花束を渡す紫のバラの人。

ここよ!こういうとこよ!と思いますよ。

外は雪が降り始め、マヤの事を心配して折り畳み傘を残して去る桜小路。そしてそれを受けとるマヤ。

こうして何度も『やさしい』を強調されると、あぁなるほど少女の気持ちとはこういうものなのか。と考えたりもします。

『好き』ってことはないんですよ。ただ『やさしい』人なんですよね。ここから1歩踏み込んで壁を破るための努力をなにかしらする必要があるわけです。

全てが好評で無事に終えた。かと思われた舞台でしたが、これを見ていたこの舞台を主催している東洋劇場の会長は『この舞台は失敗だ』と。

あんなに観客も満足していたのに、一体何が失敗だったのでしょうか。

一方ついに公演をする事になった劇団つきかげ。演目は『石の微笑』という劇に決まりました。

気になるマヤの役ですが。

なんと、舞台の真ん中でただじっと座っているだけの役。セリフは無し。せきばらいもため息も、ほんの小さな音声をたてる事も禁止。

果たしてそれはどんな役なのか?という事ですが、今回マヤが演じるのはなんと人形です。

マヤの今回の課題は『自分を殺す演技』です。

人形である『エリザベス』を演じる事により、自分を殺す演技を身につけるのです。

そして話は舞台を失敗だと言い切った東洋劇場の会長の会議のシーンに。

ここで会長が語る『舞台が失敗だった理由』というのが、嵐ヶ丘の舞台は途中で子供時代と大人時代が切り替わる2部構成だったのですが、そこでの違和感が強すぎる。と。

マヤの演技は確かに際立っていたが、あの子は1人で演技をしていた。全体の調和というものを考えていない。将来性は感じるが、今はまだ舞台に出すべきではない。舞台が荒らされてしまう。と。

人形を演じる

『人形を演じる』という事の感覚がつかめずに悩むマヤ。

いいですね。前回の舞台嵐ヶ丘は珍しく割りとスっと入っていたんですが、ここへきて久しぶりの月影ワールド全開です。人形て。

『人形の動きがわかっていない』と激しい指導を受けるマヤ。そんなもん・・・。わかってる方が怖いやないか・・・。

一生懸命練習しますが、それでもやはり上手くいかない。まぁそらそうよ。にんげんだもの。

で。

そんなマヤのために月影先生はあるアイテムを作成します。それがこちら。

人形の動きを習得するために。体の動きを覚えるために。行動を縛るために。

月影先生がマヤに装着させたのは、竹で出来た『人形養成ギブス』と言える装備でした。防御力はまぁそこそこ高そう。

事情を知らなかった速水がマヤの腕を引いた時に、中の竹が折れて腕に刺さった時の画像が上の画像になります。虐待もいいとこですよね。

こういう事になった原因は『ちょっと体調良くなったから』とかいう理由で病院を抜け出した月影先生を連れ戻すためのやりとりがあったからなんですが、速水からすれば、自分がお金を出して病院で治療を受けさせているのにその病院を抜け出すとは何事か。って話ですよ。

しかも最近死にかけたのに。劇団つきかげが落ちぶれた原因がそもそも月影先生のスキャンダルからの金銭トラブルが原因だって事を忘れている様子。

芝居の事以外はまったくダメ。という部分は師弟で共通です。

腕をケガしたマヤ。基本的には死にかけのはずの月影先生。両名は当然病院に連行されました。

そしてそこで、なんと月影先生の幼少の頃の話が少しだけ聞けます。

なんと、結構悲惨な子供時代でした。両親は無く、貧しく、盗み・スリ・かっぱらい・・・。生きるためならなんでもやった。らしいです。

年齢的には、こうなった原因は戦争でしょうかね。ここで詳しくは描かれません。

そんな、まるで虫ケラ同然(本人談)の人生を送った月影先生にいきがいをくれたのが、劇作家『尾崎一蓮』との出会いでした。

尾崎一蓮というのは『紅天女』の作者です。その尾崎一蓮が、演劇といういきがいを月影先生に与え、生きる意味をくれた。

そして月影先生は、その尾崎一蓮を愛してしまった。既婚者である尾崎一蓮を。

上手く言えないのですが、この愛というか恋心というか、こういう気持ちがこの作品では非常に重要なテーマになっています。

それから

結構この巻は重要な話が多く、全部細かく書きたいところですがそれをやるとつまらないので気になる人は買って読んでみよう!凄い面白いんだぜ本当に!(宣伝)

ここからの流れとしては、いつまでもキャシーの事が忘れられない(マヤの事ではない)ヒースクリフ役の真島が、だんだんちょっとおかしい感じの人になっていったり。

相変わらず桜小路がちょっとウジウジしてたり。

そして、なにより重大なのが、マヤの母親の体調がさらに悪化します。肺を患っている事が勤め先にバレ、結核患者を店に置いておくわけにはいかない。とサナトリウムに入る事に。

このおかみさんの申し出に対して素直に受け入れたマヤの母。もしマヤがこの店に戻ってきたら居場所を伝えてくれるように言い残し、長年働いた店を出ます。

そしてその移動の最中に読んでいた雑誌に、マヤの事が書いてある記事を発見。

どうやら女優として成功しつつある娘を見て、感動する母。

言い方はキツかったかもしれないけど、いいお母さんなんですよほんと。

そしてついに始まる舞台『石の微笑』

9巻へ続く

画像:「ガラスの仮面」コミックス8巻より引用

 

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