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【感想】ガラスの仮面22巻 野外で魅せる真夏の夜の夢。アテナ座ので公演は叶うのか!?

2023年12月17日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

あらすじ

野外ステージでの成功もつかの間、マヤにはあらたな試練が。亜弓が出演する「ふたりの王女」のオーディションを受けることとなる。マヤの情熱に再び火がついた。

bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は美内すずえさんです。

登場人物

北島マヤ:劇団つきかげwith一角獣のメンバーと共に『真夏の夜の夢』の舞台で妖精のパックを演じる。

感想

いよいよ始まる真夏の夜の夢!パックが舞台で観客を魅せる!

はい!というわけで今回紹介するのは『ガラスの仮面』の22巻です!段々ちょっとずつ更新の感じを思い出してきました。今後の俺に乞うご期待!

舞台が始まる

というわけでついに始まりました真夏の夜の夢の舞台。

ここから感想を……という流れですが、今回なかなか難しいところでして。何が難しいかと言うと、当たり前なんですけど舞台での劇のお話がメインなんですよね。

なので、一部切り取ってどうのこうのというよりは、全部ちゃんと見て流れに沿って読んでほしいという感じなんですよね。まぁそんな事言い出したら全49巻(未完)全部読んでくれって話になるんですけど。

まずは歌って踊る妖精達とマヤの演じるパック達との会話から、この劇の設定というか物語の簡単な流れが説明されます。

妖精の王様オーベロンとその妻タイターニアが最近ちょっと仲が悪いという話が語られ、次にパックの紹介が。

めちゃくちゃパックに詳しいし持ち上げてくれる妖精。これにはパックも上機嫌に。

おっしゃるとおり!ぼくは夜をさまよう浮かれ小坊主!

なんて自分で言ってみたりします。浮かれ小坊主て。ワードセンスが古い(1982年発売)。今から40年前の漫画の感想を書いております今現在。

軽い調子でおどけながらパックを演じるマヤですが、その演技を見ていて観客がある事に気付きます。

なんと、マヤのパックは劇が始まってからただの一度も歩いていないというのです。立ち止まる事はあっても歩くことは無い。ずっととびはねていると。なんという運動量。

パックを演じている時は、北島マヤではないのです。

はじけ豆みたいに元気がいいパック……!

はじけ豆が一体何かよくわからなかったのですが、調べたら実在する食べ物でした。

こういうやつ。そう言えばおじいちゃんがよく食べてたわ。

まぁそれはともかく。もちろんこの劇に登場するのはパックだけではありませんので、続々と主要人物が登場します。

一角獣の団長が演じる妖精王オーベロンは、なんとド派手にステージの屋根の上から登場です。野外ステージならでは。

さらにオーベロンの妻のタイターニアも登場しまして、いよいよ劇の本筋が始まります。

オーベロンとタイターニアが夫婦喧嘩をしてまして、怒ったオーベロンは妻へのいやがらせのためにまぶたに塗る媚薬を取ってこいとパックに命令します。

それを快諾するパック。

地球ひとめぐりがこのパックにはたった40分!!

なるほど?それがどれくらい速いのかちょっと気になりますよね。

地球1周が約4万kmです。それが40分という事は、1分で1000kmです。分速1000km。時速6万kmという事になります。

それがどれくらい速いのかピンとこなかったので『時速6万km』でググってみたら、どうやら宇宙を進むボイジャー1号と同じくらいの速さらしいです。

よりピンとこなくなりましたね。マッハが時速1225kmらしいのでマッハ49ですかね。

パックの本気のダッシュで地上が衝撃波で滅ぶ。妖精の森はもうスタボロです。

まぁそんな野暮なツッコミはともかく。とんでもなく速いという事です。

そんなパックの速さの表現の方法として。

その場でグルグル回転したあと、オーベロンのマントを掴んで駆け抜けていく事により疾走感を表現します。

これを計算ではなく本能でやる天才。それが北島マヤなのです。

ここからどんどんストーリーが進んでいくのですが、これ事前にこの話を理解していないと何が起きてるのかいまいち理解できません。

というわけで、ちょっと説明してみましょうか。と言っても、俺も原作のストーリーはよく知りません。wikiとかで調べて理解しただけの内容なので、もしかすると違うかもしれませんがその辺は許してください。はい。

登場人物とその関係性

デメトリス:ハーミアの父が決めたハーミアの婚約相手。ハーミアの事が好き。駆け落ちしようと森の中に入ったライサンダーとハーミアを追ってきた。ヘレナを巡ってライサンダーと決闘しようとする。なんやかんやで最終的にヘレナを好きになる。

ヘレナ:デメトリスの事が好き。ハーミアとは親友で、ハーミアとライサンダーの駆け落ちの話を聞くがそれをデメトリスに漏らしてしまう。ハーミアを追って森に入ったデメトリスを追って森に入る。パックのいたずらの影響でデメトリス、ライサンダー両名に惚れられてしまう。それを周りの人間によるいたずらだと思い込んでしまいキレる。

ライサンダー:ハーミアが好き。ハーミアと駆け落ちしようとして森に入る。パックのイタズラのせいでヘレナを好きになってしまう。ヘレナを巡ってデメトリスと決闘しようとする。最終的にはちゃんとハーミアを好きになる。

ハーミア:ライサンダーが好き。父により強引にデメトリスと結婚させられそうになる。デメトリスとの結婚or死刑とかいうめちゃくちゃな2択を迫られた結果ライサンダーと駆け落ちするために森に入る。森の中では、最終的には戻るとはいえパックのせいでライサンダーはヘレナを好きになってしまうしで結構可哀想。

タイターニア:妖精王オーベロンの妻。オーベロンの陰謀(他の人にも使った媚薬)により、森に来ていた職人ボトムの頭をロバに変えた化け物に惚れてしまう。夫のオーベロンとの喧嘩の理由は『とりかえ子』という人間からさらってきた子供をどちらが所有するかで揉めた模様。人間目線でそこそこ極悪。

オーベロン:妖精王。妻が森の中で育てていた『とりかえ子』が欲しくて仕方ないので夫婦喧嘩をしていた。妻のタイターニアを、ボトムという職人の頭をロバに変えた化け物に惚れさせ、それを利用して『とりかえ子』を自分の物とする。目標を達成した途端急に自分がワナにハメた妻を可哀想に思い元に戻すなどする。めちゃくちゃ。

参考にしたものは色々あるんですけど、とりあえずここが物語の内容がよくわかってよかったのでオススメしておきます。よかったら参考として読んでみてください。

こんな感じの登場人物が、面白おかしく色々やります真夏の夜の夢。どこをどうと説明するのがどうしても難しいのでこういう感じになりました。

一連の物語の巻ですからね。冒頭にも書きましたが、どこを切り取ってどうというよりはぜひ読んでみてほしい。マヤの天才的な演技もたくさん見る事が出来ますので。

それから

この真夏の夜の夢の1回目公演まででこの巻の半分くらいです。

ここからは、初日に見事大成功を収めた劇がどんどん評判になっていきます。

マヤの演技に速水も大盤振る舞いです。約40年前のこの万札の量は凄いかもしれない。

結果3日間でのべ2500名の観客を集め、チャリティーの寄付金は500万円にもなりました。

『お代は見てのお帰り』システムだったと思うと脅威の金額ではないでしょうか。

そして、この劇での成果を受けて当然最初にした約束である『アテナ座での公演』を勝ち取った劇団つきかげwith一角獣のメンバー。これで憧れの大舞台で芝居が出来るぜ!!!

と、思いきや。

なんと、芝居を上演するには色々な用意のために最低でも300万は資金が必要とのこと。

出演してもいいとは言ったが無料でさせてやるとは言っていない

向こうもビジネスですからそれは当然だとも言えます。俺よくわからんのですが、こういう時の費用って劇団持ちなんですかね?

これではせっかく勝ち取った出演の権利が……。

と、こんな事態を当然予想して先回りする出来る男速水。

つきかげwith一角獣の資金不足を予想して先回り。アテナ座での公演を大都芸能で制作したいと申し出ます。なるほど。詐欺を詐欺師目線で見るとこういう感じなのか勉強になる。

この誘いに乗るチームつきかげ。どう考えても話が上手すぎる。これがガラスの仮面じゃなくてミナミの帝王ならこれからとんでもない罠が待ち受けている展開。

しかしそもそもチームつきかげにはこれを拒否するという選択肢もありません。相手の弱みを握りつつ得もちらつかせる妙技。

でもこれに騙されない人物が1人。

お前のせいでマヤの親死んだんやぞなにがおかしいねん笑うとこちゃうやろ!!!!

と思うわけですけどね。そらマヤの立場なら疑って当然ですよ。もう自分が何したのか忘れたんでしょうか速水は。

よく例えで『〇〇に親でも殺されたのか』とか言いますけどまさしくそうですからね。直接的に手を下してないけどほぼ親の仇ですからね。

しかも。

そのアテナ座での公演のメンバーからマヤが外されているという事実が明らかになります。

またしても速水のいやがらせ……!!!!

とマヤは思うわけですが、この後のマヤの行先がとんでもない場所になります。

宿命のライバル亜弓。そして師である月影先生との共演!!!!

作中屈指の名シリーズでもある『ふたりの王女』編がはじまる!!!

あと、作中屈指の話の難しさもある。覚悟がいる。読む覚悟とそれを解説する覚悟が。カロリー高い。

23巻へ続く。

画像:「ガラスの仮面」コミックス22巻より引用

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