【感想】HEART GEAR 3巻 おっぱいガードとロックな生き様。自由とは。自分の意志とは。
あらすじ
闘技場(ヴァルハラ)で50連勝中の強敵、ヒルドとの戦いに臨むクロム。施設に軟禁状態のルゥは、はみ出し者のカメラギア・ロックと出会い、戦いの行方を見守るも、熾烈な勝負は思わぬ方向へと向かい始める…。一方、ルゥが人間であると気付き浮き立つ将軍(ヴォーダン)。ヴァルハラの運命を握る存在、ルゥに危機が迫る…!! bookwalker作品紹介より
というお話です。作者はタカキツヨシさんです。
登場人物
ルゥ:荒廃した世界で現在唯一の生き残りの人類。ゼットおじさんを復活させるための手がかりとして『ヘヴンランド』への行き方を調べるために『ヴァルハラ』に辿り着く。お腹が鳴ってしまい大ピンチに陥る。可愛い。
クロム:第5世代型試験用ギア。『ルゥを守り続ける』を基底プログラムとして設定する。無自覚のイケメン。世界がギアだらけでなく人間がいたなら、無双したに違いないイケメン値を誇る。謎の多いギア。
ヒルド:ヴァルハラにて、飛び入り参加から50連勝を続ける強さのギア。その胸部に最強の性能の装甲を持つ。
ロック:ヴァルハラの映像撮影用のカメラギア。撮影中の事故により命令違反を繰り返すようになる。
ヴォーダン:ヴァルハラを仕切るギア。ルゥを使ってなにやら企んでいる。
感想
明かされるヒルドの中身。ロックの生き様が熱い!!
はい。というわけで、今回紹介するのは『HEART GEAR』の3巻です!
ここにはこう、ちょっとした日常のなんやかんやを書こうと思っているのですが、あんまり思いつきません。
これまでに色々な漫画を紹介してきましたが、数が増えるにつれ毎月買う漫画の量が増えてきたので、なかなか嬉しいところです。漫画最高。
スマホ用に1TくらいのSDカードが格安で売ってたりしないかなぁ。
では紹介していきましょう。
乙女のはじらいとか
ヴァルハラにやってきて、クロムとは別に別室で待機を命じられていたルゥ。
そこへ偶然やってきたカメラギア『ロック』との会話中に、お腹が鳴ってしまいます。
これはマズイ。なぜなら、ギアはお腹が鳴ったりしないからです。
恥ずかしい事ではないよ?人間として生きてる証拠だもの。というフォローなど当然入るわけもなく。このままではルゥが人間だとバレてしまいます。
しかし……。
その音を故障だと勘違いしたロック。慌てて言い訳を並べてなんとかごまかします。
そして『故障』というワードから、自身が命令違反を繰り返す不良ギアになってしまった経緯を話始めるロック。
戦闘の撮影中に飛んできた破片に直撃し、それ以来おかしくなってしまったようです。
そんな事言い出したら、社畜のオジサンは毎日そんな事ばっかり考えてますよ……。やっぱりどっかおかしくなっちまったんだろか……。
とまぁ、撮影中の事故がキッカケで、ギア生について考えるようになり始めたロック。その名の通りの生き様を刻めればいいのですが。
そんな悩めるロックに対して、ルゥは『それはおかしい事なんかじゃない!』と言います。
ロックが考えている事も、全然無意味なんかじゃない。と。
これまでに出会ってきたギア達は、それぞれ姿や形、基底プログラムも違ったけど、みんなそれぞれ一生懸命生きていた。
他の誰でもない。自分達の意志で。どんなに姿形が似ていても、みんな同じである必要なんかない。
ルゥちゃんマジ天使。
さて。一方、闘技場。
『ヒルド』という謎のギアが50連勝中。もはや誰もヒルドを止められない。
人バレ
ヴァルハラにやってきたのには何かしらの目的があるような素振りをみせるヒルド。連勝を続け、この場を収める『ヴォーダン』と直接戦いたいようです。
そこに現れたのが、場外での乱戦を制して戦士となったクロム。
ここから、お互いの目的の為に負けられないクロムVSヒルドの戦いが始まります。
そこから少し時を戻して、場面はヴァルハラ中央管理室。
ヴァルハラのボスヴォーダンが、ルゥの正体に気付き始めました。
戦闘用のギアであるクロムは、機密情報保持のために情報が読み取れないのはしょうがないが、どうみても特別な要素を感じられないルゥから、なぜか一切の情報が読み取れないのは明らかに不自然だ。と。
ルゥの情報が読み取れないのは頭につけた可愛いカチューシャのジャミング機能のおかげなのですが、それがあまりに優秀すぎたばっかりに。
疑問に思い映像をチェックしていたヴォーダンでしたが、ついに決定的なシーンを目撃します。
そう。ロックが見ていた。ルゥのお腹が鳴るシーン。
これね。結構凄い事だと思うんですよ。
何が凄いと思うかっていうと、現在この世界には人間はいないんですよ。ルゥが人間だと知らないから。
だから、根本的に『人間がいるはずがない』という常識がこの世界にはあるはずなんですよ。
その状況で『もしかして』に気付ける。また、その気付きを信じられるヴォーダンの判断は素晴らしいと思うんですよ。現に、ロックはそれを故障だと思ったわけですから。
多少の意志を感じさせる事はあっても、根っこのところで『プログラムに従って動く』というギアなのに、想定出来なさそうな事態に対応してくるとか凄い優秀。
例えば『宇宙人はアクビをする時白目をむく』みたいな情報があったとして、目の前でアクビをして白目をむく人を見た時に、お前宇宙人か?と考えるかどうか。みたいなね。普通は素通りする。
そして、このお腹の音で人間疑惑を持たれてしまったルゥの所にヴォーダンの手下が向かいます。
ルゥを守ろうとしたロックを弾き飛ばし、頭のカチューシャをはぎ取り、ついにルゥが人間だとバレてしまいました。
ルゥに電気ショックを与えて気絶させ、連れ去る手下。
去り際に、手下はロックにこう言い放ちます。
ルゥが人間だとバレたのは、ロックがルゥを見ていたから。
俺のおかげ……。
違う。俺のせいだ。
クロムVSヒルド
また場面は変わり闘技場。
クロムVSヒルドの様子は……。
バッサリいかれてました。ここまでクロムは強かっただけに、ヒルドの強さが際立ちます。
もはや絶対絶命か。と思われましたが、ヒルドはクロムに通信で語りかけてきます。
ヒルドは『完全に破壊したくはないので、ここで諦めて戦闘を放棄しろ』と。
そしてさらに。ヒルドは、自身の目的がなんであるかを説明するための映像をクロムに送ります。
それは今から200年前。
もうすでに人間をみかけなくなってしまったとある戦場。
ただ毎日ギアとギアが戦い、動けるギアと動けないギアになっていく。そんな戦場での出来事。
当時、ギアで構成された1個師団を率いていたヒルド。日々の戦闘により、もはや隊の生き残りもわずか。
指令本部との通信が途絶えてすでに12年。もはやこの争いにはなんの大儀も無いだろう。
師団長としての最後の命令。師団の解散。
これからは、各自自由に生きるように。
しかし。兵士達は、ヒルドの指示が理解できませんでした。
元・師団長殿。『自由に』とはどういう意味ですか?
自分自身の意志に従う事だ。とヒルドは返します。
それを聞いて、兵士達が下した判断とは。
良かれと思い下した判断が招いた結果。自身が間違ってしまったと思う手順。
まずは自由を教えるのではなく、意志を芽生えさせるべきであった。
200年独りで考え抜き、辿り着いたその結論を、この無限の闘争に明け暮れる闘技場のギア達に教えたい。そのために、クロムに負けるわけにはいかない。
しかし、交渉は決裂。クロムもまた、ここで退くわけにはいかないのです。
そして、クロムはヒルドにクビを飛ばされる事になりました。
これで終わった……。かに思われましたが。
復活のクロム
首、上半身、下半身のパーツに切り分けられたはずのクロムが復活。各部が独立して動き合体。修復してヒルドに襲い掛かってきました。
以前にも見たウマモード(仮)
先ほどまでとは比べ物にならない強さを発揮するクロムに対して、ついにヒルドが本気を出します。
その身にまとった極厚の外装をパージ!!
戦闘用のギアにあるまじき見た目なんじゃないですかね!!なんか戦いに必要なさそうな部分の造形が盛り盛りなんじゃないですかね!!!
これを作った技術者の熱い魂を感じるフォルムの中身が出てきました。
これまで装備していた外装を脱いだ事により、スピードもアップ。しかしそれでもクロムは強い。
『切られた瞬間からその部位を自己修復していく』とかいう無茶苦茶なチート性能を発揮し、ヒルドを追い詰めます。
ウマパンチ炸裂。
ちなみにこの胸部は『特別製の衝撃吸収素材』とやらで出来ているらしく、無事でした。胸部以外で受けてたら間違いなく粉砕されていたそうです。
そして、いよいよ戦いに決着がつきます。
で。
この最後のシーンが個人的に凄いかっこいい絵で好きなので、ぜひ買って読んでみてください。ここで初見はもったいないので。
それから
ここまでで3巻の半分くらいです。一応ね。個人的なこだわりというか、全部紹介すると面白くないので、だいたい半分以降はさっくり紹介するようにしているんですが、3巻後半から熱い展開が続きます。
戦いが引き分け(両者勝ち)に終わり、スクラップ置き場っぽいところに廃棄されたクロムとヒルド。
改めて落ち着いて会話し、ヒルドの口から語られるクロムに使われているであろう技術。
そして繰り広げられる無自覚イケメン無双。
ピリピリしてない時のヒルドも可愛いのでぜひ。
一方。
ヴォーダンに囚われたルゥの運命は。果たして、ヴォーダンはルゥを利用して何がしたいのか?その目的とは?
このシーンが凄くお気に入り。ロックマジかっこいい。
とにかく、これまでもそうですが戦闘シーンが凄い好みなんですよ。なのでここではあまり取り上げません。買って読むんだ!でないと色々困るだろう!
というわけで、4巻に続く。
画像:「HEART GEAR」コミックス3巻より引用
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おまけ
フランスで作成されたPVらしいです。海外人気がかなり高いようです。
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