【感想】おっさんずラブ 1巻 おっさん(一部若い)の恋愛トライアングル!思ったより切ないし面白い
あらすじ
不動産会社で働くサラリーマンの春田。営業成績は振るわず、いつか素敵な恋に巡り合えると信じながらも、合コンでは失敗ばかり。そんな春田を好きになってくれたのは予想外の人物で…!? 続編の映画化も決定!!公式監修のもと大人気ドラマがコミックスに☆ ドラマ脚本に準拠して、丁寧に描かれる純愛をお見逃しなく! bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は山中梅鉢さんです。
登場人物
春田創一:天空不動産で働く営業。33歳。この作品の主役。ふとした事から部長の秘密を知ってしまい、そこから運命が大きく変わり始めてしまう。
黒澤武蔵:春田と同じ会社で働く春田の上司。役職は部長。55歳。春田に自身の秘密を知られて以来、自分の心に素直になる事にした。見た目はともかく内面はかなりの乙女。春田の事を『はるたん』と呼ぶ。
牧凌太:天空不動産の本社からやってきた若手のエース。25歳。春田の誘いでルームシェアをする事になり、その事がきっかけで運命の歯車が回り始めていく
感想
思ったより面白い。部長萌え。
はい!というわけで、今回紹介するのは『おっさんずラブ』の1巻です!
元々、現在俺が漫画用のアカウントとして運用しているツイッターのアカウントでつぶやいた『嫁がおっさんずラブにはまった』というつぶやきがちょっとだけバズった事がきっかけで興味を持ちました。
嫁が見ているのを時々横で一緒に見る程度で、飛び飛びでしか内容を知らなかったのですが、漫画版もある事を知り今回読んで感想を書いてみる事にしました。
やっぱり、漫画好きを自称するなら様々なジャンルに対して偏見抜きで色々読んでみないとダメだろう!というわけで、男目線で読むBLというのもちょっと挑戦してみたいなと思っていたので。
個人的なファーストBL経験は、中学の時に友達がアニメイトで間違えて買ってきたダ〇の大冒険の薄い本でした。なんかポップとクロコダインがなんかそんななんか。そんな。やつでした。たぶん。
で。大人になって改めてこうBLの世界に踏み込んでみたわけですが、これがなかなか思ったより面白い。最初は正直面白半分というか、ネタ的な意味で見始めた部分があったんですが、それは大変に失礼でした。
一応、漫画の感想をライブ感というか変に先読みして書きたくなかったので、漫画を同じくらいのペースでドラマも見ています。これを書いている今はドラマは2話の途中くらいまで。
漫画読みながらドキドキしたい勢。どうなるんだこの恋の行方は。
とまぁあまりダラダラ前書きを書いてもしょうがないので、作品を紹介していきましょう。
春田、部長の秘密を知ってしまう
主人公の名前は春田創一。不動産会社で働く営業で、バリバリの33歳!
でも、営業成績は最下位。あまり優秀とは言えません。後輩にも成績で抜かれ落ち込む春田でしたが、そんな春田に声をかけて励ましてくれたのが、春田の上司である黒澤部長。
週末のキャンペーンの宣伝プランを春田に任せてくれました。
「成績挽回のチャンスだ。期待してるぞ!」
そう言われ、感極まった春田は手に持った資料を落としてしまいます。
落とした資料を一緒に拾う春田と部長。そこで、うっかり手が触れてしまい・・・。
この表情。なんだこの切なげなオッサンの顔は。
この1巻はドラマで言うところの2話の半分くらいまでが収録されているんですが、この漫画版は原作のドラマにかなり忠実に描かれています。少なくとも俺が見た範囲では。
なので、こういう切ない表情だとかシチュエーションも、ちゃんとドラマに存在します。
言っておくが、ネタ的な目で見られるのは最初だけだからな。段々部長に萌えてくるからな!
一方、ノンケで彼女募集中の春田は合コンにも参加してみたりしますがどうにも上手くいきません。
その日参加していた合コンも、空回りで失敗します。その合コンに参加していたのが、本社から来たという牧凌太という青年。
彼が、いずれ大きく春田に関わってくる事になります。
合コンに失敗した日の翌日。二日酔いでフラフラの状態でバスに乗る春田。
なんとこの日、春田はバスの車内で痴漢と間違われてしまいます。自分はやってない!と主張しようとする春田でしたが、そこでたまたま一緒に乗り合わせた部長が助け船を出してくれたので、なんとか誤解は解けました。
やれやれ・・・。よかった・・・。と一安心したところで、バスは急ブレーキを踏みます。
危うくバランスを崩して倒れそうになる春田でしたが・・・。
それを部長が見事にキャッチ。しかも部長は、なんならソっと春田の背中に手まで回すテクニシャンぶり。
しかし。
春田を助けた拍子に部長のスマホが落下。それを拾う時に、春田は部長のスマホに秘められたとんでもない物を見てしまいます。
部長のスマホの待ち受けが俺だった件。
これには思わず真顔になる春田でしたが、手早く部長にスマホを回収されてしまいます。
どういう・・・事だ?見間違いか?
まぁ俺が春田なら気が気じゃないと思うんですが、とにかく。部長がちょっと、ヤバイのでは?という疑惑が少し生まれ始めました。
牧がやってくる
春田が働く部署に、本社からやってきた若手のエース。その名を牧凌太。
合コンで一緒だった事をお互い覚えていました。軽く会釈を交わします。
牧の自己紹介も終わり、部長の指示で『俺のPCから春のキャンペーンの資料を牧くんに出してやってくれ』と頼まれたので、指示通り部長のPCを操作する春田。
部長のPCのデスクトップにあった『spring』という名前のフォルダをクリックしました。
部長のPCに俺の盗撮画像がたくさん入っていた件。
『spring』ですから。春ですから。
しかも、画像を見てしまった事をどうやら部長に気付かれたような気がする。
俺ならちょっと真剣に悩む展開ですが、夢か何かだと混乱する春田。
その後、トイレで用を足していると、なんとそこに部長がやってきます。
こえぇよ!部長こえぇよ!
これ漫画だと結構あっさり?目に描かれるんですが、ドラマだとなんか執拗に何回も何回もトイレにある『勇気を持って一歩前進』のプレートを親指でクリクリクリクリ撫でまわす演出があるんですよ。
なんなんだよそれ。怖いよ。
牧とルームシェア開始
牧と一緒に外回りに行き、後輩のクレーム処理に付き合い、疲れて会社に戻ってきた春田。
何気なく作業日報を読んでみると、今まで何も書かれていなかった『コメント欄』に、なぜか急に春田の体調を気遣うような内容のコメントが書かれていました。
またしてもパニックになる春田。そらそうよな。
で、ふと気づくと同じ部屋に部長がいました。
部長は、春田にコーヒーを渡したあと、なぜか部屋中のブラインドウを閉じてしまいます。
もはや、そこに悪意があるかどうかは関係ありません。完全なる部長不信。
このままでは恐ろしい目に合うかもしれないので慌てて逃げ出す春田。そしてそれを追う部長。逃げる春田。追う部長。
結局、春田のスーツの襟にクリーニングのタグが付いている事を教えるつもりだった部長でしたが、本当かなぁ?
そして、恐怖体験からなんとか逃れ春田が家に帰ると、なんと母親が置手紙を残して家を出て行ってしまいました。ATARU君と輸入雑貨のお店を始めるらしいです。誰だよATARU君。
突然(でもないんだけど)母親が失踪してしまい、春田は生活力が0だったために自分で何も出来ません。とりあえず外に出て買い出しに出かけた春田でしたが、その途中で牧を発見。
その時の会話で勢いで
「ウチに住まない?」
と言ってしまう春田。この何気ない一言が、今後の春田の人生を大きく変える事になる事を、まだ春田は知らなかったのです。
はるたんが好きです
牧との共同生活が始まり、充実した生活を送れるようになった春田。
そんなある日。日報のコメント欄にこんな事が書かれていました。
『本日19時大場海浜公園にて待つ 黒澤』
果たし状か何かかな?
というわけで、カップルであふれる夜19時の海浜公園にやってきた春田。するとそこには、なにやら手にでかい荷物を持った部長の姿がありました。
なんとなくふわっとした感じの仕事の話をする春田でしたが、それを遮って部長からの言葉が・・・。
部長、愛の告白。
これね。今これを読んでいる人がどういう状況なのかわからないのですが、もし、ドラマ見た事無いけど漫画に興味がある。という人がいたら、ぜひドラマも見て欲しい。
切り張りした中で紹介しているので、なんかちょっと面白い場面みたいに見えるかもしれないですけど、ぜひドラマで見て欲しい。
確かに、最初はちょっと笑えるというか面白い場面なんですけど、これ部長凄い真剣なんですよ。ここから凄い頭下げて、俺は結婚していて妻がいるが、ちゃんとするまで待っててほしい。と告白するんですよ。
熱い、熱い魂のこもった告白シーンなんですよ。
まぁでも、んな事言われても困るんですけどね。まったく流れについていけてないのに、いきなり妻と離婚するからそれまで待っててくれとか言われても、俺が春田ならもうなんか不安で夜寝れなくなるわ。
恋のトライアングルの始まり
春田の初歩的なミスがきっかけでみんなに迷惑をかけてしまった現地販売会。その最中に、部長に向かって倒れてきた鉄塔から部長をかばって気を失ってしまった春田。
すぐさま春田は病院に運ばれます。
俺のせいで春田が・・・。と自分を強く責める部長。心配する牧。
やがて病室からお医者さんが出て来たので、急いで部屋に入る牧。するとそこにいたのは・・・。
まるで無傷のケロっとした春田でした。
「俺・・・もうどうしようかと思いましたよ!」
と声を荒げる牧。
そして、その後に病室に部長が入ってきました。自分をかばってこんな目にあった春田を心底心配している部長は、やや取り乱しており少し様子がおかしい。
慌てて牧に部屋から退室してくれるようにお願いし、部長と2人きりになる春田。
55歳という年齢。部長という肩書。そんな偉いオッサンが、自分をかばった部下のために号泣。
部長マジ乙女。
こういう感じで、冗談とかではなく本気で春田の事が好きなんだという事がわかるシーンが多い気がします。
そして、思わずそんな部長の頭を撫でてしまう春田。はっとなる部長。
まぁでもね。自分のために泣いてくれたら悪い気はしないよね。これがもし女子なら、キスシーンくらいに発展してもおかしくなかったかもしれないけど、まだちょっと早いかもしれない。
そして舞台は春田と牧の住む家に移ります。
春田の日報に書かれた親しげな部長のコメントから、どうにも2人は怪しいのではないか?と思う牧。
病室に飛び込んできた部長を思い出し、牧の心の中にあった想いがついに溢れてしまいます。
お風呂に入っていた春田のところに牧が乱入。
壁ドンからの、突然の告白。
「春田さんが巨乳好きなのは知っています。でも・・・。巨根じゃ・・・。ダメですか・・・?」
そんな告白聞いた事ねぇよ!というヒマも無く。
とんでもないモテ期到来。
それから
ここまででだいたい1巻の半分くらいです。で。何がおどろきって、ここまででドラマの1話くらい。正確にはもうちょっとだけドラマの方が長いんですけどね。
どんだけ濃い内容やねん!と。
ここからは、部長が本気で妻に離婚を申し立てたり、突然のキスの事で春田と牧がギクシャクしたり、本社の屋上で春田を巡って部長と牧が戦ったりします。
でね。
ここから先の1巻の展開で、牧が『あの時のキスは冗談です』という場面があるんですよ。もちろん、牧としては本当は冗談でもなんでもないんですけど、冗談だったってウソをつくんです。
それを聞いた春田が安心して「男同士のキスとか冗談でも無理だから」って言うシーンがあるんですけど、この辺の流れもまだドラマを見た事が無かったらぜひドラマで見てほしい。
めちゃくちゃ切ないシーンなんですよ!牧の表情とかが、もう凄い切ない。悲しいんですよ。
これ、演技じゃなくて本当に好きなんじゃない?と思わせるくらいに。
ちょっと苦笑いというか悲しいというか、複雑で寂しい顔をするんですけど、凄い名シーンだと思います。
ここまでは部長派だったのに、ここで牧派に流れた人も多いのではないかと思います。まぁ俺おっさんずラブ界では全然新参なんですけどね。
この辺りから、ちょっと面白ネタ枠だと思っていたはずなのにこれはちょっとマジなやつだわ。という気持ちになれます。
今これを書いている段階では先の展開はあまり知らないので、これから楽しみに先を見ていきたいと思います。BL界隈もなかなか悪くないかもしれん。
2巻へ続く。
画像:「おっさんずラブ」コミックス2巻より引用
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