【感想】魍魎少女 1巻 体を7つに引き裂かれた師匠の身体を探す少女
あらすじ
時は大正時代。この世の様々な化け物ども・魍魎(もうりょう)を種にして売る「魍魎屋」を営む少女・林檎丸(りんごまる)は、同業者のライバル・八房(やつふさ)の手でバラバラにされた師匠・雪之条(ゆきのじょう)の7つの体を探す旅を続けていた――。立ちはだかるは八房の配下の魍魎たち。ドデカイ武器に、オッドアイ、口が悪くて、超強い林檎丸が、バッサバッサと魍魎を斬るッ!!奇妙痛快冒険譚!!! bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は白石純さん。
登場人物
林檎丸:『魍魎屋』を営む少女。『八房』にバラバラのされた師匠の『雪之丞』の体を取り戻すために旅を続けている。かなり巨大なのこぎりの様な武器を使って戦う。
雪之丞:無二の親友であった『八房』に体を7つに引き裂かれる。でもなぜか死なないので無事だった。現在は壺の中に入って失われた体を林檎丸と共に集めている。
感想
いい意味で昭和的な絵
バラバラにされた体を集めるために戦って旅をする。というのは『どろろ』的な感じですかね。
ちょっとグロイシーンがあったりするんですが、凄いグロイわけではないです。
絵がいい意味で古いというか、最近あんまりこういう絵を見ないなぁと思うんですが、俺は個人的にこういう画風がツボでして。かなりお気に入り。
なので、字とか切り張りした絵じゃなくてちゃんと単行本でぜひ読んでほしい作品です。こんなブログ書いといてなんですけどね。
上手く言えないんですが独特の間というか雰囲気を感じるにはちゃんと全体を読まないといけない作品というか。
俺は電子書籍派なんですが、見開きの独特の雰囲気とかカッコいいのでぜひ読んでほしい。では紹介していきましょう。
まずは物語の始まり。天正十年に、雪之丞が八房の殺される場面から始まります。
彼が八房
ここからもう見開きでなんかカッコいいんですが、ぜひ読んでほしい。もう今回こればっかりになるんじゃないか。
話としては、雪之丞が八房の手によって7つに引き裂かれました。でも雪之丞は『死ねない体』なので死にません。で、わずかに残った骨と肉片をかき集めて、生き物にすら見えないそれを『ししょう』と呼んで大切にした子。それが林檎丸。
壺の中にかき集められた雪之丞と、それを持って雪之丞の体を取り戻すために旅をする林檎丸のお話。
まず第1の体
林檎丸は『魍魎屋』という職業を生業としています。
もうりょうやのおしごと!
魍魎屋というのは、妖怪変化や魑魅魍魎。この世の様々な化け物共を、切って刻んですり潰して、種にして売るのが仕事。これがなかなか便利な道具になるそうです。
そんな魍魎屋を営む林檎丸の元に、ある依頼が舞い込みます。
『村の武器庫のカギを開けたいが、カギがサビついていて使うと折れてしまう。種を使って魍魎屋にカギを開けてほしい』
という内容。カギ開けれるとか便利だな魍魎の種。
そこでさっそくカギ開けに丁度いい魍魎の種を探す林檎丸。そして、それを聞いていた雪之丞(ツボ)が一言。
喋るツボ雪之丞
カギがサビる程使ってなかった武器庫を開ける必要があるという事は、結構大変な事が起きてるんじゃない?
というツッコミを入れる雪之丞。詳しく話を聞いてみると、どうやら7か月程前から隣の村に7人の侍がやってきて峠を通る商人を狙って強盗を働いているんだそう。さらに、なぜか百姓も一緒になって強盗をし始めてしまった。という事らしい。
さらに、その侍の親玉が『鬼の左目』というのを手に入れてから人が変わったように強くなって手が付けられない。と。
とてもわかりやすい目標
というわけで、突如降って湧いた鬼の左目を持つ悪い侍を退治しに行く事になった林檎丸。
さっそく隣の村である海野村へやってきました。
村をしばらく探索していると、第一村人を発見。しかしどうやら様子がおかしい。
バグった
同じ言葉を繰り返しゾロゾロ出現する村人。口々に「ようこそ!」とか言いながら鎌をぶん投げてきました。だいぶ手荒い歓迎。
ここから7人の侍with村人ーズとの戦いが始まるんですが、さすが最初のわかりやすいチュートリアル的なボスだけあって7人の侍は凄いテンポ良く死んでいきます。一切見せ場はありません。
7人の侍の名前などのモデルは真田十勇士かと思われます。
平均して1人1ページずつくらいで死んでいくので、それを全部紹介しようとするともうほぼ全部紹介する事になるので、ここはぜひ読んで(略)
後で紹介しますが、これはweb漫画なので1~3話までと最新の3話は無料で読めますので、気になる方はぜひそこから。
でも何にも紹介しないのもアレなので、お気に入りのシーンを1つ。
本当はかなり大きい
かなり縮小しましたがこれも見開きなので本当はかなり大きいです。凄いかっこいい。一応その『鬼の左目』を持つ侍に関してはちょっとだけ長い尺で戦います。
まずその侍を見た林檎丸の反応が
クレイジー
こんな感じ。多少どったんばったんしますが、なんの苦戦も無くでかいノコギリで刻んで終了。無事目を取り戻しました。この取り戻した時の絵もいい感じの見開きで(略)
イカれた頭のハゲの寺
1話目の終わりからいきなり大正時代になります。だいぶザックリした時間の進み具合。
今回のターゲットは腕。その腕はどうやら寺にあるらしい。というわけでさっそくそのお寺に向かう林檎丸と目が見えるようになった?雪之丞(ツボ)
『呪われた腕』と噂の腕なので、当然すんなり返してもらえるとは・・・。
と思いきや、どうやらお寺の方でも持て余していたようで結構歓迎されました。
かなり厄介な代物らしいので
『身内の人にしか返却出来ない決まりなので』と言いながらかなり歓迎されてお寺の中に案内される林檎丸。その腕を狙ってきた泥棒は全員追い返してきたのに、ただの自称腕の持ち主には渡すのか。ガバガバの管理体制。
これは今回は楽勝・・・。と思いきや、そうは上手くいきませんでした。お寺の奥から偉いお坊さんが・・・。
攻めるタイプのハゲ
奥から出てきたのは頭おかしい(物理)の坊主?でした。顔がそこそこイケメンなのが余計に腹が立つというか、なんだお前。
ちなみにこの攻めたハゲは後頭部が☆です。意味がわからん。よく見ると目にもなんか涙っぽい模様があるわけですが、これであと太陽☀と命♡があれば1人ドラクエ2(紋章)の完成です。わからない人はお父さんに聞いてみよう。
耳にピアスもいっぱい付いてる
とにかく、この悪い意味でテニプリに出てきそうな坊主は、林檎丸に腕を持たせるのに大反対。この人の許可が無いと腕を持って帰るどころか見る事すらできません。
しかし、そこは魍魎を悪用してなんとか突破。嘘を言わせる魍魎とやらで三日月と星以外ハゲに見事許可をもらいました。
ハゲが許可したのは『見るだけ』だったのですが、そこを強引に奪ってしまった林檎丸。あとはこれを持って逃げるだけ・・・。
が。
寺のそこかしこに植えられて?いた植物状の魍魎の集合体に襲われます。
かなりデカい
サイズ感ちょっとわからないと思いますが、これはお寺より大きいくらいの大きさです。この木?っぽい化け物から腕を取り返すために林檎丸が戦います。
これもまたあんまり苦戦する事なく容赦なく切り刻んでいきます。
この漫画で大切な事は、敵がどうのこうのではなくて林檎丸と雪之丞の触れ合いが主な感じです。林檎丸が雪之丞の体を取り戻すための想いってのが大切で、敵はそれを盛り上げるための添え物みたいなもんです。
こういう絵に弱い
これが腕を取り戻した瞬間なんですが、この次のページもまたいいんですよ!(略)
そして今度は腕を取り戻した林檎丸。今後は『腕が時々出てくる壺』にパワーアップしました。
次の話からはデパートに行く話が始まって、ライバルっぽいキャラと八房が出てきて林檎丸の秘密が少し明かされて1巻は終了になります。
ライバルっぽい(チカ)
こう・・・。話というか、話もそうなんですけどとにかく個人的には絵を見て欲しいというか、最初にも書いたんですが字だけとか切り取った絵だけではあまり良さが伝わらないタイプの作品なので紹介が難しい。
読んでもらえればなんとなく俺が言いたい事が伝わるかなと思うんですけどね。でも、ちょっと人を選ぶ作風かもしれません、俺は好き。
バン!と見せる感じの絵が多いってのもあるんですけどね。見開きバンバン使うよ。
2巻をお楽しみに。
画像:「魍魎少女」コミックス1巻より引用
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