【感想】ガラスの仮面 13巻 ついに亜弓も紅天女候補に!そして舞台は次の段階。TV業界に挑みます。
あらすじ
マヤはテレビの世界へと進出。その華やかな世界で、マヤは迷路をさまようことに。月影千草の決断にとまどうマヤ。アイドル里見茂との出会いがマヤにもたらすものとは? bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は美内すずえさんです。
登場人物
北島マヤ:舞台『奇跡の人』が終わり、また新しい世界へと踏み出していく。
感想
次の世界はTV業界。未知の世界で頑張っていく
はい!というわけで、今回紹介するのは『ガラスの仮面』の13巻です。
長編の漫画は、記事を書こうとして読んでいる時につい続きが気になって次の巻次の巻へと読み進めてしまうので危ないです。
あと、読んでて少し気になったのですが、この漫画にはいわゆる巨乳の人がでてきませんね。だからなんだって事はないんですが。
さて、では紹介していましょう。なんだこの前フリ。
賞をもらう
舞台『奇跡の人』のヘレン役でアカデミー芸術祭の助演女優賞にノミネートされたマヤと亜弓。
いよいよ受賞者の発表です。
同じ舞台で同じ役。緊張の走る両者。助演女優賞に選ばれたのは……。
というわけで、マヤが見事アカデミー芸術祭の助演女優賞に選ばれました!
あまりの出来事に夢見心地でステージに向かうマヤ。
さらに、主演女優賞は同じく『奇跡の人』よりサリバン先生役の姫川歌子が選ばれました。
自分のライバルが。自分の母親が。それぞれ大きな賞を取った。亜弓はさぞかし悔しい思いを……。
と思いきや。なんだか晴れ晴れした表情になる亜弓。
ステージに立つマヤに対して、お祝いの言葉をかけにくる亜弓。
『私の演じたヘレンは完璧なヘレンで、あなたの演じたヘレンは新鮮なヘレン』など、言ってる理屈は屁理屈極まりないような気がするのですが、個人的にはこの視点は非常に見習うべきところがあります。
気に入らない、納得いかない事があった時に大切なのは、それを自分がどう消化するか。という事です。なので、この亜弓の考え方は素晴らしい。ストレスの無い考え方です。
負けたんじゃない。別方向だっただけだ。いいですね。取り入れていきたい。
さて。そんな感じでとりあえず決着のつきましたライバル対決。そんなステージの上に、月影先生が乱入してきました。
そのステージ上で、月影先生が亜弓にこんな事を言いました。
なかなか上手いですね月影先生も。これまで亜弓を担いできた大都芸能に先手を打つ形で亜弓を紅天女候補として大きく発表する月影先生。
亜弓の母が叶えられなかった夢ですが、その娘とそのライバルが争う事になりました。
それにしてもこの『紅天女』ってよっぽど凄い伝説なんですね。2020年の世界なら、月影先生もいつまでも代表作にしがみつく終わった人。みたいな冷たい目で見られてもおかしくなさそうなのに。
紅天女は凄い舞台で、月影先生は偉人。というスタンスは誰でもだいたい変わらないので、月影先生の全盛期の外伝とか読みたい。
まぁ、まだちょっと先の話になるからあまり詳しくは言えませんが、そんなもんドロドロすると思うんですけどね。
助演女優賞レースには敗れたものの、誇らしげな気持ちで会場を後にする亜弓。
そして。
なんというか、そういう作品だからしょうがないっちゃしょがないんですが、とにかく終始戦う事を義務付けられるのでちょっと可哀想。まだ遊びたい盛りだろうに。
そしてここからは、受賞式が終わり華やかな業界人達の受賞パーティーに。
パイオツカイデーのチャンネーとシースー食べる世界観です(違う)
そんな華やかさに気後れして、主役の1人だというのに壁際でポツンとご飯を食べる我らが庶民代表北島マヤ。
そんなマヤを、ダンスに誘う速水。パーティー会場で有名な芸能事務所の偉い人とダンスとか、コミュ障的には死刑宣告なわけですが。
学校のフォークダンスくらいしか踊った事ない!というマヤを強引に誘いダンスを始める速水。
そのダンスの途中、つまずいてしまい速水に抱き着く形になったマヤですが……。
紫のバラの人に招待され、ヘレンの特訓のために行った別荘。
目隠しをしていたために顔は見れませんでしたが、抱き着いたその感触を、体は覚えていたのです。
『あの夏の時の……』
ヤバイと感づいた速水に突き放され、ダンスはこれにて終了となりました。
そして、このダンスが注目されマヤは各種メディアの人々の注目の的に。
心の汚れたオッサン的には、この中に何人悪い大人がいるのか心配でなりません。
大河ドラマに出演する
場面は長野県のとある病院。そこにいる1人の入院患者。
マヤの母親。
肺の様子は良くなったようですが、どうやら目は見えないようです。
病院の先生に、これが自慢の娘です。と切り抜きを渡して紹介するマヤの母。
その切り抜きは、すでのボロボロになっていてどんな写真かわかりませんでした。
しかし、それを見て話を合わせるお医者さん。
マヤ母のくだりは何を見ても泣きそうになります。
さて一方。
助演女優賞を受賞した事により、大河ドラマの出演が決まったマヤ。
最初住み込みで中華料理屋で母と働いて、真冬の海に飛び込んでチケットもらったりしてた頃から比べるとかなり出世しましたね。
あれだけ大好きだったTV業界に、今は出演する側になったかと思うとオジサンも感動しますよ。
これまでは舞台でしたが、これからはセットの中での撮影になるので、これまでと全然違う世界にとまどうマヤ。
果たして上手くやっていけるのでしょうか?
マネージャー的な人がマヤにはいないんですよね。結構厳しい環境だと思います。保護者が本当に存在しないので。誰かちょっと面倒見てやれよと思わないでもない。
そして、ついに気になる大河ドラマでの役が発表になりました。
マヤが演じるのは、田沼伯爵の令嬢『沙都子』の役。
どうやらこのドラマは、明治時代の東京を舞台としたドラマで、他にも東京、横浜、アメリカ、ロシア、イギリスも舞台となるようです。
なかなか金のかかった大作です。
そして、ここからはTV業界の色々なお話。
衣装合わせだったり演出家の人々との話し合いだったりスポンサーの人への挨拶だったり。
色々大人のややこしい世界ではありますが、そこはマヤ。周りがどう変わろうとも、やるべき事は同じです。
調子に乗るでも卑屈になるでもない。ただやるべき事をやる精神。大変立派です。すでに精神面では俺はマヤに追いつけなくなりました。悲しい。
で、これの次の1ページだけ学校でウワサになるマヤが描かれます。1ページだけ。
この演技狂の世界観に日常回など必要ないのだ!
まったくないわけではないですけどね。はい。後々です。学園編。
稽古が始まる
いよいよドラマに向けての稽古が始まりました。
ここで、マヤは色々な事に挑戦というか稽古するわけなんですが、指導してくれる先生に何度もダメ出しをくらってしまいます。
ジャンルは違えど言われる事の根本は同じ。
『基礎が出来ていない』
という事。一応はマヤはこれまで月影先生指導の下様々な事を学んできたわけですが、大きな芸能事務所やら俳優の学校に行っていたわけではないので、その辺が少し弱い。
ダンスや日舞。和服を着た状態での立ち振る舞い。
『身のこなしがまるっきりのでくの坊だ』
とまで言われてしまいます。この批判を受けて、自分でも練習をしてみるマヤでしたがやはり上手くいかない。
これから先、マヤがより成長するためには、今の環境はもうすでに限界なのです。
それを見かねた月影先生が、速水にとある交渉に向かいます。
というわけで。速水にマヤの大都芸能入りをお願いする月影先生。
元々大都芸能(というより速水)はマヤを欲しがっていましたから、当然これを快諾。むしろ代わりに何かを月影先生に差し出す話に。
これを受けて月影先生は、自身の演劇研究所入りを要求しました。これにて交渉成立。
北島マヤはこの日より大都芸能所属となりました。一応本人に契約書にサインを書かせる描写がありますが、世話になった月影先生の意志なら断れるはずもなく、マヤの目線から見れば実質身売り。ひでぇ話ではあります。
が。
この事により、今後マヤは大都芸能からのサポートを受ける事が出来るようになり、住んでる場所も変わりました。考え方1つではありますが、ステップアップしたのです。
華やかな衣装を着て、TV用のセットの中に立つマヤ。
なんか今さらなんですが、最初マヤは異常なくらいにTVが大好きな子でした。実際は芝居が好き。なわけですが。
でも実際自分がTVの中の人になると結構とまどっているというか、マヤはあくまで『芸能人』というよりは『舞台女優』なんだな。と思わされます。
さてここからは、TVのおしごと!編になっていくわけですが、これまでの舞台と根本的な大きな違いがありました。その辺を、ばったり出会った姫川歌子が説明してくれました。
ようは、常にリアルタイムで進行していく舞台とは違って、TVはまとめ撮りである。という事。
楽しい場面の公園も、悲しい場面の公園もまとめて撮ってしまう。という事がよくある事なのです。
さっきまで楽しい気持ちで演じていたのに、次にはまったく逆の気持ちで同じ場所で挑まなくてはならない。短期間で気持ちを切り替え続けなければいけない。
ここまで役に没入する事を長所にしてきたマヤとしては、なかなか難しい事を要求されるようになったわけです。
果たしてマヤは上手くTV業界になじむ事が出来るのでしょうか?
それから
ここまでで13巻の半分くらいです。
ここからは『スターになる』という事に少し振り回されていくマヤの話や、マヤが出演するドラマの次の番組に亜弓が出演する事になる話。
そしてついに……。
マヤが恋をします。
ドラマで共演する里見という青年に恋をしてしまうマヤ。
里見を意識し過ぎるあまりに本来の演技が出来なくなってしまいます。里見を叩く場面。手を取られる場面。
全てにおいて、里見を意識してしまう。恋する乙女全開です。
恋心の表現が、食べかけのエクレアを食べた。とかいうのがいいですよね。小さいなりに確かな恋心というか。
しかし、その事がキッカケで里見の親衛隊に目をつけられてしまうマヤ。
超怖い世界観。
その一方で、亜弓は逆に『恋をしていない事』を理由に危機におちいります。
紅天女を巡って競い合う2人の少女。角度は違えどお互いが『恋』というテーマでそれぞれの壁にぶつかる事になります。
果たして2人は乗り越えられるのか?
14巻へ続く
画像:「ガラスの仮面」コミックス13巻より引用
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