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【感想】アクタージュ 10巻 舞台直前花子が仕掛けた爆弾。いよいよ舞台が始まります

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

 

あらすじ

「羅刹女」の公演まで残り数日。稽古は佳境に入り、出演者はそれぞれの思惑を胸に抱いて、迫り来る本番に思いを巡らせる。そんな中、サイド甲の演出家・山野上は夜凪が羅刹女を演じる上で、真に力を発揮させるためのある仕掛けを用意していると王賀美たちに告げる――。bookwalker作品紹介より

というお話です。原作 マツキタツヤさん 漫画 宇佐崎しろさんです。このブログはノートPCで更新するんですけど、モニターの角度で表紙の天知が凄い白い。気になるわこれ。

登場人物

夜凪景:舞台『羅刹女』でサイド甲の羅刹女役を演じる。羅刹女の強い怒りを身に着けるために、割りとエグイ大人の陰謀に巻き込まれる。可哀想。

王賀美陸:舞台『羅刹女』サイド甲の悟空役。ただそこにいるだけで圧倒的カリスマ性を発揮する。が、それだけではこの世界は厳しいようで。この顔はなんか妙に少年っぽいのでお気に入り。リッキー可愛い。

山野上花子:舞台『羅刹女』の著者兼サイド甲の演出家。だいたいの事はこの人が悪い。それにしてもこの名前は本名なんだろうか。

感想

花子が落とした超特大の爆弾!そこから始まる修羅場の舞台!

はい!というわけで、今回紹介するのは『アクタージュ』の10巻です!

9巻から始まった羅刹女シリーズ。まだこれからも続いていく結構長いシリーズになっていくわけですが、この10巻の感想を書くにあたって9巻を読み直してたんですよ。

で、9巻を読んで気付いた事があるんです。

俺、白石さんと同じ歳やわ。

んなアホなって話ですよ。最年長のいい大人みたいな雰囲気でね。俺の目から見ても白石『さん』と呼ぶにふさわしいしっかりした大人ですよ。

それが、まさか俺と同じ歳とは。衝撃。

俺はいわゆる『本誌派』というやつで、毎週ジャンプを買って読んでますのでこれから先の展開ももちろん知っているわけなんですが、毎週毎週ブツ切りで読むしかないのと違って、単行本で一気読みだとまたちょっと違った印象を感じます。

と、いうわけで、紹介していきましょう。

舞台に向けてそれぞれの意気込み

というわけでまず10巻の冒頭。

ちょっと字が小さくて読みにくいかもしれませんが、羅刹女の話の流れの説明から。

悟空は小虫に変化して、羅刹女の腹の中で大暴れ。慌てた羅刹女は悟空の言う通り芭蕉扇を差し出します。

が、それは実は偽物で、偽物を渡されたと知った悟空は怒ります。今度は羅刹女の夫である牛魔王に化けて再び羅刹女から芭蕉扇を奪おうとする。

というところから。『牛魔王に変化した悟空』という、なかなか難しそうな演技の練習をする阿良也。悟空でもダメ。牛魔王過ぎてもダメ。

そんな複雑な演技を、謎の洞窟で劇団天球のメンバーに囲まれながら練習する阿良也。

あれやこれやと意見を交わしながら、阿良也の中の悟空像を作り上げていきます。

そして。

あ、あなたは!巌さんじゃないですか!!

これが男塾なら、巌さんは実は生きてました展開になるわけですが、残念ながらこれは男塾ではない。

「声が聞こえるんだよ」

さっきまで居た謎の洞窟も天球のメンバーも、当然巌さんも全て阿良也の空想の人物でした。そこそこヤバイ精神性。

実際はどこかの家の暗い庭……というかここは巌さんの家ですね。今ここに住んでるんかな。巌さんも1人暮らしっぽかったけど、結構怖いよね。広いし掃除も大変そう。

こんな暗がりの庭で男女が2人きりで抱き合ったりしながら芝居の稽古なんてしてると、なんぞ間違いでも起こりそうな気がしますが、とりあえずこの時の話題はだいぶ内面向きの話であまり色気のある話ではなかった。

芝居に飲み込まれてしまわないように、きっちり自分の居場所を作っておいた方がいい。とアドバイスする阿良也。一方、それをあまり深刻に受け止めていない様子の千世子。

むしろそっちは相手王賀美さんだけど大丈夫なの?と逆にあおってくる千世子でしたが、大丈夫だ問題ない。と切り替えす阿良也。

王賀美は、圧倒的カリスマ性というかオーラを持っているせいで『何をやっても王賀美陸』と言われてしまうのですが、それもしょせん映画での話。これから挑むのは舞台だから舞台には舞台のやり方ってもんがあるんだよ。と自身満々の阿良也。

さてサイド乙はどんな羅刹女を見せてくれるのでしょうか?

一方。

夜のバーで花子に呼び出され、一緒にお酒を飲むリッキー。

くっ……!白々しい事をっ……!!

花子さんの人間性については後々明らかになっていくわけですが、改めてこの辺りを読んでみると、ちょっと天然なところもあるけど憎めない創作家肌。という感じな気がしますね。

花子さんは小説家だから演技の事に関しては素人なので、舞台上での役者の導き方は知らないしわからないから、その以前の段階の『舞台になるまでの人間関係や考え方』を作りたかったのかな?と思わないでもないです。

巌さんのように、演者と向き合ってその役について問いただしたり導いて行ったりというアプローチがそもそも出来なかった。だから……。とまぁ、あんまり書いてもアレなので。はい。

ここでの会話で花子さんはリッキーに『あなたの牛魔王は強すぎるので、もっと弱さを見せてください』とお願いします。

しかしリッキーはこれを拒否。

観客は弱い俺など望んでいない。と、あくまで自分流を貫く意志を見せるリッキー。

例えば、ここでのやり取りでも花子さんは『阿良也に遅れを取る』と言っています。つまり、演じ分けしないと相手に負けてしまうかもしれない。という事を優先順位の1番上に置いているわけですが、もしこれが巌さんだったら勝敗とかを1番に置かなかったんじゃないかと思うんですよ。

悟空や牛魔王に対する質というか理解度というか、あくまで『芝居』を最優先に置いたのではないだろうか。と。なんか上手く言えませんが。

この辺の違いが、後々のすれ違いというか誤解を生んでいく原因になっていくのかな。と思ったり。

とにかく。

花子さんからの提案をリッキーは拒否。『俺が俺である事』こそが至上である。という、これはこれでかっこいい生き方ですよね。流されるままのリーマンには真似できない。

そして、デスアイランド組。

羅刹女の舞台とデスアイランドの公開時期がかぶっている事に対して、結局自分は夜凪と千世子のバーターだっただけで、実力で選ばれたわけではなかった。落ち込む和歌月。

しかし、それに対して武光は。

幸運こそ役者に一番必要な能力だ。あとは実力をみせてやればいいだけだからな。と。役者に限らず人生全般そんな感じだと思います。大変前向きでよろしい。

それぞれが、それぞれの想いを持って舞台羅刹女の公開日が近づいていきます。

本番まで1週間

父への怒りを軸にした事で夜凪の芝居が覚醒。これまでとは一変した演技を見せ始めます。

そして、敵味方に別れてからこれまで訪れていなかった大黒天の事務所にやってきた夜凪。

急の訪れた夜凪に驚く雪。

悪い顔いただきました!いいね悪い顔!

余裕だな。とあおる黒山に、余裕なんかないわ。だから出来る事はなんでもやる。と返す夜凪。

この流れに少しとまどう雪。俺だったら胃が痛くなるね。見える範囲でピリピリするのやめてほしいわ。

父への気持ちを思い出し、その憎しみを羅刹女を演じるための怒りに変え。それまで共にやってきた仲間を『敵』とはっきり言い切るほどに研ぎ澄まし、冷たくなっていく。

それも全て。

この段階で言える事は特にありません。友でありまたライバルでもある千世子を超えるために、自分の全てを投げうってでも。

デスアイランド組の集まりでは、どうやら武光が過去になりやら抱えているらしい事。羅刹女に舞台に勘当されてる父親が見にくる事。などがわかったり。

共演者組では、同じ女優として夜凪と同じチームで演じる事になり、比べられる事に緊張する市子。

そして『やっと王賀美君に10年前の償いが出来ます』と語る白石さん。

いよいよ舞台まで残り1週間となりました。そこで『夜凪を除く全員』にある提案をする花子さん。

『この舞台をより良いものにするために』夜凪に限界を超えてもらう。その為の『仕掛け』も用意してある。

しかし、その仕掛けを実行した場合夜凪がどういう状態になるのか想像つかないので、みなさんが彼女を支えてください。

と語る花子さん。

まぁ……。なあ。こんちくしょう。

いよいよ公開当日

ついに始まった舞台羅刹女。

観客席には学校組や天球組の顔もありました。

いいよ吉岡!キモいよ吉岡!

これから夜凪がどれだけ有名になっても、君にはずっとそんな感じでいてほしい。あと、ひなちゃんは本当にいい友達だなぁ。最初はなんか過労死寸前の宇宙人みたいな目で夜凪の事にらんでたりしたのに。

天球組は

と、やっぱり巌さんなら勝敗を優先したりはしないだろう。という気にさせてくれますね。あと、七生はアキラの事好きなんじゃないか。好きなんじゃないか(大事な事なので2回言いました)

でもなぁ~~!七生とアキラになったらなぁ!夜凪とアキラにならないしなぁ!でも夜凪と阿良也もいい感じだしなぁ!リッキーもいい男だしなぁ!

と、この漫画は割りと『そういう議論』の余地があって好きです。異性との匂わせをなるべく排除しようとするような傾向は嘆かわしい限りですよ。人間だもの。恋愛もするよ。

そして、初日はとりあえず『見』の姿勢で過ごすサイド乙。

調子こいてわかってる風に語る豚と、それを冷めた目で見る黒山。

俺個人的にこの豚が結構好きです。まだ名前知らないけど。豚って言い方も失礼なんだけどもね。とりあえず自己紹介だけでもして欲しかったよ。

これでサイド乙の演技中に熱い回想とかが彼にあったら大好きになるわ。やらかして欲しい気もするし、意外に熱い男であって欲しい気もするし。本当に彼の活躍が楽しみでならない。

あまり夜凪を詳しく知らない豚の彼に、現在メゾット演技法においては夜凪を超える若手女優はこの日本にはいない。と断言する黒山。

『メゾット演技法』『若手女優』と区切ったので、結構限られた日本一ではあるものの、絶対本人には言わないであろう本音を語って評価する黒山。

夜凪が本領発揮すれば組織票などなんの意味も持たない。とも断言。そうですか。頑張れサイド甲。

そして、これからもコンスタントに冴えわたる雪のツッコミにもこうご期待。

爆弾を落とす

というわけで、ついに上演目前となりましたサイド甲。

演者と演出家が一同に揃いまして、いよいよ始まる舞台に向けて最後の会話を交わします。

私の羅刹女と悟空達がここに。

夜凪達を見て、少し涙ぐんだりもする花子さん。感無量です。ここまで頑張ってきてよかった。

さて。それでは、最後に1つだけ。私の話を聞いてください。

は、花子きさまぁぁぁぁぁぁぁ!!!

怒りで花子にビンタをくらわせる夜凪。騒然とする共演者。

そらそうよ。舞台直前に主演の父親と不倫してたのかも疑惑を打ち明けるとか、リッキーじゃないけど頭イカレてんのかあんたは。

これをリアルタイムで読んだ時点では、なんかこう、葬儀場の職員か何かをやってて『彼といた』というのは本当だけど別に色っぽい関係などではない。とかいうとんちだろうどうせ?

と、思っていました。果たして真相は?こんな少年漫画見た事ない。と思う。たぶん。あったかもしれない。

それから

ここまででだいたい10巻の半分よりちょっと少ないくらいです。ここからいよいよ舞台羅刹女が始まっていきます。

公演直前。クレイジーな演出家の陰謀によって父親の不倫相手かもしれない疑惑を聞かされ、ブチ切れブースト全開で舞台に向かう事になった夜凪。

JKに対する仕打ちとしてはあんまりなんじゃないかと思うわけですが、役者だからしょうがない……のかなぁ。

でも、ここでちょっと大事な事ですが、巌さんなんか『俺もうすぐ死ぬと思うからそれ見て演技に活かすように』とか言ってたわけですから、案外クレイジー度で言えば巌さんもヤバイんですよね。

初舞台の演出家は舞台初日に死んでしまうし、次の舞台の演出家は父親の不倫相手かもしれないしで、なかなか演出家に恵まれません女優夜凪景。

もしここで、武光が花子の話を止めなければ、果たしてどんな話をしたのでしょうか。

私はー

正直、週刊で読んでいる時はこのシリーズが好きではなかったです。まぁこれを書いてる今現在もまだ羅刹女編は連載中なんですけど。

でも、単行本で読むと、またちょっと違った印象になりますね。銀河鉄道の夜の時もそう思いました。

テーマが『舞台』なので、刻まれるとどうしてもテンポが悪くなる気がするんですよ。で、羅刹女の本筋も追わないといけない。演者の心理も追わないといけない。となると、間で1週間空くと段々なんの話をしてるのかわからなくなるんですよ。

これは今、誰目線の話なの?ってなる。

でも、単行本だと一気に全部読めるわけで、なかなか面白いんじゃないこれ?みたいな気持ちになりますね。不思議。

ただ個人的には、小さな虫になって羅刹女の体内で暴れる悟空のシーンをカットしないで欲しかった。

千世子がメゾット演技を披露した大事なシーンだから。という事もあるんですが、それ以上に苦しむ夜凪の横で突っ立って『どうだ!まいったか!羅刹女の姉御!』とか実寸大のリッキーが嬉しそうに演技する、そのシュールな絵面が見たかった。

怒りに燃える羅刹女の心。果たしてその行き場はどこに。

あと、オマケで意外なキャラのプロフィールも見れます。ぜひ単行本買って読んでみてください。

11巻へ続く。

画像:「アクタージュ」コミックス10巻より引用

 

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