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【感想】騎士団長 島耕作 1巻 異世界転生した島耕作が島耕作レベルを上げるために島耕作ポイントを稼ぐ話

2019年11月3日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

あらすじ

ファーストターフ王国の忠実な騎士・シマ。ある日、御前試合の最中に頭を打ち、思い出したのは前世の記憶!? サラリーマン時代の記憶を頼りに異世界を生き抜く、新たな島耕作の物語が開幕!! bookwalker作品紹介より

というお話です。原案 弘兼憲史さん 漫画 宮本福助さん シナリオ 別府マコトさんです。

登場人物

コーサク・シマ:部長就任を引き受け家に帰り、9年間の課長生活を思いながらお酒を飲んでいた。というところまでは覚えているんですが、そこからなぜか異世界に転生。ファーストターフ王国の王国騎士団所属の騎士として生まれ変わりました。

スライム:この物語のキーマン。いや。キーウーマン?とんでもない特殊能力を持つが、その内容は後程。

感想

島耕作の島耕作による島耕作のための異世界転生

はい!というわけで、今回紹介するのは『騎士団長 島耕作』です。Twitterで流れてきた感想を見て、なんやこれ面白そうやないか。と思い読んでみました。

今回の更新ではゲシュタルト崩壊をおこす勢いで『島耕作』という単語が出てきますのでその辺を覚悟しておいてください。

それと、ちょっと最初に大事な話なんですけど、この作品を読んでおいてこんな事言うのもなんですが、俺これ以外の『島耕作シリーズ』を1回も読んだ事無いんですよ。俺にとっての『ファースト島耕作』は課長でも部長でも会長でもなく、騎士団長なんですよ。

作中で、原作って言っていいのかわかりませんが、島耕作シリーズのオマージュであろう話が結構出てくるんですけど、全然わからないんですよ。

俺のような島耕作シリーズ未読勢にとって『島耕作成分』は全然わからない話になってしまうんですが、それを補って余りある『島耕作を無理やりファンタジー世界に落とし込んだ』という雰囲気は充分楽しめます。

むしろ、変な先入観が無い分そこの部分にかんしては未読勢の方が楽しめるかもしれません。

なので、島耕作ガチ勢の方々からすれば少しリスペクトの足りない内容になっているかもしれませんが、その辺はご容赦いただきたいです。

島耕作、転生する

中沢社長に部長就任を打診され引き受けた、その夜。家で9年間の課長生活を思いながらお酒を飲んでいた島耕作でしたが、そこからなぜか異世界に転生。

目が覚めると見知らぬ世界でした。前世時代の知り合いに激似の人と出会いますが、全然事情が呑み込めません。

とりあえずわかった事は、ここは『ファーストターフ王国』で、自分は『トマベチ王』に仕えている王国騎士団の一員である。という事。

こうして、島耕作は『コーサク・シマ』として異世界に転生したのでした。

スライムと出会う

とりあえずよくわからないままに騎士団の仕事として市場を回るシマ。すると、果物を欲しがるスライムを発見。優しいシマはスライムにリンゴを買ってあげ、プレゼントします。

そんなシマの目の前でスリ事件が発生。さっそく犯人を追いかけ捕まえますが、どうやらスった財布をどこかに隠した後らしく、証拠の財布が見つかりません。

周囲を探索して財布を探そうとするシマの目の前に、先ほどリンゴをプレゼントしたスライムが現れ、どうやら財布の場所を教えてくれるようでした。

そのまま一緒について行くと、スライムは財布を持ってきて一言。

 

「私を満足させてくれたらこの財布を渡してあげる」

 

読んでる俺もまったく同じ感想ですよ。

何を言ってるんだこのスライム。スライムですからね?よくあるスライム娘っぽいやつじゃなくて、ちゃんとした?スライムですからね?満足て。

と思うんですが、なんとこのスライム。大町久美子という女性に変身。そして・・・。

 

 

ウソやろ!?

及第点をいただきましたので、無事財布は返してもらえました。

『君がスライムなのか人なのか気になって』というシマのセリフはもっともだと思います。

そしてこの事後のピロートークの中で、スライムから『あなたはこの世界に転生したのよ』という事を告げられます。そして『島耕作』としての記憶は前世での記憶である事も教えてもらいました。

このスライムが何者なのか気になるところですが、こんな感じでシマの異世界ライフが始まります。

出世の道を目指す

スライムに助けてもらって取り返した財布の持ち主が、どうやら大臣の奥方だったようで、さっそく中央にパイプを作り始めるシマ。

奥方の極秘警護の依頼を受け、その奥方に。

この後に待つ『グランドキャニオンが!迫ってくる!』はこの巻屈指の名シーンですので、ぜひ読んでみてください。

大臣の奥方に手を出した事がバレれば終わりですが、騎士団の財布を握っているものまた大臣。この奥方に気に入られれば出世への道が開けるかもしれない。覚悟を決めて挑もうとするシマでしたが、ここは訪問者があって未遂に終わりました。

その後カジノでなんやかんやあったり。

そして明かされるコーサク・シマの使命

教会でケガをシスターに治してもらったシマ。そこで、最近女神像の目が曇ってきている。という話を聞きます。もしやこの世界に何かよくない事が・・・。

というフリがありまして、その後町を歩いていると前世での知り合いにそっくりな女性を発見。急いで追いかけますが見失ってしまいます。

そして、なぜかスライムと遭遇。

『昔世話になった女性に似た人を追っていた』と言うシマ。

こうね。凄い愛があるんだと思うんですよ。島耕作に。でないとこんなセリフ書けないですよね。

で、まぁ見失ったものはしょうがないし、もしかしたら見間違いかもしれないし、今ヒマだったらお茶でもしない?とスライムに誘われたので、一緒にお茶をする事になりました。

 

 

なんでやねん!!

この後のコマで『お茶とは?』というシマの心の声があるんですが、同意無しに成立せんやろ!お前もその気やないかい!と思いますよ。何を白々しい。自分は潔白ですよみたいなコメントを。

『魔法で前世の知り合いの女性に変身したスライムと』とかいう異種姦でもなかなか業の深いプレイをしておきながら。

そして、この後のピロートークで(また)自分がこの世界に転生してきた理由を少し知るシマ。

どうやら、このファーストターフ王国はもうすぐ崩壊してしまうそうで、それを助けるためにこの世界に転生してきたようです。

しかし・・・。ある弊害もありました。

ちょっと何言ってるかわかりません。

島耕作という存在はあまりに大きすぎたために、そのままのレベルでは転生できなかった。だから、課長時代の記憶しかないんだわ。

まぁ、書いてある事は読めるんですけどね。なんだこの世界観。

じゃあ、世界を救うためにはどうしたらいいの?

なんか悪い薬でもやってるんじゃないのか?と思わないでもないですが、いたって大真面目です。

島耕作レベルを上げる

というわけで、ざっくりながら目的が見えてきました。

島耕作が転生→コーサク・シマに→ファーストターフ王国を救うために転生してきた→王国を救うために島耕作レベルを上げる必要がある

という事です。『島耕作レベル』という書いてある事の意味はわかるのに意味不明な造語。なかなかのインパクトですよね。

ここで気になる『どうしたら島耕作レベルが上がるのか?』という事ですが、これはもう簡単。

島耕作ポイントを貯めればいいんです。

なんかね。凄いですよねマジで。細かい事とかどうでもいいんですよ。創作に必要なのは勢い。納得出来るかどうかではなく、させるんですよ。

これを受け入れるシマの適応能力は凄いですが、とにかく、当面の目標は島耕作ポイントを貯めて島耕作レベルを上げる事。

ちなみに、島耕作レベルを上げるとどうなるか?という事ですが、島耕作レベルを上げると段階的にクラスが上がっていき、前世での記憶を取り戻していきます。

この時点でのコーサク・シマの島耕作ジョブのクラスは『課長』です。これが島耕作レベルを上げる事によってどんどん出世し、その都度記憶を取り戻す。という。なんだこれ。なんだこの世界観。

というわけで、こんな感じで島耕作ポイントを貯めて島耕作レベルを上げるために様々なミッションというか課題に挑戦していきます。

で。

その部分が凄い真面目。もう凄い真面目。

俺の知ってる異世界転生は、ゆるふわ最強チート持ちが、やれやれ系でバーンとやってドッカーーーン!みたいな大味極まりない作品が多かったんですが、これは一味違います。凄い真面目。

この部分がいわゆる『島耕作成分』という感じですかね。

異世界ファンタジーだと思って読むと少し違った感じです。この真面目な部分ばっかりだとちょっと飽きるかな?という感じなんですが、そこに唐突にぶっこんでくる『異世界島耕作成分』がなかなか狂気で面白いです。

ちなみに、よく原作を知らないのであえて触れなかったんですが、他にも前世の記憶持ちっぽい人がいたり、前世の知り合いに激似みたいな人が何人か出てきたりします。

気になったらぜひ読んでみてください。

画像:「騎士団長 島耕作」コミックス1巻より引用

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