【感想】はっちぽっちぱんち 4巻 憧れのために道を選ぶレミの決断!
あらすじ
妄想JKの欲望、リングで爆発!
bookwalker作品紹介より
今、一番クレイジーな女子格闘マンガ
あと一敗すれば退場のレミ。相手はアマチュアMMA全米王者のニーナ。REINAに失望され、己のプライドを切り裂かれ、崖っぷちに立つ彼女の切り札は……!? 一方、キホの相手は新たなる参戦者、最凶双子の姉・アリス。世界に狂気が伝播し始める中、怪物(キホ)は更なる快楽を求めて進化する!!
というお話です。原作がカツラギゲンキさん、作画が嵯峨あきさんです。
登場人物
黒石希歩:人を殴りたくて仕方ない狂気の妄想JK。この巻では活躍が少ない。
八鋤レミ:キホの良きパートナーであり友人……でありたいのかどうかは本人しかわからない事である。この巻で大きな岐路に立つ事となる。
感想
自分が目指す最高の自分であるために。少女は決断をする。
はい!というわけで、今回紹介するのは『はっちぽっちぱんち』の4巻です!
世間ではインフルとかが大流行しているようですがみなさんお元気でしょうか?俺はいまのところ大丈夫です。ここに書く事が特に思いつかないのでいってみましょう!
憧れを追って
さてまず4巻冒頭。いきなり核心となるシーンから始まります。
なんと、いきなりキホとレミとの別れのシーンから始まります。お前との2か月ちょっと。悪くなかったぜ。というセリフを残して去るレミ。
なるほど今回はここまでに至る過程を知る話なのだなと覚悟を決めたところで少し時間はさかのぼり。
ニーナvsレミの戦いが今始まろうとしています。
今回のレミのセコンドはらぶちゃん。対する相手のセコンドは二次オタのじじいである清水。
女は二次元に限る。三次元のババァなんかに興味はない。とはあの名トレーナーの名言ですが、いいんかこんなんで。出てくる男キャラのクセが強い。
しかし勝負はセコンドで決まるわけではありません。あくまで戦うのはリング上の選手です。
相手のニーナはアメリカにて総合格闘技でかなりの実力者であるようですが、今回のこの戦いはキックボクシングルールなのでまるで別競技。
対ニーナ用の練習も積んできました。狂気の猛獣(キホ)の練習相手だけやってたわけじゃないんだ。と気合も十分です。
距離を保ちながらローで削ってカウンターで仕留める。そんなプラン。
しかし。もしそれが通用しなかったら?
そんならぶちゃんの不穏な忠告を受けて、それでもこのREINA様の戦いしか知らねぇ!と試合に臨むレミ。
まず開幕、プラン通りにローを打って距離を……としようとしたところ。
ニーナが距離を詰めてきての接近での打ち合いが始まる事になりました。
もし、それが通用しなかったら?
いくつか打ち合いもしましたが、パワーで負けて結局自身がカウンターをくらいダウンを奪われる事に。
冒頭での別れのシーン。もしかしてこのままレミは負けてしまうのでしょうか?
いい加減に気付け八鋤レミ。お前は私にはなれない。
リングサイドから厳しい目で睨みつけるREINA。この試合でもしレミが負ければこの場からいなくなってしまう。それは嫌だと大声で叫ぶキホ。
そして……。
その目に何かを宿し、立ち上がるレミ。
やっとの思いでここまで来たのに。当て馬にされ失望され、今じゃキホのトレーナー扱い。その上脱落寸前だと……?
ふざけてんじゃねぇぞ!!!!
いいですね。ここめちゃくちゃ熱いシーンですよ。思わず奥歯噛みしめる場面です。
よく考えたら可哀想な扱いですよね。キホのために使った時間はかなりのもんですよ。キホ目線で見れば優しいパートナーなのかもしれませんが、そもそもそんな事やりたくてここに来たわけじゃねぇんだよ!って話ですよ。
どうしてもREINAの戦い方にこだわるレミ。しかし。それを実行するために必要な体幹とパワーがレミには足りない。
打ってダメージを与える事も、相手の打撃を耐え続ける事も出来ない。
あたしはREINA様にはなれない
おそらく子供の頃からずっと憧れてきた神様のような存在の人とようやく同じ空間で生きていけるようになったはずなのに、そこに届かない事を薄々自覚し始めている。こんな悲しい事ないですよね。
次第に劣勢になっていくレミを見て、もっとレミちゃんと練習したいよ!と泣きながら叫ぶキホ。
ナメんじゃねぇ!!
戦友と書いて友と読む。そんなキホの声で覚醒……というわけではありません。
あたしはお前のトレーナーじゃねぇよ!!!
それはそう。
彼女達の生きる場所はリングの上です。お友達ごっこがしたくてここにいるわけではない。彼女達は全員がライバルです。キャッキャウフフしてれば楽しい気楽部活ごっこがしたいわけではない。
出来る事なら全員ぶっ倒してその頂点に立つためにやっているのです。
あたしが何年もかけて辿り着いた場所を、ポッと出のバカ共に奪われてたまるか!!とブチ切れるレミ。
さらに強烈な一撃をニーナに当て、これ以上あたしの邪魔をするなら……。
その目に宿る炎の正体は殺意か狂気か。
覚醒
パワーのないレミ。しかしそんなレミにも、他の誰よりも優れた武器がありました。
キホとの初戦での不意打ちや、これまでにも虚を突かれたタイプの攻撃でもかわしてきたレミ。
彼女の持ち味は、どっしり構えて戦うスタイルではなくその防御を捨て全てを攻撃に転化してこそ生きる。
いいですよね。手数の多い回避型のカウンタータイプとかピーキーで憧れる。スパロボならリアル系。ヒュッケバイン的な。
小足見て昇竜余裕なスタンス。見て、当てられる。ってめちゃくちゃ強いと思いますよ。
突然のレミのスタイル変更により押し返され始めたニーナはカッっとなって焦ってタックルに。
そこにキッチリヒザを合わされてKOです。ここめちゃくちゃカッコいいのでぜひ買って読んでください(宣伝)
二次元大好き名トレーナーも認めるその殺気。こうして。狂気は伝播していく。
そしてレミはこの試合に勝ちました。という事は、ここを出て行く必要はないはず……。
しかし。
試合に勝ったレミの口から出たのは意外な言葉でした。
あんなに憧れていたREINAの元を去ろうとするレミ。その胸中やいかに。
この次のページは次話の表紙になっているんですが、その表紙のレミの顔がなんかいい味で好きなんですよね。絶妙に力の抜けた表情が楽しそうで好き。
格闘技漫画なんだから基本的には相手をぶん殴ったりぶん殴られたりするシーンばっかりなんですが、だからこそこういう肩の力抜いた日常パートも見たいなと思うところです。
さて。
今までの戦い方のままなら勝てなかった。あのノーガードスタイルでの戦い方こそがレミに合ったスタイル。
なのですが。
その戦い方はあたしが憧れたキックボクシングじゃないんです!!
と。
かっこいいですね。自身に一番合っているであろう新しいスタイル。これを突き詰めれば強くなれるだろうし、また自分の憧れの神もそれを望んでいる。
でも。それでは自分の憧れに近づく事は出来ないしそれは絶対に譲れないし受け入れられないと。
自分の憧れを、夢を追い求めるためなら、その憧れ本人にすらNOを突き付ける。なかなか出来る事ではないですよ。
こうして。
ここにこのまま居ては憧れに近づく事は出来ない。レミはこの場所を去っていくのでした。
それを引き止めようとするキホでしたがそれも届かず。
みなそれぞれに持つ譲れない戦う理由。ただ人を殴りたい。それ以外に、キホにもそんな理由が出来る日が来るのでしょうか。
新たなるメンバー
さて。レミが去ったわけですが、ここで前節参加せずに不戦敗になった新しいメンバーがやってきました。
なんとなしにバブリーな雰囲気の彼女の名前は荒井麗。週末はお立ち台で扇子振って踊ってそうですね。ってかそういう話は現代の人には通じないですよね。
どうやら彼女は綺と仲が良いようで、さっそく綺との試合を望みますが現在ランキング1位の綺と戦うためには10P獲得しなければなりません。現在麗は4P。ここから2度の勝利が必要です。
というわけで、この2節目ではらぶちゃんと対戦。という事になりました。
さぁ果たしてこの新登場の彼女の強さは……!
なんと、打ち合いのシーンすら描かれずに終わりました。麗の負け。
なぜあっさり負けたのか?という話もあるにはあるのですが、個人的にはそれよりも気になる事があるんですよね。
麗のこの試合前のポイントは4。そして前節は不戦敗だったので、この試合で負ければ2連敗。ルールに従えば試合負けの-2Pと連敗ペナの-4Pとで一発退場のはずです。
というかですね。この荒井麗という選手は最初のランキング発表の時点で4P持ちなんですよ。
これ最初のランキングなんですけどね。で、この後1節目終了時に『合流していない2人は自己都合のため不戦敗とする』ってREINAが直々に宣言してるんですけどね。
なぜかポイントが減ってない。不戦敗なら-2Pするべきなのでは?
これが、別にどうでもいいランキング戦なら好きにすればいいんですけど、ランキング落ち=即退場の生き残りを賭けた戦いでこの処遇はダメだろ。
じゃあ戦わない奴が有利な戦いなのでは?いくらなんでもこれは贔屓がすぎるのでは?と思うわけです。
そもそも、戦って勝ち残る者を決める狂気を伝播させたいランキング戦なのだから、戦わないという選択を選んだ奴は戦って負けた者よりも重いペナがあるべきだと思うんですよ。
今のところ最初の小林を含めても自分から抜けた者2名と、そもそももう戦えなくなった感じの1名と、確かに今後の遺恨を残さなそうな感じの抜け方となっていますが、まだまだ続けたいのに力及ばず抜ける事になってしまった人とか出たらこれは気の毒ですよね。
しかもこの時点でまだ参加していない太田アリスに至っては2連続不戦敗ですからね。今後どうなるかはわかりませんが、たぶん試合は月1だと思うのですでに1/3を不参加の奴が今さらどのツラ下げて参加するのかという気になるわけです。
まぁそういうもんですと言われればそうなのかもしれませんが、ここがちょっと気になるなと個人的な感想。
それはともかく。
ここから先の話で、出て行ったレミの話が描かれていきます。
REINAの元を去ったレミが向かったのは、おそらくREINAの所に来る前に所属していたジム。
ここで、K-ONE女子2階級制覇王者のNANAという人と戦います。
レミのこだわっているスタイルでの勝ち方を教わるためではなく、これで現役の王者に勝てるスタイルにするために。
俺は、どちらかというと才能とか謎のファンタジーで強いよりこうして泥臭い努力をして強くなるタイプの人の方が好きなので、レミを応援したい。
彼女のカムバックに期待して読み進めていきましょう。
それから
ここまでで4巻の半分くらいです。
ここからは、まずこのランキング戦はネットでも配信されているのですがそれが少しずつ話題になり始め、スポンサーがついたりするようになりました。
まずはプロジェクト全体のスポンサーがつきまして、いずれは個人にも付くだろうとの事。いつかキホちゃんをサポートしたいというスポンサーも現れるのでしょうか。あの狂気に投資しようとするのはなかなかにリスキー。
そして、レミとNANAが2人で『女子格の現状』を見に行くという話も。
この辺は、俺は実際の世界の格闘技はほとんど見ないのでわからない部分ではあるのですが、男子に比べて迫力がどうしても足りない女子の試合はなかなか人を呼ぶのも難しいようで。
女子の試合。そこが休憩時間となっている人もいるようです。悲しいなぁ。
この現状をなんとかしようとNANAも頑張っており、ハイレベルな女子格を少しずつ作ってきたし席を立つ人もいるけどこれを面白いと思ってくれているお客さんも増えてきた。
それを、あんな素人(キホ)がOFG(オープンフィンガーグローブ)で……。あんなもん格闘技じゃない!ただの暴力だ!いつか事故が起こっても不思議じゃない!!
と怒るNANA。確かに、格闘技がスポーツであるためにはその最悪のラインでの安全はなるべく保障されているべきで、それが無いならただの野蛮な暴力です。
しかしまぁ大衆はより強い刺激を求めるものですから、もしこの危ういラインの戦いが『面白い』の基準になった場合、女子格は終わる……。
果たして今後の主流となっていくのはどちらの考えなのでしょうか。
そして、いよいよ2連続不戦敗の太田アリスが登場。初戦の対戦相手は我らが主人公キホちゃんです。
ツッパりHigh School Rock’n Roll
今日も元気にドカンを決めたら洋ラン背負ってリーゼントの世界観。
アリスはボクサーという事で、パンチで勝負するとらぶちゃんですら勝てないというレベルらしいのでキックで攻めていく事に。
ここまでキホはキックも練習してきたので、そこそこ形にもなってきました。当然ここはキックを主体にした戦法に……。
しかし。
パンチこそ当たらないものの、キックは当たる。
なのに、なぜか蹴っても気持ちよくない。なぜ……。
と悩むキホちゃん。『どうしたら気持ちよくなれるか』を実践の中で考えながら戦い、そして!戦いの中でその答えを見つけ出す!
自分で考え導き出したキホの『気持ちいい攻撃方法』とは!!果たして勝負の行方は!
5巻へ続く。
画像:「はっちぽっちぱんち」コミックス4巻より引用
マガポケで読む
これを書いている2025年1月12日現在、更新されている話が丁度いい場所なのでぜひ読んでみよう!何が丁度いいのか説明しにくいけど!丁度いいので!!ぜひ!!!
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