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【感想】アンデッドアンラック 8巻 貫かれたシェン!四季戦は新たなる舞台へ!!

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

あらすじ

因縁の師・ファンと相対するシェン。圧倒的な強さを見せるファンの猛撃の中、ムイを守るためにシェンが下した決断とは!? そしてフェーズ2に到達してしまったサマーを撃退した時、世界に大きな異変が訪れて――!?

bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は戸塚慶文さんです。

登場人物

アンディ:『不死』の否定者。この巻ではそこそこ影が薄いが友のために命がけで怒る事が出来るいい男。

風子:『不運』の否定者。この巻の最後の方で大変な事になる。覚悟ガン決まりすぎて怖いが、実はこんなの序の口である事を我々読者は思い知らされる事になっていく。

シェン:『不真実』の否定者。この巻の実質の主役。でも大変な事になる。

ムイ:シェンの付き人というか大事な人。この巻で大変な事になる。シェンムイにこの画像達を使った事には意味がある。今思えば結構意識してたんだなと感じる。意味深。

ファン:『不老』の否定者。セクシーカンフーの使い手。後の世では大人気になるが、現時点ではシンプルにクズ。シェンの育ての親であり師匠であり妹の仇。

感想

サマー(足場)を頑張ってみんなで倒す!

はい!というわけで、今回紹介するのは『アンデッドアンラック』の8巻です!

そろそろ暑い季節になってきましたが、夏が討伐されてしまうとそれはそれで寂しい気もします。

1人じゃない

やんわりとした過去回想(3ページ)を挟みまして、vsファン戦から。

ヴィクトル戦で風子を守ってくれたし、ユニオンにアン風を推薦してくれたのもシェン。だから助かったし恩があるから、もし今後お前に何かあったら俺が助ける。とアンディ。

まぁ、そのおかげでロンギングは地図から消えたしヴォイドとジーナは死んだので、これを恩としてポジティブに捉えているのは良い事なのかどうかには賛否あるところですが、もう超長い時間生きているのでそういう切り替えは早いのですかね。

『結果アン風は生きている』という事が大切だと。なるほど。

そんなわけで、シェンが今まさに人生の踏ん張りどころではあるのでアンディもそれを命がけで支援します。

いいですね。当たり前に友を救える。熱い漢の友情です。

しかし。

憎き仇を目の前にして冷静になれないシェン。あくまで『みんなで』と言うアンディに対して、1人でやらせてくれと譲りません。

不真実まで使ってアン風とムイちゃんの足止めをし、1人で戦おうとするシェンでしたが……。

それをゲンコツで殴るアンディと体を張って止めるムイ風。

『頭冷やせバカが!お前が今やらなきゃならねーことはなんだ!!!』

とシェンを叱ります。

ここいいですね!ロンギングでのvsスポイル戦の時はシェンがアンディの軽率さを叱り、今度はアンディがシェンを叱ります。

友を大事に想うアンディ。戦力にはなれないかもしれないけど、大切な人を守りたいムイ風。

そして、そんな感動の展開を心底興味無さそうな顔で眺めるファン。

どうでもええからはよ来いやの顔

『最強』の2文字にしか心の何かがボッキしないある意味究極の不感症であるセクシーカンフーの使い手はもちろん人の心など理解出来ません。

まだ待ってくれる分紳士ではある。しかしそれもこれも優しさ起因ではなく、おそらく『この茶番が終わったらちょっとは強くなるのか?』という気持ちからでしょう。

さて。意地でも妹の仇をソロで取りたいシェンでしたがそれをアンディが一喝。

優先順位間違えるなよ。お前が今一番やるべき事はムイを守る事だろう。

アンディのこの言葉に冷静さを取り戻すシェン。さぁここからチームアンディvsファンの開始です。

いよいよここから反撃に始まりか!という事で、ワクワクしながら読むわけです。

アンディの格闘技術ではファンに攻撃が通らない。それを不真実を併用しながら戦う事で、アンディ自身すら予想していない無意識のフェイントを織り交ぜながらの格闘戦。

まるでどこかの最近腕が謎の楽器になってしまったブラザーのような戦い方で、反撃を……。

しかし。

確かな手ごたえを感じたアンディでしたが、ファンもただやられるだけではありません。自身が持ったアーティファクト『随心鉄桿』を使った攻撃で風子とムイちゃんを狙います。

そして。

それを守ろうとした結果、シェンのお腹に穴が開きました。

ここね。リアタイで読んでた時、まさかこんな事になるなんて予想もしてませんでしたよ。

まずオータム戦で安野が消えて、そこからジュイスの腕が飛んで。そこから始まったサマー戦で、もう流石にユニオンにダメージ入らないだろうと思ってたところにこの展開。衝撃でしたよ。

しかも、これサマー関係無いですからね。なんならもうその存在をちょっと忘れかけてるとこですからね。

不真実の覚醒によって、妹を殺してしまった。そのキッカケになった仇とのバトル中に主人公側のキャラが致命傷を負う。とんでもない展開です。

しかしこうなってくるとムイ風は結構存在の危うい弱点ですよね。そこに1回でも攻撃が当たると終わる移動式の弱点。

確かに2人の存在が力になるという部分もあるんですが、今回に限って言えば完全にその存在が足を引っ張った形。

さて。この時点では『まぁなんやかんやで回復するんやろ』と思いながら読んでいたわけですが。

ボクを殺してくれるかい?

みんなとなら、なんでも守れるんですね。

そう言って、ムイ風を守り体に致命傷を受け倒れるシェン。肝心の自分の命が守れていない。

これに対して『興ざめだ』と一蹴するファン。一応は弟子で息子みたいなもんでという関係なのに、お前人の心とか無いんか?

これにブチギレ反撃を試みるアンディでしたがやはり攻撃は通らず。風子も応戦しますがこれもダメ。

仮にも4vs1という形なのに全然相手になりません。これがもしゲームなら完全に負けイベの様相。

そして。

今まさに死の淵にいるシェンは、今は亡き妹の幻覚を見ます。

突然現れたメイに謝るシェン。

一応このメイを『幻覚』と書きましたが、果たしてこれが幻覚なのかどうか?については実は議論の余地があるのですがそれはいずれ。

それはともかく。この幻覚のメイが語るには、特に兄の事を恨んでなどはいなさそうでした。

ここでメイから少し語られる、シェンの暗い部分。

妹を失い、その仇をうつために強さに狂い、人を自分より強いか弱いかでしか判断できない、まさに今のファンのような曇った心で生きていた事。

そんな時に、シェンはメイちゃんと出会いました。UMAに家族を殺された姉と弟。自分達に似ている、そんな2人をほっとけなくて助けましたが、その出会いが少しずつ、少しずつシェンの心を変えていった。

ムイちゃんは弟と共にシェンと出会ったわけですが、この画像を見る限りではどうやら弟の方は助からなかったんですかね。

シェンの目つきも今よりやや暗い。俺達の知っているシェンは、いつも陽気な面白兄ちゃんだったんですが、この当時のシェンは何をするのもめんどくさそうな無気力な青年に見えます。

そんなシェンの心をちょっとずつ癒してくれた大切な存在。

それがムイちゃんです。

ムイちゃんに対するシェンの気持ち。これを『恋』とし、恋をするってどんな気持ち?と聞いてくるメイ。

それに対して、自分にはそんな資格はないしもうオレは死んだんだ。と語るシェン。

一人称が『オレ』なのが、その本心を表現している感じです。

しかし。

そんな、シェンの後ろ向きな気持を否定するメイ。

お兄ちゃんは私の分まで幸せにならなきゃなんだから。

優しさでもあり、厳しさでもありますね。まだ大切なものが生きている。そこに残っているのだから、諦めてはいけないと。諦めて、死んで楽になる事など許されないのです。

本当はお兄ちゃんと一緒にいたいけど、もう少し待ってるね。

感動のシーンですね。

この漫画の好きなところは、こうしてそれぞれのキャラ達にそれぞれの背景があるところです。その背景はどれもほとんどが悲しくやり切れない悲劇です。

しかし、それに対して一部腐るようなところはあっても、それでもなお前を向いて戦って生きている。その生き様に、安野は心を動かされたわけです。

アンディと出会わなかった世界線の風子は、おそらくこれまで自らの命を絶っていたのではないかと思います。そのように、自らの悲劇に耐え切れず心を折ってしまう者もたくさんいるとは思うのですが。

それでも。前を向いて戦って生きていく。

こうして積み重ねられたその想いは、いつか神に届くのでしょうか。

こうして。

妹のメイちゃんに励まされ、息を吹き返したシェン。

目を覚ましたシェンは、ムイちゃんにこう頼みます。

ボクを殺してくれるかい?

せっかく息を吹き返したのに、いきなりとんでもない事を言い出すシェン。しかしこれには狙いがありました。

ファンが持っていた数珠のようなアーティファクト。これをファンから奪い、その数珠を持ったムイちゃんにシェンが殺される事によって、キョンシーになったシェンをムイちゃんが使役する。

愛する人をその手で殺して救うという、かなり業の深い話をされるムイちゃん。

ふと思ったんですが『キョンシー』って言って最近の若い人に通じるんでしょうか?俺くらいのオッサンだとそこそこ身近な存在だったんですが。霊幻道士とかマンキンとかレイレイとかで。

最近の人はキョンシーをどこで知りますかね?

まぁそんな話はともかく。

こんな突然の無茶ぶりを、ムイちゃんは当然拒否。キョンシーとして復活したシェンが本当にシェンかどうかもわからないし。そんな事より、今のその傷を治す方法を考えましょう!と。

一応、ムイちゃんの手元にはそれを飲めば傷が回復するという丸薬があったのですが、シェンはもうお腹に大穴が開いているのでその丸薬を消化する事も出来ない。

もはやシェンの意志は固く、その命も残り少ない。ここでのんびり議論などしているヒマは無いのです。

残された道はただ1つ。シェンをキョンシーにする事。

そんな辛い状況で、ムイちゃんは『どうして私など助けたのですか』と尋ねます。

これまで何もお返しできていなというのに。と泣くムイちゃん。

これまで、自分が否定者でない事から近くで補助は出来ても実際にクエストの参加する事は出来ず、それを悔しいと思って生きてきた。そして、ついに参加出来るクエストが巡ってきたと思ったらこんな事になった。

辛いですね。

さて。これを書いている今は2024年の6月19日です。今現在、我々アンデラ民は24年の8月1日になにやらでかい発表があるらしい。という事を知っています。

個人的には、これが『サマー編の映画化』なのではないかと思っています。アニメ2期なら別に1期終了後に発表すりゃいいんだし。

で。まぁ妄想になるわけですが、もし。もしサマー編が映画となってこのシーンがスクリーンで流れたら。俺は泣かない自信がありません。

こんなもん絶対号泣するやろ。

そんなムイちゃんの悲痛な訴えを聞き、それに答えるシェン。

ムイちゃんに出会うまでずっと狭い世界で生きてきた。

ボクと、殺された妹と、妹を殺した男。

この3つのルールしか無かったシェンの世界。そこにムイちゃんが入ってきて、世界が変わった。

そして。初めてムイちゃんに明かされる、不真実の条件。

もう何回も読んだのに、何回読んでもちょっとウルウルする。

俺は男女のバディ物の作品が好きです。可愛い女子が不自然に女子だらけの世界でキャッキャウフフするような作品も好きですが、やはり男女のペアの作品が好きです。

そこには愛があります。俺も男ですから、大切な女性を想いそれを守りたいという気持ちは理解出来ます。

それが理解出来るからこそ気持ちが乗る。人の心をゆさぶるのです。

こんな限界の状況での告白ですが、そのシェンの言葉を受け覚悟が決まったムイちゃん。アン風がファンから奪った数珠を受け取り、シェンにとどめをさします。

姿が変わり、あなたがあなたでなくなっても。私は、この命尽きるまであなたをお慕い申しております。

そして。

愛する人の手によって心臓を貫かれ絶命し、そこからアーティファクトの力でシェンが復活。

さぁ!これでいよいよ反撃開始です!

不真実の行方

一度死んで蘇ってきたシェン。キョンシーは不死なんですかね?流石に首切ったら生きてられそうにない気もしますがどうなんでしょうか。

漫画だと白黒でわかりませんが新シェンは肌が青いらしいです。なかなか不気味。

さぁついにここから反撃を……!

と思ったのですが、なぜか不真実が発動しない。

なんでや!!となるわけですが、否定者は死んでしまうとその能力が次の人に移るので、シェンのところにもう不真実は無いのです。

しかし、一瞬明らかに不真実が原因での謎の動きの停止があり、じゃあこれは一体誰がどこから……。

となってからの

その能力の次の持ち主はムイちゃんでした。

そしてここからは、シェンムイの反撃開始です。無意識にシェン達を恐れさがろうとするファンの体を不真実で前に進ませ、一方的に攻撃を続けるシェンムイ。

ここでついにファンを倒します。

それから

ここまでで8巻の半分くらいです!ここからは、完全にその存在を忘れられていたサマー(足場)との戦いが始まります!

オータム戦と同じく、メインである否定者達のお話が終わったあとは気持ちいいくらいの消化試合です。

一応奴は四季シリーズの中でも最強と言われ、歴代ループの中でも1度も討伐する事が出来なかったサマーを、なんとなくのムービーイベントで瞬殺するくらいのお手軽さ。

フェーズ2になったサマーをトップ、チカラ、タチアナ、シェンムイとアン風でボコボコにします。

そして最後にファンはちょっと戦闘狂で頭がおかしいだけで、人情としては最低限優しい人物である。という事がわかってサマー戦は終了。

ちょっと常識の軸が他とは違うだけで、根っからの悪人というわけでもないのがファンの魅力でしょうか。

そして。

前回のオータムは『捕獲』であったので今も存命ですが、今回のサマーは『討伐』でした。

UMAは討伐するとその概念が世界から消滅します。つまり、世界から『夏』がなくなります。

夏がなくなるってなんですかね。夏って『ある』物なんでしょうか。物理現象の結果として勝手にそうなっているだけのような気もします。

アポカリプスが言うにはサマーは『+の気温を司る』らしいです。よくわからないですね。んじゃ春と秋は何やってんだと思います。

非否定者はルールが変わった瞬間に意識の改変が行われますので、この瞬間世界中の人々の脳内から夏の思い出が奪われたわけです。もうこの世界にはTUBEもサザンも存在しません。生足へそ出しマーメイドもおそらく存在しません。ダイスケ的にはNGです。

というわけで。

世界から夏が奪われ、一気に寒冷化するアンデラ界。このままでは1日と持たずに世界は滅ぶという事です。

いくらなんでもクソゲーすぎんか?

流石にこれはちょっとどうなのよと思わないでもないですね。今回はたまたま四季全員がまとめてきましたが、もし夏が単体でクエストに出てきたら詰みです。負け確イベント。

で。意味のわからん理不尽バランスではありますが、それはともかく冬を狩らないとこのままでは地球滅亡待ったなし。なので、冬の前で待ちプレイをしているビリーに『今すぐ冬を倒してくれ』と交渉します。

当然ビリーはこれを拒否。人がどれだけ死のうがなんとも思わないビリーにとって、現状むしろ好都合だという事で。

しかしまぁ、もうこの時点で『世界はループしている』という事をこの辺りの人達は理解しているわけですから、どれだけ人が死んでしまっても茶番だという気持ちになってしまいそうなのに、ユニオンはよくモチベーションを維持してるなと思いますよ。

この困った状態を脱出するために、なんと風子が自ら『私がそっちに行けば冬を倒してくれますか』と交渉。

不運が欲しかったビリーはこれを承諾。これにより、風子の身柄はアンダーに引き渡され冬は討伐され広瀬香美はこの世から消えました。

もうこの世界には夏も冬もありません。ずっと春と秋の繰り返しです。なにそれ最高か?

にしても冬の扱いの雑さ加減に同情します。フェーズ2も登場しなかった。バーンに握りつぶされて終わりです。

『+の気温を司る夏がいなくなった』のに、燃焼を司るバーンは当たり前のように全盛期の力を保持しているわけですが、この世界の物理法則は一体どうなっているのでしょうか?気温と燃焼は何か別の作用で成り立っているという事ですが、不思議です。

まぁそこをゴチャゴチャ言うのはアレなので、でもとにかくユニオンは『UMA労働』を早く討伐して欲しいですね。それが追加されるクエストで負けた事も許せん。

そして。

単身アンダーの本拠地に行く風子。そこで待っていたのは。

ちょっと厨二感ある

今まで丁寧に扱われてきたであろう円卓を、あえて雑に置いて見せることで『俺達はちょっと他とは違う粗野な集団ですよ』という事をアピールしてくるビリー様。やや痛々しい感じ。

公平な世界とやらは邪気眼スピリッツの果てにあるのでしょうか。

実はこの円卓の置き方には理由があるのですが、その理由については単行本のオマケで(宣伝)

そして。

秋は捕獲。夏は討伐。冬も討伐。残りは春。

次はスプリング戦が始まります!

9巻へ続く。

画像:「アンデッドアンラック」コミックス8巻より引用

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