【感想】アンデッドアンラック 12巻 アンディは新たなる旅へ。うちゅうのほうそくがみだれまくる!
あらすじ
不滅(ルイン)の急襲により、死の淵を彷徨う風子。UMAゴーストの追加で死の概念が書き変わり、一命を取り留めるものの、風子の魂はゴーストと不滅に奪われてしまう。アンディは風子奪還の為、組織(ユニオン)を抜けて新たな旅へと―!?
bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は戸塚慶文さんです。
登場人物
アンディ:『不死』の否定者。『不滅』の否定者ルインによって殺された風子を生き返らせるために旅に出る。
ルイン:『不滅』の否定者。今のところ、否定者として神側についた唯一の存在。いきなり現れて風子を殺す。
感想
いよいよ物語は佳境へ!幽霊となった風子を助けるためにアンディが行く!!
はい!というわけで、今回紹介するのは『アンデッドアンラック』の12巻です!
ガラスの仮面バブルがやんわりと終焉を迎え、日に日にアクセス数が減っていくのが悲しくもあり、そういうもんだよなという気持ちもあり。
おでかけしましょう
11巻の終盤で起きた事
- 風子がルインに刺される
- 致命傷を負った風子を助けるためにジュイスが自ら所持しているポイントと引き換えにアン風を未来に飛ばす
- 未来に飛んだアン風。ルール『UMA ゴースト』が追加。世界に『霊』が生まれ魂になった風子
- 魂になった風子がさらわれる
- ペナルティは回避したはずなのに突如地球が太陽に向けて進んでいく
- 強制的に世界はラグナロクへ。
という感じです。一気に物語が動き出しました。
ペナルティである『公転』を回避したはずなのに、四季のうち三季を滅ぼしたせいで『たまたま公転みたいな事が起きるようになった』とか言い出すアポカリプス。
ハッキリ言ってクソゲーですね。
大前提である『クエストをクリアすればペナルティは回避できる』という約束を守らないのであれば、もうこのゲームに必死になる理由は無いわけです。
どれだけ頑張っても、ある日運営の気まぐれで全て無かった事にされる可能性があるわけです。こんなもん激萎えですよね。
ゲームをゲームとして楽しみたいのであれば、ルールは守られるべきなんですよ。そこがわからん神とは友達になれそうにありません。
しかし、だからと言って腐ってばかりもいられません。魂となり連れ去られた風子を助けるためにアンディは必死に風子の居場所を探します。
不滅。その字をそのまま能力とするなら『滅びを否定する』という事でしょうか。
死を否定する不死というのはイメージしやすいですが、滅びを否定する不滅というのはわかるようなわからないような。難しいですね。
でも、アンデラ界の能力バトルは『その能力の強さは解釈次第で変わる』と思えば、ハッキリと死というわかりやすい対象よりは滅びという微妙に拡大解釈も出来そうなあいまいな概念の方が強そうではありますよね。
ユニオンのメンバーは、それぞれに風子の心配をしてくれています。いい組織ですよ。
ムイちゃんに協力してもらい、ルインのいそうな場所を調べてもらってその情報を元に風子やルインを探す事にするアンディ。
今、世界はまさに太陽へ、ラグナロクへと向かって突き進んでいます。ユニオンにはそれを阻止するという目標がある。
不滅の事に関わっている場合じゃない。という判断により、ユニオンを抜け1人でルインを探しに行こうとするアンディ。
そのアンディの判断を尊重し、旅に出るアンディを1人で行かせるジュイス。
しかし。
旅に出るのはいいけど、ちゃんと風子も連れて戻ってこい。席は空けといてやるから!と言って送り出すジュイス。いい女ですよね。
俺ね。アン風も好きなんですけどジュイスも好きなんですよ。今のまま進んでいけば、アン風になるじゃないですか。ヴィクジュイは無いじゃないですか。
もうトータルで何億年も時間を共にした永遠の相棒であるヴィクトルが今はアンディと名乗っていて、その人格で好きになった風子を追いかけていくのを、粋(いき)な感じで送り出す。
マジでいい女ですよね。俺だったら絶対悲しいし寂しいと思うんですよ。
『億年』という圧倒的な激重感情の前では、他の女を追う事など些細な事なのでしょうかね。俺の思う好きと、ジュイスの思う好きはきっと違うのでしょう。
とにかく。
こうして、アンディの新しい旅が始まるのでした。
俺、最終話近辺で否定能力がこの世から無くなって、最終話のタイトルが『アンデッド&ラック』になるとずっと思ってるんですよね。
WILD LIFE
アンディがユニオンから一旦離れてその後。
ビリー達は深海に沈む三種の心器の1つである『イージス』を手に入れていました。
これを見るといつもナイトガンダムの力の盾を思い出すんですが、改めて見たらそんなに似てなかったです。
『神の攻撃を防ぐ』という物らしいです。でもこのMMORPGアンデッドアンラックは運営がかなりクソなので、果たしてそれもどこまでやら。
そもそも、自身を殺しうる物を本当に用意するのでしょうか?そのあたりも含めて今後注目したいアイテムですね。
その他のメンバーは円陣とくるるは日本へ。……って当たり前に言ってますけど、くるるちゃんはともかく円陣てここで言われてもあんまよくわからないですよね。この時点では何する人なのかも全然わからん。
友才も帰ったようです。旦那さん?と子供?が一緒に描かれています。何にとは言いませんが『不抜』の能力は発動しなかったのでしょうか(クズ)
そして。セクシーカンフーの使い手。
などと供述しており
この時点では、彼の言う事が最先端でありさらに未来の人気投票3位になるなど誰も知らなかったのです。たぶん。
さらに、ラトラはユニオンに協力。リップは単独で動いてるようです。
そして、ユニオンは地球の滅亡を阻止するために動いていました。気温の変化を抑えるために温度変化に関係のありそうなUMAを集めたりとか。
これから地球は太陽に突っ込むんだと思うと、バーンとりあえず処してみたらどうなんですかね?燃焼という現象をこの世から消せば、太陽による被害はかなり減りそうな気がするんですけど。
一方アンディは。
どうやら、世界各地で『笑った死体』とやらの集団自殺事件が多発しているようで、それを追っているようです。
そんな旅の中で、とある街で出会った少年を守った事から新しい旅が始まります。
その町では何やら異常な異変が多発しているようです。突然体が重くなったり、色が失われたり。
そして、その異変の発生源は街の近くにあるお城だという事で、その城へと向かうアンディと少年。
お城に行って帰ってきた人はみんなおかしくなって帰ってくるそうです。
こうなる原因は、この街で出会ったUMAのジュニアに噛まれた事が原因っぽいんですが、なんのUMAなら人がこんな風に狂うんでしょうか。
というわけで、原因と思わしきお城へと向かうアンディと少年。その前に、大量のUMAが立ちはだかります。
なんかキモイのがいっぱい
お城へと続く森の中には、大量のUMAがいました。これらと戦いながら先へと進むアンディ&少年。
まずその初戦。
最初の相手は『UMA THIRST(渇き)』です。これをアンディは瞬殺。
さて。
瞬殺と簡単に言っても、これは大変な事です。UMAを処した。それはつまり、この世からその現象が消える事を意味します。
世界から『渇き』という現象が消えました。
非否定者にとっては、渇きがあった事すら消えました。つまり、シェンの脳内から渇きという事に関する全ての記憶が消えたというわけです。
『渇き』が無くなるってどういう事ですかね?水分が蒸発しないという事なんでしょうか。何も水分に限った事ではないでしょう。『気化』という現象が無くなったのかもしれません。
という事は、もう水分が気体にならないのであれば、雲は出来ないかもしれません。気体から液体、固体へと変化した物質はもう2度と気体になる事はありません。
とんでもない事ですね。
運動をして汗をかいてもその汗が蒸発しないので、体温が下がるのも時間がかかる事でしょう。このUMAを倒したというだけで、もう世界は終わったも同然です。
『乾いてるのはそっちじゃない もうバカにしないで』という歌の歌詞も消えました。好きなのに悲しい。
そこからさらにアンディはUMAを倒し続けます。
- INSECT (インセクト 虫)
- GRAVITY (グラビティ 重力)
- MAGMA (マグマ)
- SLICE (スライス 薄切り)
がこの世界から消えました。
さぁ!とんでもない事ですねこれ。
虫が消えたのはエグい。この世界から花が消えたかもしれません。宇宙船地球号の最大派閥である虫さんが全部消滅しました。もう後戻りは出来ませんね。
『バグ(虫)』の概念も消えたかもしれません。エンジニア歓喜。
重力も消えました。消えましたとか簡単に言っていい事じゃなくない?これが無くなったら太陽に落ちていく事も無くなったんじゃない?
そもそも『重力』ってなんだって話ですよ。四つの力(強い力 弱い力 電磁気力 重力)の四天王のうちの重力がやられました。奴は四天王で最弱かどうかはかなり判断に迷うところ。見つかってなさでは最強かもしれません。
マグマが無くなるってのも意味がわかりませんよね。マグマってなんだろう。どういう概念なんだろう。そんな単品でどうこうなる物なのでしょうか?
そしてスライス。薄切りがこの世から消えました。厚切りは無事なのでしょうか。言ってて自分でも意味がわかりません。このUMAがこの世界に追加されるまでは、人々の中に薄く切るという概念は存在しなかったのでしょうか。
刺身もチーズも今後はブロックです。そのまま出てきます。
アポカリプスがドヤ顔で『ペナルティ!!UMAスライスを追加する!!』とか言って、当時の円卓のメンバーが『スライスってなんだ……?』みたいな感じになって、非否定者に確認したら『物を薄く切るだと!?なんだそれ!!!』みたいな感じでニコが発狂するのでしょうか。
とんでもない事をしでかしたアンディ。その感想がこちら。
ビリーが核を落とそうとした時にドン引きしていた人のセリフとは思えません。
いやいやいやいや!!お前流石にその発言はアカンやろ!世界から虫とか重力を消す事に比べたら核なんか可愛いもんだろ!!
まぁもうここだけでも無限に突っ込めそうな気がしますので先に進みますが、このアンディの蛮行に対して神が激怒。
監督者であるジュイスを月面に呼び出して説教です。
ちょっとアンディやりすぎじゃね?と激オコなルナさん。
しかし。これはこれでどうやねんと思うわけですよ。お前らがこの世界を作ったんなら、簡単に壊されるような強度でUMAを作るなよって話ですよね。
壊されると消滅するルールってとこにこのゲームの面白さがあるはずなのに、それを壊されると許しませんと。だったらそんな仕様にするなよ。相変わらずのクソ運営。
これに対して反論をするジュイス。
『今回のループでお前ら処してやるからな』と宣言しますが、これに対して神ズは激怒。
運営権限で謎の調整が入ります。
それから
ここまでで12巻の半分くらいです。
ここからは、神からの調整係としてUMAなのかなんなのかよくわからない謎の何かが登場します(あいまい)
この生き物の名前は『シール(封印)』だそうです。
占いババのとこにこんなのいたような気がします。あっちはもうちょい太かったけど。
アンディに『今までの敵とはレベルが違う』と言われるほどの強敵であるシール。能力的には『対象の能力を札に封印し、封印した能力は自分で使う事が出来る』という感じ。
アンディと相性が悪い拘束系の能力ですね。
シールは、その近くにいたUMA達の能力を取り込みました。
- JEWEL (ジュエル 宝石)
- BOMB (ボム 爆弾 爆発)
- SPLASH (スプラッシュ 水しぶきなど)
- COLOR (カラー 色)
- CLOUD (クラウド 雲)
この辺が取り込まれました。取り込まれただけなので消えたわけではないようです。雲に関しては、この世界にはもうすでに『渇き』が存在しませんから、連鎖的にもう虫の息でしょう。
しかし『虫』もありませんからこの世界では雲はもう息でしょう。意味わからん。
もう重力が存在しないはずの世界で地に足付けて戦うアンディとシール。
シールの能力によって……というよりは、自ら望んでシールに封印されるアンディ。そこで新しい能力に目覚めます。
俺ここでの『アンディが思い描いた夢』が好きなんですよ。俺達が当たり前に持っているけど、アンディにとっては叶わない特別な夢。
そして。
そんなアンディ達の戦いの裏で行われていた恐ろしい計画。
さらに戦いに乱入してくる新たなる存在。混迷を極める戦いの行方は。
ちなみに、ここまでの間でも結構切断描写があるんですが確かに全部厚切りだった。薄切りは無かった。
13巻へ続く。
画像:「アンデッドアンラック」コミックス12巻より引用
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