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【感想】アンデッドアンラック 11巻 決着するスプリング戦。そして物語は大きく動き出す

2024年8月28日

当ブログはその性質上、どうしてもネタバレを含みます。そんなの嫌だ!という方は十分に注意して読んでください。

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あらすじ

遂にタワー頂上へと辿り着いた風子は、スプリングと全てを賭けた三本勝負に突入! 1勝1敗で迎えた最終戦を前に、神の洗脳が進むスプリングがついにフェーズ3に到達する。良い終わり(死)に向け、最後の勝負が始まる!!

bookwalker作品紹介より

というお話です。作者は戸塚慶文さんです。

登場人物

出雲風子:『不運』の否定者。その能力でUMAスプリングと戦う。

アンディ:『不死』の否定者。風子やその他の面々と共にUMAスプリングと戦う。

感想

決着するスプリング戦!そして……!!

はい!というわけで、今回紹介するのは『アンデッドアンラック』の11巻です!

お盆休みが終わりまして、過酷な社会復帰の中での日常です。働かなくてお金が欲しい。

変化する春

今の展開がどうやらお気に召さない神の介入によってその形態を変化させるスプリング。

個人的に、神の横槍とかなかなか萎えますよ。そんなんもうなんでも有りやんけという感情。まぁ、この世界というか舞台を作ったのが神であるのなら、なんでも有りなのかもしれませんが。

『なんかおもんないから』とかいう理由で即リセットかけないだけまだ良心的なのかもしれません。

本人の意志と関係無しの形態変化に対して抗うスプリング。そのコアを自ら風子に差しだします。

これ以上神からの洗脳が進めば自分の意志は無くなるので、その前に風子に自らを殺させようとするスプリング。

それを見て、即殺そうと銃を撃つビリーでしたがその攻撃は効かず。

一度勝負が始まればその勝負を受けた人から以外の攻撃はスプリングには届かず、逆にその体を桜へと変えられてしまいます。

つまり、今の状況でスプリングを倒す事が出来るのは風子のみ。現在1勝1敗である3本勝負の3本目に勝つ事でしかスプリングを倒せません。

そして、風子達が桜に変えられてしまうまでの時間もあと残り少ないので短期決戦で終わるチンチロ勝負をスプリングが提案。

風子に不運を付与されたスプリングはこの勝負で風子に負け、それで終わる。

しかし。

ここでスプリングの本体がコアを連れ去りました。

人だけでなく建物も桜に変えていくスプリング。

神に!!この星を捧げよう!!

とか言ってますけどもうルールもクソも無いですからね。正面から戦おうとした風子が気に入らないのかなんなのか、その勝負も無茶苦茶にしたあげく巨大化してさらに外からの攻撃を無効化かつカウンターの桜変化。

控え目に言ってカスのバランスですね。

強いとか強くないとかそういう次元と全然関係ない話ですよ。結局は神の手のひらの上というか、運営の気持ち次第でなんでもどうにでもなりますよ。という事です。

でも、ここでもよくわからんのです。神が本気でユニオン&アンダーを皆殺しにしたいのであれば、ここまで無敵のスプリングを防御に集中させ、離れすぎない程度に逃げるとかしてれば勝手に全員桜になるんですが、なぜかそれをしない。

明らかにルール違反の滅茶苦茶な事をしておきながら、そのくせ非情に徹しない意味不明さ。

なんやねんお前何がしたいねん。という気持ちになってしまうのです。でも最終的には防戦になるんですけどね。

まぁサマーなんかただのバトルの足場としての登場で、最終的に強制勝ちイベみたいな感じで倒されましたからこの季節シリーズはどれもこれもなんかよくわかりません。

そんな俺の気持ちはともかく。

外部からの攻撃が一切通じないのでこのままでは風子をスプリングのコアの元へと届ける事も出来ない。

しかし、風子の不運はスプリングに通じた。という事で、スプリングの近くで不運をバラ巻きつつ、さらに『スプリングへの妨害ではない』方法でダメージを与えていこう。となりました。

どういう事かというと『アンディへの攻撃の延長線上にたまたまスプリングがいただけ』の体であればその攻撃は当たる。という感じです。

かっこいいアンディ

運営(神)がこちら側に押し付けてくるルールがあまりに理不尽なので、こういう『解釈でルールを拡張する』みたいな展開はいいですね。こういう抜け道を使わないとマジでどうにもならんので。

というわけで。ここからはユニオン&アンダーの総力を尽くしてスプリング……もといアンディへの攻撃が始まります。

リップの攻撃。シェンの攻撃。トップ&一心の攻撃。

様々な攻撃がスプリングに当たります。

しかし、スプリングも自らを桜で守ります。その桜は人が姿を変えた桜。攻撃で傷をつければもう元に戻らないのです。

正直この状況でそんな事言うてる場合かと思わないでもないですが。

ここまでの戦いでそれぞれも傷つき、もう1つ決め手に欠ける。

この状況をなんとかするために、タチアナがビリーを説得します。

ビリーがタチアナのために作って持ってきたロングケーキバー。それをビリーに食べさせます。

私が今日まで生きれたのは、ビリー様が私の為に作ってくれたこのお菓子があったから。

アンディに作ってもらったけど美味しくなかったから。また一緒に作りたいから。私達が弱いから裏切ったのなら、強くなるために努力もしたから。

戻ってきて、一緒に戦おう?

ここまでを聞いて、風子に通信を切るように指示するアンディ。命を賭けた戦いの最中でも人の大切な心の中に配慮できるアンディは素晴らしい。

しかし。

ビリーはタチアナの申し出を拒否。

『キミ達は強い。自分の宿命から逃げる事なくすべき事をやっている。だからボクも逃げるわけにはいかない』

でなければ、不公平だろう?

綺麗なビリー様の顔を見せタチアナに告げるビリー。

でも、戻れないだけだ。

ここまでの戦いを見て、ジュイスが言った事がわかったと。不死と不運は運命を否定する。

運と死を否定する2人が『運命』を否定する。いいですね。

戻れないが、手を貸す事は出来る。という事で、改めてアンディ達と共闘するビリー。

最初からこうしていれば……と思わないでもないです。まぁもうこの辺は考えるのではなく感じる方向がいいのかなと思います。

そして。

まずはビリーの『不均衡』でスプリングの体を守っていた桜の形を変形させ、スプリングの体を露出させます。

さらに、そのビリーの体を斬ろうとアンディが血を巨大な刀に。その血の巨大な刀をビリーが『不変』の力で絶対に形の変わらない最強の刀とし、その刀でスプリングを一刀両断。

この『不変ブレード』はこれ以降にも高火力技として登場したりします。かっこいいですよね。

これでついにスプリングの体が真っ二つになり風子をコアへと届ける道が開けました。

ここから、スプリングの過去が語られます。

昔のスプリングと、初代一心との出会い。

そらその見た目は怖いやろ

人間と仲良くなりたくて日本中を旅してオモチャを集めてみたりもしますが『巨人全裸ランドセル』という特殊性癖の極地みたいな見た目で誰も遊んではくれません。そらそうよ。

もうこれは無理だ。山で暮らそう。そう思って山にこもったスプリングでしたが、そこに一心がやってきました。

こうしてガチムチ兄貴と全裸ランドセル鬼(内面はショタ寄り)が2人で連日山でオモチャ遊びをするという、なるほど『春』の名にふさわしいとんでもない環境が誕生しました。

しかし。一心には嫁が出来てしまいます。NTR(寝取られ)発生です。

これにより、ワシが先に好きだったのに(WSS)一心を奪った愚かな人間を根絶やしに……!という事にもならず、それを受け入れるスプリング。

その後なんやかんやあって世の中に桜の素晴らしさを広める事にも成功したりもしましたが……。

神の洗脳により自我を失い大暴れ

またしても……というよりこれが初回なのかもしれませんが、神の洗脳により我を失い村を破壊。これを聞きつけた一心に博打勝負を挑まれスプリングはこれに勝ちます。

『いつかお前と本気で遊んでくれるやつが現れるまで生きてほしい』

そんな一心との約束を胸に、スプリングは生き続けるのでした。

というのがスプリングのだいたいの過去編です。

いい話だとは思うのですがUMAってそんな感じなの?という気もします。

この一心との事件の発生は明治時代なのですが、もうかれこれループを100回くらい繰り返しているジュイスはこれに対してなんとも思わなかったのでしょうか?UMAスプリングが大暴れして村を1個壊滅させた。なんてすぐにでも捕捉されそうな気もします。

過去のループの中でジュイス達はサマーには1度も勝った事が無かった。という事は、スプリングにも会った事あるような気がするんですがそんな事はないのでしょうか。

何もわかりません。

そんなん言いだしたら秒殺されたウィンターさんにも何かエピソードあったかもしれないじゃん。

『お前は不吉なんかじゃねぇ』という一心の計らいによって生かされたスプリングですが、アンディ達がいなければ東京中くらいの人間を桜に変えましたので、不吉どころではないわけです。

まぁ、あんまりそんな事言ってもあれなので。

ついに開かれたスプリングのコアへの道。いよいよ風子vsスプリングの最終決戦が始まります!!

それから

ここまでで11巻の半分くらいです。

ここからは、いよいよスプリングとの戦いです。

『いよいよ』とは言っても、すでに風子の特大の不運を付与されたスプリングは負けが確定。必敗の戦いです。

で。一応作品内の記述に従って『チンチロ』と書いてきましたがこの丁半博打はチンチロではないと思うんですよね。言いたい事は伝わるんでいいんですけど。

そして。

スプリングが死ねば春も無くなるという事で、最後の春を見送るためにみんなでお酒を飲んでのお花見です。

ただ生きる事が何よりも良いわけじゃない

アンディが言うと重みのある言葉になりますね。

こうして。

スプリングとの最後の丁半博打に見事風子が勝利し、初代一心から伝わっていた一心一族の心もスプリングに届いたところでスプリング戦は終わります。

これで世界からは秋以外の全ての季節が消えたので、必然的に季節は秋に。12月24日なのに秋。過ごしやすそうではありますね。もう今後は永遠に秋なので服も秋物だけで十分です。

しかし、否定者以外の記憶からは秋以外の全ての季節が消えたわけですから、こうなると『季節』という概念は死んだも同然でしょう。1個しかないんだし。

神にも届きうる風子の不運。この威力をさらに高くするための決意をアンディがしたりもしました。

が。ここで物語は大きく動きます。

突如現れた謎の男によって刺され、その命を失う寸前になる風子。

その傷は深く、もう手の施しようがない。この謎の男は自らを『不滅』の否定者と名乗りました。

男はここからすぐに消えましたが、残された風子をなんとかして助けなければいけない。

しかしこのままでは風子は確実に死んでしまう。そこで、ジュイスが取った方法とは。

ポイントを譲渡とは?1週間後に飛ばすとは?

1週間後のリザルトにて新しく追加されるルール。そして、大きく変わっていってしまう世界。

果たして風子の命は。この世界はどうなってしまうのか!!!

12巻へ続く。

画像:「アンデッドアンラック」コミックス11巻より引用

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