【感想】アクタージュ 7巻 学校編。個人的にはあまり好きではないです。
あらすじ
舞台初日公演から数日後、巌の告別式に参列していた夜凪は芸能プロデューサーを名乗る男・天知心一に声をかけられる。不敵な笑みを浮かべながら良い話を持ってきたと言う彼は翌週発売の週刊誌に掲載されるとある記事を夜凪に渡し――。 bookwalker作品紹介より
というお話です。原作 マツキタツヤさん 漫画 宇佐崎しろさんです。
登場人物
夜凪景:劇団天球での公演を終え、知名度も格段に上がりこれから本格的に活動を・・・。というところで黒山からストップがかかる。自分の定義を増やすために、学校で役者ではない普通の友達を作ってくるのが目標。
吉岡新太:友達作りを始めた夜凪を映研に誘う。恋愛感情として夜凪が好きかどうかは不明。でも、もし好きならライバルがかなりハイレベルなので頑張れ吉岡。
朝陽ひな:映研の幽霊部員。でも一応部室には毎日いたっぽいので幽霊ではないかもしれない。同じ部活のリョーマが好き。自分達の事など背景の一部くらいにしか見ていなかった頃の夜凪が嫌い。
花井遼馬:映研の一応の部員。昔野球部のエースだったが肩を壊してその夢を断念。
感想
アクタージュ学校編。実はあまり好きではないです。
はい!というわけで、今回紹介するのは『アクタージュ』の7巻です!
銀河鉄道の夜の公演も終わり、夜凪人気が爆発したところで突然の活動休止。『戻ってこれなくなる』夜凪を心配して、自分の定義を増やすために学校で友達を作るのがこのシリーズの目標です。
で。
上にもあるように、俺はこのシリーズがあまり好きではありません。6巻でもそんな事言ってたような気がしますが、俺アクタージュ大好きよ?
この好きではない理由ですが、これも銀河鉄道の夜の時と同じような理由です。その辺の話も交えて紹介していきたいと思います。
巌さんの葬儀
銀河鉄道の夜の公演も3日目を迎え、そんな中巌さんの葬儀・告別式が行われました。
一応、劇団天球の創始者であり団員からすれば親みたいな人だったっぽいのに、葬儀の様子はほとんど描かれません。これ結構悲しいですよね。
読者の目線は、もう完全にテレビのワイドショーを見ている目線。
棺に入った巌さんを前にして泣いてしまう阿良也とか、そういうシーンがあってもよかったはずなのに。ややこしい大人の事情を中心に話は進んでいきます。
夜凪にアドバイスに訪れた星アリサ。
これから残り30日ほどある公演の中で、どんどん芝居は研ぎ澄まされていく。その度に、夜凪は死を体験する。
まるで自らに刷り込むように、何度も何度も。
朝起きた時まず目に入る家族を昔の写真のように懐かしく感じたら気を付けなさい。
あなたがあなたでなくなる前兆よ。
演技に入り込みすぎて戻ってこれなくなる。恐らくですが、この時点ですでに夜凪には心当たりがあるように見えます。当然、星アリサ自身はその状態を経験済みなのでしょう。
夜凪にアドバイスというか警告をして去っていく星アリサ。そして、それと入れ替わりに1人の男がやってきます。
天知心一
アリサと入れ替わりでやってきた男。その名を天知心一。
『良い話を持ってきた』という天知。夜凪を『悲劇のヒロイン』として売り出すために、すでに雑誌社にも手を打っており、次は私の見世物になってくださいと誘う天知。
つまるところ芸能もビジネス。悲劇のヒロインはお金になる。夜凪の不幸を武器にして、夜凪を輝かせてみせる。と。
しかし夜凪はこれを拒否。
あえなくお誘いは破談となりました。
それから、銀河鉄道の夜の公演は全ての日程をトラブルも無く終了。大盛況でその公演を終えました。
これにより、女優夜凪景の知名度は上昇。舞台やテレビのオファーも毎日殺到するのですが・・・。
学校編始まる
殺到する仕事の依頼を全て断る黒山。
理由は、巌さんの葬儀の時に星アリサから受けた警告。
お前にもう芝居はさせらんねぇ。
夜凪は芝居に入り込み過ぎて戻ってこれなくなってしまうかもしれない。そこで、黒山が夜凪に出した条件が『自分の定義を増やせ』という事でした。
学校で役者じゃない普通の友達を作ってこい。それまで役者業は休業だ。
と、いうわけで。夜凪景16歳JKに出された宿題は、友達作りとなりました。
友達を作る
さっそく学校で友達作りを開始する夜凪。しかし、これまでほとんど学校の人と接してこなかったせいで、距離感はおかしいし同じ女子からはあざといとか言われるしで、なかなか思うようにいきません。
屋上で1人黄昏る夜凪。
そんな夜凪の元へ、1人の男子がやってきます。
彼の名前は吉岡新太。この学校の映研の部員で、夜凪と一緒に映画を撮ろうと誘います。
この誘いに乗り、学校祭に向けて映研での映画作成が始まります。
機材を黒山に借りたりもしてみますが、夜凪の知名度が高すぎるために映画の撮影の活動にはどうしても邪魔が入ってしまう。
主演の夜凪と撮影の吉岡の2人では人払いもままなりません。
悪戦苦闘する2人の前になぜかやってくる星アキラ。アキラ君ヒマなの?
夜凪を心配して様子を見に来たようですが、手伝おうとするアキラを夜凪は拒否。この映画は吉岡君との友情パワーで撮りたいのだそうです。
星アキラがいきなり目の前に現れてもあんまり動揺しない吉岡は結構大物だと思う。
プロの手は借りない。でも2人では撮影がまったく進まない。そこで、なんとか同じ映研部員のひなに手伝ってもらおうとしますが上手くいきません。
なんでこの時のひなは疲れ果てたナメック星人みたいな目なんでしょうか。そんな目で見るなよ。
でもひなの言う事は正論です。これまで、クラスメイトを背景か何かとしてしか見ていなかった。自分の事だけ考えて自分の世界だけで生きてきたそのツケが、今回ってきたのです。
これ結構思春期の若者にとっては深刻な話ですよね。だってクラスメイトの名前もまったく覚えていなかったような奴がいきなり頭下げてきても、有名人だかなんだか知らないけどいくらなんでも虫が良すぎるんじゃない?ってそりゃなりますよね。
これが大人の世界だと、夜凪のネームバリューを利用したいから折れたりする人もいるんでしょうけどね。学生にはそんなの関係ねぇ。
一方の夜凪も、千世子や阿良也の事を悪く言われてキレます。いいねぇ青春。
最初の段階では上手くいきませんでしたが、その後吉岡が撮った動画をひなに送り、それを見たひなが手伝ってくれる事になりました。
夜凪の周りにはなにかしらの特殊能力を持った超人ばかりが集まるので、こういう等身大JKは好感が持てます。可愛いですよねひな。
そして学校祭当日
できるだけ大勢の人に見てもらおうと、ひなが夜凪の情報は伏せてSNSで宣伝したけどそれが元で大混乱に。
8.1万リツイートという『ちょwお前のツイート伸びすぎww有名人じゃんwww』という状態ですが、本当に有名人なんですよね。ってか8.1万て。
そして、学校側の判断で映研の上映は中止に。落ち込む夜凪達でしたが、その日の夜。
なぜか校舎に映し出される映研の映画・・・。
というのがこの7巻のだいたいの内容になります。
で。何が好きではないか。という話になるんですが、もうね。
見せろよと。その映画を。夜凪が友情パワーで作った映画を。
頑張って撮影はしてました。という話は部分部分語られるんですが、肝心のその映画の内容が全然わからんのですよ。そらまったくわからんという事ではないんですよ。でももう全然わからん。
個人的にこれが凄い腹立つんですよ。自分の定義を増やすために学校で普通の友達を作った。で、その集大成としてみんなで映画を作ったのに、その内容はまったくわからんのです。
で。他にも、普通の友達を作る。という目標があったわけなんですが、映研の上映が中止になった段階でもう学祭については何も描かれません。
結局普通の友達作れてなくない?素人の映画関係者が増えただけじゃない?
部活の出し物は中止になったかもしれないけど、例えばクラスの出し物もあったはずで、メイド喫茶とかおばけ屋敷とか、夜凪が活躍できそうなイベントはいくらでもあったはずなんですよ。
それがもう一切無い。結局、全然『女子高生 夜凪景』がまったく見えてこなかった。これが非常に残念に思うんです。このシリーズだけは何回読んでも気に入らない。
自分の定義を増やすなら、もっと役者と全然違う事に挑戦させてあげてほしかった。もっと女子高生の日常を2話3話と描いてほしかった。
打ち上げでカラオケとかあっただろうし、前日準備で遅くまでみんなとなんかしたりもしたかもしれないのに。
これでは、背景だったモブの中から映研関係者が取り除かれただけで、依然他の人は背景のままなのではないのか・・・。と。
まぁあんまり悪くいってもダメかと思うんですけどね。俺この漫画が大好きなので、余計に言いたくなるのです。
でも。次の8巻は冒頭から俺の大好きな話なのでテンション上がりますよ。新宿ガール。最高ですよね。
そんなわけで8巻に続く。
画像:「アクタージュ」コミックス7巻より引用
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